チェコが “ビール消費量世界一” のビール大国である、という件は以前の記事でもお伝えした。そうなると気になってくるのは「価格が安いのか?」という問題だと思う。

そのあたりを現地で調査したところ……結論として明らかになったのは「銘柄による」ということ。それから「量による」「容器の材質による」ところも非常に大きいことが判明した。

日本だと「350mlか、500mlか」「缶か、瓶か」くらいの違いしかないビール界隈。しかしながら消費量世界一の国は、さすがにレベチだったのでご報告させていただきたい。

・ビールの国のビール事情

ここはチェコのスーパー。

信じられないほど酒売り場が広く、中でもビールの占める割合はエグい。

どちらかといえば「缶より瓶、350mlより500ml」が主流のようだ。

日本でも買える『ピルスナー ウルケル』はチェコを代表する銘柄。店舗によるが、500ml缶で平均220円ほどと、日本でいうところのアサヒやキリンとあまり変わらない値段。高級品である。

ピルスナー ウルケルと最安クラスのビールとを比較すると、だいたい3倍くらいの金額差があった。「安いビールは安い、高いビールは高い」……ビール大国の実情は、大体そんな感じであるっぽい。



・ペットボトルビールという世界線

ところでチェコのビール売り場には、日本じゃまず見かけないものがあった。

それはペットボトル入りのビール。それも2リットルの大容量である。

この2リットルビール、値段は驚愕の30コルナ(約200円)。割合だと東南アジアより安いかもしれない。そもそもビールって、ペットボトルに入れて大丈夫なものなんだろうか? 考えたこともなかったが、言われてみるとダメな理由も見つからない気がする。

せっかくなのでペットボトルビール、瓶ビール、缶ビールを飲み比べてみることに。

まず安定のピルスナー ウルケル。500ml缶で約220円。酒の感想を述べる語彙力が無くて申し訳ないのだが、簡単に言うと「外国のビールだなぁ」って感じだ。苦くておいしい。苦いけどまろやか。バーで飲むビールみたい。語彙が無くてすみません。日本のスーパーで買えるので、みんな飲んでみてくださいね。

続いてはよく知らない銘柄の瓶ビール。500ml 90円くらい。苦み少なめ。代わりに、なんかよく分からないクセがある。香ばしい系。ピルスナーの半額以下だと思えば、私ならこっちを常飲するかもしれない。



・なぜ日本で普及していないのか?

で、問題のペットボトルビール。

2リットル約200円。『BRANIK(ブラニーク)』というのがメーカー名なのか商品名なのか分からないが、ヘタに知識を得ると語彙のある感想を求められそうなので、あえて調べないでおこう。


おっ……普通にイケる!?


ペットボトルビールというものに対し、私はもっとこう『大五郎』的な空気感を期待していたのだが、実際には取り立てて言うこともないくらい、ごく普通のビールだった。それが褒め言葉なのかは分からないけど、もしチェコに住んでいたとすれば、少なくとも私はこれを常飲すると思う。だって500ml 50円だもんなぁ。

ちなみに。飲み残したペットボトルビールを放置したまま忘れていたのだが、4日後にグラスに注いだところ……

余裕で炭酸が残っており、味わい的にも開栓直後と大差ないように感じられた。ビールを飲み残すという発想自体が無かった身としては衝撃だ。おいしくて、安くて、保存ができて……これ、メッチャ良くないか?

朝日新聞によるとコロナ禍で「ペットボトル生ビール」が人気になったようだが、その認知度はまだまだのように感じる。日本でも普及してくれることを切に願う。

参考リンク:朝日新聞DIGITAL
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼2Lコーラとビールがほぼ同価格でした