
プルーストの小説『失われた時を求めて』で、紅茶に浸したマドレーヌを食べた瞬間、幼少期のことを思い出す……といった描写がある。なにかの香りが引き金となって、過去の記憶を思い出す「プルースト現象」として有名である。
先日発売されたセブンイレブンの「大盛ペペロンチーノ」(税別298円)を食べた瞬間、私は小学校時代のあることを思い出した。
紅茶に浸したマドレーヌとコンビニの大盛りペペロンチーノから香る強烈なにんにく臭、優雅さは雲泥の差であるが、ちょっとお話しさせてほしい。
・ペペロンの大盛り
セブンイレブンの冷凍食品の新作で「大盛ペペロンチーノ」を見た瞬間、最初に感じたことは「ああ、不況なんだなあ」ということだった。
にんにく、唐辛子、塩こしょう、オリーブオイルだけで構成されたペペロンチーノは極めてシンプルなパスタである。肉とか野菜とかの具らしい具がまったくない。まあ、言い方はあれだけど究極の節約メシだと思う。
これを大盛りで発売する。もちろん、ペペロンチーノは美味しいからたくさん食べたい……ってこともあるだろうけど、世相も相まってどことなく「炭水化物で腹を満たす感」を感じてしまう。
・小学生の頃のペペロンチーノ時代
私が小学校6年生の頃のある一時期、母が「ペペロンチーノ」研究に凝っていたことがある。
当時の私は偏食がひどく、肉とか野菜があんまり好きではなかったので、給食にも出てこない目新しい「ペペロンチーノ」なる食事に夢中になった。唐辛子のピリッとした辛さが、大人の階段をちょっとだけ登ったような気分になりながら。
で、このペペロンチーノというやつは、シンプルゆえに非常に奥が深い料理でもあった。ほんのちょっとのさじ加減で全く味が変わってしまうし、意外なほど味が一定にならない。
母から味見係に任命された私は、母と「今日のは塩が辛い」「唐辛子は割ると激辛になるようだ」などと日夜研究を繰り返し、ひたすら極上の一皿を作ることを目指してペペロンチーノを食べまくっていた。
カンのいい人ならお気づきだと思うが、この頃、我が家の家計は火の車であった。
ときはバブル崩壊の数年後。破天荒な父親の事業がうまくいかなくなり、金持ち生活から一転、借金取りが家にやってくるような状態になっていた。父親は現実逃避するかのように夜の街で飲み歩き、ぜんぜん家に帰ってこない。後で知ったが、父のカードの請求額もとんでもないことになっていたらしい。
その結果、母は苦肉の策として具のいらない「ペペロンチーノ」研究会を開催していたのである。意外なことに悲壮感はまったくなかった。今にして思えば、明るく過ごすことで思春期の娘に家にお金がないことを悟らせまいとしていたのであろう。「お金がない」みたいな話もひとつもしなかったと思う。
夕方になると家に借金取りがくるので、母とふたりで祖父母の家に食事に行ってから帰ったりしていた。
で、当の娘である私は、この時期のことは「楽しかった」という思い出しかないのである。家に借金取りが来るなんて、どう考えても相当のピンチなわけだが、母が私の前ではあっけらかんとして、冗談を言ってふざけていたこともあって、私はそこまで深刻にとらえてはいなかった。
そういえば、母が水飴を1瓶買ってきて「水飴はよく練ってから食べると美味しい」と言ってきて、まんまとハマってずっとおやつが水飴だったこともあった。学校から帰ると、夕方のアニメの再放送を見ながらひたすら水飴を練りまくっていた。水飴はなかなか減らないし、これまた工夫したものである。
・大人になってから気づく
さて、鈍感な私がペペロンチーノが節約料理であり、母の「ペペロンチーノ研究会」が苦肉の策であったことに気づいたのは、大学に入って自分が自炊をするようになってからだった。スーパーで買い物しながら、炭水化物は安いけど、野菜とか肉って高いんだな……としみじみ感じたのだ。
そして、母は「あのときは大変で……」などと苦労話を語ることもなかったので、当時の家の状況がかなりハードだったことに気づいたのは、働き始めて自分の給料で生活するようになってからである。
いま、あらためて自分があのときの母の状況だったら、あんなに明るく振る舞えるかと聞かれたら自信がない。我が母ながら、度胸が座っていてカッコいいとすら思う。子は親の背中を見て育つとはよく言うけれど、あのときの貧乏をゲーム感覚であえて楽しむ姿勢みたいなのが、わりと今の自分のベースになってるのかもしれない。
セブンイレブンの大盛りペペロンチーノは、かなりガツンとニンニクがきいた味わいだった。さすがセブンなので味は美味しいのだが、いかんせん冷凍なので、麺のモチモチ感が足りない。あのとき母と研究しまくったペペロンチーノの方が美味しかったと思う。今度実家に帰ったら、母とセブンの「大盛ペペロンチーノ」を分け合って、味の感想を聞いてみたいものだ。
御花畑マリコ




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