冷凍食品コーナーにおいて、炒飯やパスタなど似たような商品が並んでいるのは珍しくない。中には「プレミアム」と冠がついて一緒の料理まで……今回取り上げる日清スパ王とオーマイのようにほぼ同じなんてこともある。
それほど各社がしのぎを削っているということなのだが、同じプレミアムで同じ料理名となった場合どこまで違いがあるものだろう。
・プレミアム同士のペペロンチーノ
ということで、日清スパ王とオーマイのペスカトーレを比べてみたのが前回までの話である。
思った以上に違いがあって興味深く、個人的にはオーマイの方が “推し麺” だという結論になった。今度は定番パスタの「ペペロンチーノ」を比較してみたい。
まずはスパ王の方から見ていこう。内容量は256gでお値段267円。
イタリア産のスパゲティを使用しており、プリッとしたアルデンテ食感(歯ごたえが残るというゆで上がり状態の目安)が特徴なのだとか。
んで、なんと言っても注目は「しらす」を使っているところ。いろんな選択肢があるなか、狙いがあってのことだろうか。
続いてオーマイ。260gで332円とスパ王に比べて少しばかり高め。野菜を推しているのが明らかな違いで、海老と5種野菜を使用している。
また、パッケージにはアンチョビエキスとニンニクを効かせていると書かれていて、原材料にはニンニク系のものが3つも入っていた。これはパンチのあるペペロンチーノに期待できそうだ。
・ベクトルが違うなかどうか
大きな違いはしらすか野菜か。そこに注目しつつ、まずはそれぞれレンチンして完成形を比べてみたところ……
清々しいくらい違った
オーマイは緑鮮やかで野菜がゴロゴロと入っている。一方のスパ王はわりとシンプルめ。
今回もまたお値段通り……どうやらオーマイの方が推しになりそうだなと思いつつ、先にスパ王から食べてみると……ふむ!
267円とは思えないくらいほど美味しい。特によかったのは しらす で、パスタを邪魔せず脇役としての仕事を遂行していて過度な主張がないのがよかった。ちょっとした塩っけを演出する程度というか。
そして影の立役者になって、パスタのクオリティを一段と上げていたのが「葉だいこん」だ。彩りだけじゃなく味の面でもアクセントになっていて目立っていた。
でもって、麺は先に書いたようにスパ王仕様のアルデンテ食感。これがペペロンチーノとうまくマッチしていて、スルスル入ってきて美味しさを倍増させてきた。
これはあれだ……シンプルながら総合的に見て点数が高いやつ。野球なら走攻守が揃っている選手というか、ズバ抜けてスゴいところがあるわけじゃないけど誰が食べてもイイと思わせるような一品だった。
・オーマイのペペロンチーノ
それでは海老と5種野菜で勝負しているオーマイはどうだ。
チンしたら真っ先にニンニクがフワリと漂ってきたが、同時に気になるのはどうしても視界に入ってくる……
スナップえんどう、ブロッコリー、ピーマン、ニンニクあたりだ。特にスナップえんどう。強烈にデカい緑色が出てくるから、これだけで「うわっ」と思う人もいるかもしれない。
とはいえ、食べたら食べたで野菜ってウマいんだなと思わせてくれる内容だったから味としては普通に美味しい。むしろ、野菜よりもガーリックと辛さの方が気になった。
スパ王に比べて断然ピリッとしていて、口臭ケアもした方がいいだろうなという程度のスメルはあるのだ。万人受けというより好みが分かれそうなタイプかもしれない。
・全然違うペペロンチーノ
──てな感じで同じプレミアム、そして同じ種類でありながらベクトルは全然違ったペペロンチーノ2種をお伝えした。
第一印象とは違って個人的にはスパ王に一票。このクラスのペペロンチーノがレンチン1つだけで出来上がるということ、それから267円で冷凍庫にストックもできるのは強い。
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼スパ王の詳細
▼こちらはオーマイの詳細
▼オーマイはトレーつき、スパ王は袋入りだった