2025年3月12日、かねてから噂されていたナイアンティックのゲーム事業売却が正式に発表された。今後、ナイアンティックはジオスペーシャルコンピューティング事業に特化した企業になるという(イングレスとペリドットは保有)。
「ピクミンブルーム」と「モンハンNOW」、そして「ポケモンGO」は新たに『スコープリー(Scopely)』が運営していくことになるが、果たしてポケモンGOはどうなっていくのだろうか?
・スコープリーとは
まずは新たに運営会社となる『スコープリー』について説明しておこう。スコープリーは2011年にアメリカで設立されたモバイルゲーム企業で、代表作には「モノポリーGO!」や「マーベル・ストライクフォース」などがある。
2023年にサウジアラビアの政府系ファンドである「パブリック・インベストメント・ファンド」の傘下に入り、豊富な資金力でゲーム業界での勢力拡大を目指している “いま最も勢いのあるモバイルゲーム企業” と言っていいだろう。
・ゲームは存続
先述のように「ポケモンGO」「ピクミンブルーム」「モンハンNOW」の3タイトルに関してはサービスの継続が発表されており、ナイアンティックのほとんどのメンバーがスコープリーで、引き続き各ゲームの運営に携わっていくとのことだ。
なのでしばらくはこれまで通りの運営が続いていく見込みだが、未来は誰にもわからない。特に外資系企業の買収における人員の流れは、目まぐるしく変化しがちなものである。
とはいえ、ゲームについての変化は良くも悪くも予測は可能だ。そこで今後ポケモンGOに起こりうる可能性をいくつか模索してみることにした。
・課金要素が強くなる or 弱まる?
ポケモンGOは数秒ごとにガチャガチャが引けるゲームではないため、比較的課金は少なくて済むゲームである。過去ほどではないにせよ、他のモバイルゲームと比較すると課金は緩やかなタイトルだろう。
これが新たな運営会社になることで、課金要素が強くなる可能性もある一方で、豊富な資金力で今より課金しなくても楽しめるゲームになる可能性もある。当然「今までくらいの課金で済む可能性」もだ。
これについてはどちらに転ぶか、それとも転ばないのか全くの未知数。願わくば、せめて今まで通りくらいの課金で楽しめるようお願いしたいところである。
・バグが無くなる?
ご承知の通り、ポケモンGOは非常にバグが多いタイトルだ。この理由について関係者に聞いたところによれば、そもそもの原因は「誰もポケモンGOがこんなに流行ると思っていなかったから」だという。
ローンチと同時に爆発的にユーザーが増えた結果「本来ならあり得ない方法で修正を重ねて来た」らしく、例えるなら「飛行機を飛ばしながらエンジンを直していた状態」がしばらく続いたそうだ。
そのため、過去の無茶苦茶な対応がちょいちょい顔を出し、本来ならないハズのバグが頻発するに至ったらしい。つまり従来通りならポケモンGOは「バグから逃れられないタイトル」なのだろう。
さらに言えば、一般的なタイトルならゲームをストップしてメンテナンス等を行うものだが、ナイアンティックはGoogleから発祥した企業。そのためGoogleがストップしないのと同じく「ポケモンGOにもその発想がない」そうだ。(過去の1回、7時間のサーバーメンテがあった)。
ただし、スコープリーが頻発するバグを根本的に解決しようとする可能性は十分にあるのではないだろうか? その際、しばらくゲームをプレイできないケースも想定されるが、長期的に見ればトレーナーにとって悪いことではあるまい。
ついでに言えば、ポケモンGOでは悪しき習慣として「サイレント修正」や「見て見ぬふり」が無いこともなかった。モバイルゲームを運用してきたノウハウを活かし、その辺りの対応の変化にも期待したい。
・未知のコラボも?
慣れすぎているため気付きにくいかもしれないが、ポケモンGOは極端にコラボが少ないタイトルである。ゲーム内における過去のコラボは「映画ミュウツーの逆襲」や「アニメコラボ」などポケモン関連に限られていた。
一方で、今後は「モノポリーコラボ」や「マーベルコラボ」が絶対に無いとは言い切れない。むしろ自社のタイトル同士のコラボレーションは、モバイルゲーム企業の常套手段だ。
その結果、トレーナーがポジティブな反応を示すのか? それともネガティブな反応になるのかは未知数。ただ「これまでのポケモンGOに無かったが起きるかも」とは心構えとして持っておいた方がいいだろう。
・願い
今後、ポケモンGOがどうなっていくかは良くも悪くも見通しが立ちづらい。ただ、1トレーナーとして以下のナイアンティック魂、ポケモンGO魂は引き継がれて欲しいと切実に願っている。
「ゲームを通じて人を外に連れ出す」
「Adventures on foot」
「好きなようにGOしよう」
スコープリーのミッションは「毎日、遊びを刺激する」とのこと。そのミッションが「Adventures on foot」などの精神と、上手く折り合うことを願いたい。今よりいいゲームになるといいね。
とにもかくにも、ポケモンGOは文字通り新たな局面を迎えている。不安なトレーナーも少なくはないと思うが、今後も好きなようにGOできるポケモンGOであり続けることを祈ろう。
参考リンク:ポケモンGO公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:c 2016-2024 Niantic. c 2025 Pokemon. c 1995-2025 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)
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要約すると…
・ゲーム事業がScopelyに売却決定
・売却額は35億ドル
・ポケモンGOやピクミンブルーム、モンハンナウは続いていく
・ナイアンはジオスペーシャルコンピューティング事業に特化したNIANTIC SPATIALを設立するなる……ほど。(サンジュン)https://t.co/xmftbfS8Jj
— ポケモンGO部@ロケットニュース24 (@rocketnews24go) March 12, 2025