牛丼チェーン『吉野家』は日本国外に約1000店舗。うち半数を占めるのが中国だ。中国版・吉野家のメニューは日本より品数が多いのが特徴で、2年前に旅行で立ち寄った際はウナギ、餃子、天ぷら、たこ焼きにフランクフルトまであった。居酒屋みたいだな〜。

恐らく中国における吉野家は牛丼チェーンというより “日本食ファストフード” 的な立ち位置なのだろう。ちなみに色々なメニューを注文した中で、個人的にど〜しても忘れられないヤツが1つだけある。あれは一体何だったのか……。

・楽しい中国語

中国版・吉野家では先ほどお伝えしたサイドメニューのほか、丼モノのバリエーションも豊富だ。タイプによって『クラシック』『中華』『和食』にグループ分けされている様子。中国の吉野家に『中華料理』があるってのも不思議な話だな。

中国語の素晴らしい点は何といっても「漢字で書かれている」ところ。日本人ならメニューを見れば大体どんな料理か分かる。

せっかくなのでこの日は『中華料理』グループの中から『回锅肉唐扬鸡块丼』なるものを注文してみた。文字から推測するに『回鍋肉と鳥唐揚げ丼』といった感じかな? 価格は飲み物と茶碗蒸しがセットで44元(約734円)。

ついでに『牛肉皿』(日本でいう牛皿)19元と『花見丸子』(串だんご2串)10元も注文し、飲み物は『布丁奶茶』をチョイス。『奶』はミルクだから、『奶茶』ならミルクティーということになる。街でよく目にするため自然と覚えた中国語だ。


・中華の割にクセが弱い

さてホイコーローと聞けば油ギトギトで味が濃いイメージだが、出てきたものは意外にもサッパリした薄味。これが本場のホイコーローなのだろうか?

キャベツがメインで健康的。これはこれでイケる。

唐揚げも普通においしい。

茶碗蒸しも想像通りの味。

牛肉皿も日本で食べるのと遜色ない感じ……どのメニューも特徴がないと言えばそうなのだが、ここが中国であることを考えれば「かなり日本テイストが強い味付け」ということになるのだろう。

にも関わらず、この日の店内は満員の客入り。

デリバリー用とおぼしきパック詰めの牛丼も次々に運ばれており、吉野家の味が中国の人たちに広く受け入れられている様子が見てとれる。これは嬉しい!


・正体不明の飲料

ところが……完全にノーマークだった『布丁奶茶』を食後に飲んだ瞬間、私は「やはりここは外国」という事実を痛感するハメになったのだ。


ただのミルクティーかと思いきや、よく見ると底に何かが沈んでいて…………



これは…………



豆腐…………!?


調べたところ中国語で『布丁』は『プディング』のこと。日本だと『プリン』と訳される場合が多いプディングだが、中国ではどうなんだろう? 実際に食べてみても結局、豆腐なのかプリンなのかイマイチ分からない。


・ジワジワくるウマさ

「アレは何だったのか」という気持ち抱えて帰国した私。そうこうするうち世はコロナ禍に突入し、中国へ行く機会を失ったまま現在に至る。あの時は「不思議な飲み物だな」という驚きが強かったのだが、帰国後しばらくすると「すごくおいしかった」ような気がしてきた。

というワケで、もうしばらく中国へは行けなさそうだし、見よう見まねで再現してみることにしよう。まずはどこでも買える『午後の紅茶』と『森永のプリン』でトライ。

カラメル部分を取り除いたプリンをコップに入れ、ミルクティーを注ぐ。

見た目は吉野家の布丁奶茶とほぼ同じだが、味は……


吉野家の布丁奶茶とほぼ同じ!!!


以上、あっさり再現できてしまった布丁奶茶。好みによって改良の余地はあれど、手軽に本場の味を体験できることは確かなようだ。おそらく日本人の中には「甘いミルクティーと甘いプリンを一緒に飲むなんて……」とお思いの方もいるだろう。

しかし、不思議なことに「甘い紅茶 × 甘いプリン = 甘さ2倍」とはならないのである。むしろ一緒に飲むとあまり甘さを感じず、ミルクティー単体よりも茶葉の風味を感じるほど。SNS映えは正直微妙だけど、個人的にはタピオカより好きかも?

キッカケさえ掴めば日本でもブレイクしそうなプリン入りミルクティー。気になる人は軽い気持ちで試してみてほしい。ちなみに牛丼との相性については……各自の判断に任せる。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼お団子の味も想像と完全に一致していました