夏が本気を出している。お昼時、照りつける日差しとアスファルトから立ち上る熱気に焼かれながら渋谷道玄坂を歩いていると、行列に出くわした。丸亀製麺である

東京の最高気温が37度を記録した2024年7月29日においても、店外に並ぶ人。道玄坂でビル外にまで行列が出来ているのはおそらく丸亀製麺だけだ。でも、ここに並ぶ気持ちも分かるんだよなー。現に私(中澤)もその後ろに並んだ。

・理由その1「コスパ」

なぜ、飲食店がいっぱいある道玄坂の中で丸亀製麺に並ぶのか? まず思い当たる理由は、この辺りの飲食店が高いことじゃないだろうか。一食1000円くらい普通にかかる。

その中で丸亀製麺はかけうどん並で税込390円、釜玉うどん並でも500円。比べる時代や街によっては「高い」と言う人もいるかもしれないが、ここ数カ月渋谷に住んで分かった。現在の渋谷においてはこの価格は安い

・理由その2「良い丸亀」

続いて、渋谷道玄坂店はてんぷらのラインナップが良いように思う。今は「いわし天(160円)」「長なす天(160円)」と季節を感じさせる天ぷらもラインナップされているし、何より「半熟玉子天(160円)」と「かしわ天(190円)」という2トップがしっかりあるのだ

丸亀製麺は店によって置いてある天ぷらにバラつきがある。そのためか、半熟玉子天とかしわ天は激ウマで人気商品であるにもかかわらず、どちらかがラインナップされていない店は結構あるのだ。この2つがしっかりあるのは良い丸亀製麺と言えるだろう。

・理由その3「注文システム」

まあ、今日は釜玉うどんといわし天と野菜かきあげ天(180円)にしたけど。うどん+大きい天ぷら2つも注文して840円と1000円以内に収まるのはやはりコスパの良さを感じる。

若者の街なのに、このコスパ感覚になるのは若者も大変だ。だからこそ、丸亀製麺の列には若者も多いのだろう。それだけ行列なもんだから、店内は混み混みかと思いきや、実は席は結構空いている。これが行列になる3つ目の理由だと思う

吉野家や松屋に行列ができる時は当然席も埋まっているのに、なぜ丸亀製麺はこうなるのか? 行列店の店内の状況を目の当たりにして初めて気づいたのだが、注文のシステムが逆なのである。

普通の飲食チェーンは席についてから注文するが、丸亀製麺は注文して商品をもらってから着席する。つまり、吉野家、松屋なら席で待っている時間をカウンター前で並ぶことになるのだ

もちろん、早く出すとかの努力はしているだろう。ただ、「それは行列にもなるか」と妙に腑に落ちたのであった

というわけで、毎日行列の丸亀製麺渋谷道玄坂で食べてみたら、3つの理由に思い当たった。歴史に残りそうな酷暑である2024年。行列者は気をつけてくれ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.