ダイパキッズ


2006年に発売されたDSソフト「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」をこよなく愛する子供たちの総称だ。

とは言っても、当時ダイヤモンド・パールをやりこんでいた世代は、本物の子供からしたら今や立派なおじさん・おばさんなんだけどね。

そんなダイパキッズである同士たちへ朗報だ! 今、ポケモンセンターでは、ダイヤモンド・パールの世界をリアルでも味わえる「カセキ発掘キット」が登場しているぞ! あの「ちかつうろ」での冒険が時を経て帰ってきた……!


・ポケモン公式「カセキ発掘キット」が登場!

「ポケモンモンスター ダイヤモンド・パール」、そしてマイナーチェンジ版の「プラチナ」は、ポケモンシリーズ初のNintendo DS用作品。俗にいう「第4世代」であり、3作の頭文字をとって「DPt」だなんて呼ばれている。

DSの2画面を活かした仕様となっていて、ポケッチやコンテスト、戦闘時アニメーションやGTSなど、話題に事欠かない名作なんだよね。


なかでも、多くの子供たちを当時虜にしたであろう要素が「ちかつうろ」。

プレイヤーは「たんけんセット」を使うことで地下の巨大なエリアを探索することができ、そこで秘密基地を作ったりカセキを掘ったりして遊ぶことができたのだ。

私(まろ)はこの「カセキ掘り」が大好きで、ストーリーそっちのけでひたすら採掘していた記憶がある。進化の石やポケモンのカセキ、珍しいアイテムなどが手に入るから、宝探しみたいでとても楽しかったんだよね。


だから、ポケモンセンターで「カセキ発掘キット(3520円)」を見つけた時は心が踊った。昔熱中していた「ちかつうろ」での体験が、令和になった今、現実世界でもできるのか! ……と。

繰り返し使えないものに3520円はなかなかに高価だが、あの頃の思い出が蘇るならプライスレス。さっそく発掘していこうじゃないか。


中身は、石膏とハンマー・ノミ・ハケの4点。

特に詳しい説明書があるわけではないので、パッケージのイラストを頼りに掘削していくぞ。埋まっているアイテムは全6種類中4種。何が入っているかは掘り出してみてのお楽しみだ。


石膏にノミを刺し、ハンマーでガンガン叩いていく。これがゲームであればタッチペン1本で簡単に削れるのに、発掘キットは全然削れない。


汗だくになりながらハンマーを叩き続けること5分。進捗がたったこれだけなんて自分でも信じられないぞ。時々ハンマーが指に当たってめちゃくちゃ痛いし、なんだか口の中が砂っぽい。これこそがリアル……!


開始から10分、やっとカセキらしきものの姿を確認! 傷をつけないよう、周囲からちまちま削っていく。


この時点じゃこれが何のカセキなのか全然分からないな。取り出してひっくり返してみると……



たてのカセキだ!


ポケモンをあまり知らない人からするとなんじゃこりゃって感じだが、ゲーム内ではこのカセキ(化石)を復元することで「タテトプス」というポケモンがゲットできるのだ。


まだ4つのうち1つしか発掘できてないのでペースを上げていこう。段々とコツを掴んできたので、ガンガン石膏を掘り進めていく。


しかし、そこからは耐えの時間であった。削っても削ってもカセキの姿が見えないのだ。20分ほどこの虚無な時間が続き、腕と肩と指がだんだんと消耗していく。


ただ、「こんなに削ってるのに一体どこに埋まってんだよ」と思いながら削る様は、ゲームと全く同じなんだよね。

ゲームでも最初に埋まってる数が伝えられるから、時間制限の中いかに全て掘り出せるか……というところがおもしろいのだ。まあ、キットだとその制限が、忍耐力と体力になるんだけど。


削り続けること30分、ようやく2つめのカセキらしきものを発見! 周りから慎重に掘り出そうとしたとした、その時……!



なんか隣にもう1個あるぞ!?


こんな近くに2つ埋まってるなんてそんなことある? 子供向けだしどうせ四隅にあるんだろうと思ってたのに、とんだ大人泣かせである。30分かけて削ってた3分の2はまさかの無駄骨……!


しかも、その隣からも青い物体がチラリ。おいおい、さすがに固まりすぎだろ!!!! 

ということは、カセキの埋まっている深さや位置は完全ランダムなんだな。それは恐れ入ったわ。


一部でも姿が見えればそこからの採掘は早かった。

今回のキットに埋まっていたのは、「たてのカセキ」「ずかいのカセキ」「ハートのウロコ」「べにタマ・あおタマ・みどりタマ」の4種類。

タマなんてゲーム内で見飽きるほど採掘して捨てていたのに、リアルで出てくれたのは結構嬉しい。カセキもダイパ世代が揃って胸アツだ。


・懐かしすぎた

もうね、エモすぎる。私のポケモン人生はダイヤモンド・パールから始まっているので、10年近くの時を経てあの時の体験がリアルで楽しめたのはめちゃくちゃエモい。超疲れたけどね。すべて掘り出すのに結局1時間かかったし……。

最初は良い歳した大人でもちゃんと楽しめるのか少し不安だったが、ダイパで遊んだ思い出があれば無敵だった。逆におもちゃとしての対象年齢である子供たちにウケるのかは怪しいところ。高額かつターゲット層が謎だからか、ポケセンにしては珍しく、発売から少し経ってもまだ在庫が残っているみたい。

カセキの使い道は正直困るし、現実での発掘作業は疲れるからもうしんどいけど、楽しかったあの頃を思い出す良いきっかけとなってくれた。大人になってしまったダイパキッズ達を童心に帰らせてくれる、なんともエモい商品だったなぁ。


参考リンク:ポケモンセンターオンライン
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.
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▼ゲーム画面と石膏を比べてみると、再現度高い……! ゲームだと大きな岩の面積が多いほど掘るの難しいんだよね。懐かしい~!

▼発掘作業はめちゃくちゃ汚れますので場所や服装にはご注意を。ちかつうろのBGM聞きながら作業するとはかどります

▼ゲームだとカセキってなかなか見つからない。ハートのウロコは忘れてしまった技を思い出すときに使うアイテム。

▼久々に秘密基地にも入ってみた。あの頃はみんなで旗取り楽しかったなぁ。

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