最近はガチ中華や台湾の飲茶ブームなどで、中華圏の食文化が日本でも広まりつつある。

さらにお茶好きの間では、じわじわと中国茶ブームが来ている。

美味しい中国茶が飲みたいな〜と思っている人におすすめしたいのが、高田馬場の「甘露」という中国茶カフェである。

ここのお店、中国茶と台湾茶が豊富にそろっているだけじゃなくて、かなり珍しい中国のお菓子が食べられるのだ……!

・中国茶カフェ 甘露


紅茶から中国茶の世界に興味を持つ人というのは多いと思う。また、旅行で茶藝館に行って、中国茶の世界に興味を持つ人も多い。

美味しい紅茶が飲める店は少ないが、本格的に中国茶が飲める店はもっと少ない……。

中国茶の茶葉は紅茶よりも高価だし、中国茶専用の小さな急須とか、小さな茶杯で丁寧に出してくれる店は貴重。


甘露はそんな中国茶を本格的に飲める数少ない店のひとつとして、中国茶好きの間で話題となった。

まず、中国茶のメニューが豊富。


珍しい茶葉がたくさんある! 美味しい中国茶は香り付けしなくてもすごく香りがよいのだ。


・お菓子のメニューが摩訶不思議

そして、なんと言ってもお菓子である。中国茶カフェなどでよく出されるおやつといえば、杏仁豆腐とか豆花、マンゴープリン、パイナップルケーキあたりだと思うが……。

最初に甘露のメニュー表を見たときは我が目を疑った。

漢字のオンパレード!!! 見本写真は載っているけれど、味の想像がつかないような独特の中国デザートだらけなのだ。


広東式のミルクプリンに、白きくらげを使った甘い薬膳スープ、さらに、桃の樹液を使ったゼリーや、アカシアの実、キンモクセイ入りの羊羹など……。

きくらげってお菓子になるの? 桃の実なら分かるけど、桃の樹液って何? 


そこにナツメとか、玖瑰(メイクイ / 薔薇)といった、見慣れない食材もプラスされた豊富なバリエーションとなっている。


・異国情緒あふれる

今回は「玖瑰銀耳桃膠」(913円)+白玉トッピング(110円)に、お茶は鳳凰単叢鴨屎香(1155円)を注文してみた。

漢字が続いて、ワケがわからないと思うので詳しく説明すると……

「玖瑰銀耳桃膠」は、バラのつぼみ(玖瑰)のジャムと、白きくらげ(銀耳)を入れた桃の樹液(桃膠)のゼリーみたいなデザート。私はカラフルな白玉を追加でトッピングした。


ほの甘い桃の樹液のゼリーに、プルプルした白きくらげ、そして甘酸っぱいバラの香りのゼリーがアクセントになっていて、スッキリと美味しい。


美肌用の食材として食べられるだけあって、特有のヌルヌルした食感もある。杏仁豆腐とかの、ほの甘系デザートが好きな人は絶対好き。


そして薬膳系のデザートだからか、ツルッとした味わいなのに、食べたあとは意外なほど満足感があってビックリ。


そして中国茶の「鳳凰単叢 鴨屎香(ほうおうたんそう かもしこう)」は、あまりの香りの高さから盗まれないようにわざと「鴨の糞の香り」と名付けられたという逸話を持つお茶。実際は完熟した桃のような香りがする。


ちなみに「お茶一杯で1155円!?」と驚かれそうだが、中国茶はお湯を追加しながら何煎も飲めるので実はそんなに高くない。(うっかり1杯だけで帰るともったいないけど)


こうして、ゆったりとおいしい中国茶を飲みながら、お菓子を食べていると自分が本当に日本にいるのかわからなくなる。


・焼き菓子も面白いよ

ちなみに、甘露はテイクアウトで焼き菓子も売っているのだが、そのラインナップも独特。

アヒルの卵黄の塩漬けとアンコを入れたパイに、花椒入りのクッキー、そしてマシュマロの中にクッキーやハーブが練り込まれた台湾風のヌガーなど、他では食べられないおやつがいっぱいである。

中国茶とセットで味わうと絶対に美味しいと思う。中国茶ビギナーも、中国茶ファンも楽しめるお店だと思う。


・今回訪れたお店

店名 甘露
住所 東京都新宿区西早稲田3丁目14-11
営業時間 11:30〜18:00
定休日 木曜(木曜以外に月に2日ほど、休日あり。詳しくは公式サイトで確認を)


執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.