世の中には、口に出して注文するのを躊躇(ちゅうちょ)してしまうメニューがある。過去に当サイトで紹介したところで例を挙げると、大阪王将の「弾む焼豚いつかの初恋オムライス」大丸東京店で購入した「ドリームプリティミルフィーユ」なんかがそれに当たるだろう。

そして今回、スシローと同系列の寿司居酒屋「杉玉」でも同じようなメニューを見つけてしまった。それはあまりにもポエム。商品名とは思えないほどに、ポエムなのだ

・ポエムな商品

引っ張るほどのことでもないので、さっそく発表しよう。その商品名とは……



『塩雲丹と馬肉のラブストーリーは突然に。』


なんて注文しにくい商品名だろうか。そもそも、私(43才)のようなオッサンが店員さんに口頭で注文したら「セクハラだ」とか言われるのではないか? と心配になってしまうほど尖ったネーミング。

ゆえに、ここは注文せずに他のものを食べるのが賢明……と思ったが、皮肉なことに「塩雲丹と馬肉のラブストーリーは突然に。」はメチャクチャ美味そうなのだ。

ウニと馬肉という組み合わせもさることならが、ニンニクの効いたカルパッチョソースが使われているらしい。間違いない。これは絶対に美味い。しかも1貫319円。

ウニと馬肉が使われていることを考えたら、決して高くない。むしろ、見方によってはリーズナブルといえるかも。

うーん、これは食べたい。でも、注文しにくいんだよな。どうしようかな。期間限定でなくなり次第終了だから今回を逃したら……と悩んだすえに、勇気を振り絞って店員さんを呼んだ。そして……


「すみません、『塩雲丹と馬肉のラブストーリーは突然に。』を1つもらっていいですか」


「はい!」と返事をした店員さん。ただ、そこから店員さんの動きが止まってしまった。あれ? どうしたんだろ? 早く注文伝票をキッチンに流してくれ! と思ったら……


「すみませーん、今そちらのメニューが品切れになってまして」


……


……


……


「あ〜そうですか。じゃあ他ので……」


と、何でもない様子を装ってメニューを開いた私は内心泣いていた。なんという運の無さだろうか。というか、恥ずかしすぎるぞ。

なにせ、周りのお客さんの中には商品のことを知らない人がいても不思議ではないわけで、そんな人にとっては、「は? なに言ってんの?」って感じではないか。

もちろん、特に何も思ってない可能性だって十分あるが……なんというか、無駄に神経をすり減らした気分だ。



・ビジュアルで攻めた商品

というわけで、『塩雲丹と馬肉のラブストーリーは突然に。』と私のラブストーリーは始まることなく終わった。だから味については何も言えない。何も知らないのだから。なので今回はこれまで!

……と言いたいところだが、それで終わるのもアレだから、最後に見た目でパンチのある商品を紹介しておきたい。それがこちら。


商品名は『美しすぎる、梅しそ真イカ』といい、2貫で319円。イカの表面に “あられ” があしらわれているのが最大の特徴なのだが、これを「美しすぎる」と言っていいのかどうかは疑問が残る。

たしかに色鮮やかだけど、これ系のビジュアルって嫌いな人が一定数いるような気もする。


味は普通に美味しい……というか斬新。サクっとした食感のあとにイカのネットリがやってくるのが、なんとも面白い。

イカって、あのネットリ感ですでに完成していると思っていたが、さらに “あられ” のサクッと感を加えるなんて……。なかなかチャレンジングな商品という印象。



というか、『塩雲丹と馬肉のラブストーリーは突然に。』を発売していることから考えても、最近の杉玉は攻めていると言って良さそうだ。

それ自体は嬉しいけれど、次の限定商品はもうちょっと注文しやすいネーミングでお願いします! フリじゃないですよ!!

参考リンク:X @_sugidama_
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.


▼後日、無事に注文できた『塩雲丹と馬肉のラブストーリーは突然に。』。思ったよりもニンニクが効いていた。色々な意味で香ばしい

▼杉玉の社長が太鼓判を押したらしい

▼これも結構ネーミングのクセが強い

▼実物はいたって普通のウィンナー