食べ終わった後にクーポンがもらえるというのは飲食チェーン店定番のキャンペーン。今や、どこでももらえるから、文字とかほとんど読んだことがなかった。基本そこまでの値引きでもないため、私(中澤)はクーポンを使わないこともよくあるくらい。
ただ、2024年3月6日、吉野家で昼食を食べた際もらったクーポンをふと見てみたところ、仕様が思てたんと違った。そこにはこう書かれていたのである。「1枚で何食でも利用可」と。
・何度でも使えるってこと?
こういうクーポンって基本1枚1食使い切りだと思っていた。で、期間中は食べ終わるごとにまた新しいクーポンをもらえる。それによって配布期間中はずっと安くなるのだ。
したがって、「1枚で何食でも利用可」だろうが値引き率は同じ。しかし、よく考えてみると、このシステムは地味に凄い。
だって、このシステムなら1回渡した客には渡さなくていいのだ。吉野家目線で見ると、毎回、回収して渡すよりも色んな面でコスパが良いはず。すでに所持している人も分かりやすい。持ってたら会計の時に出すわけだから。
前述の通り、当方クーポン素人ゆえ、いつからやってる試みかは知らないのだが、みんなが「クーポンってこういうもの」と思考停止していたところを一歩踏み出したわけである。頭良いなあ。
・裏面の記載に衝撃
その新機軸な発想に軽く感嘆すら覚えた私は、クーポンの文字を読むのが楽しくなった。有効期限は3月28日までなのか。
今推されている各種塩さば定食が50円引きなだけじゃなく、牛焼肉丼と各種鉄板牛カルビ定食・鉄板牛焼肉定食が50円引きと、値引きのラインナップもなかなか使える。
だがしかし、楽しくなって裏面も読んでみたところ、衝撃的なことが書かれていた。どれくらい衝撃的だったかと言うと、ギャグ漫画『ついでにとんちんかん』の抜作先生の得意技である「いきなり尻見せ」くらい衝撃的だった。のわんですってー!? ご利用に際してのご注意に……
「本券1枚につき1回限り」って書いてるゥゥゥウウウ!
・混乱
繰り返す。表には「1枚で何食でも利用可」と書いてあり、注意事項には「本券1枚につき1回限り」と書かれているのだ。どっちやねん。
もしも、注意事項通りだったとしたら会計の時いきなりすぎることになってしまう。そこで確認のため夕食も吉野家で食べて会計時にクーポンを使ってみたところ……
普通に回収されてもう1枚クーポン渡された。
ふぁ!? どういうこと!? てっきり表に書いてあることが真実で裏は説明文のデータを流用した誤植だと思っていたのだが違うようだ。
・広報に聞いてみた
しかし、そうなると表に書かれている「1枚で何食でも利用可」ってどういう意味なのか。ここに来て純粋な疑問が湧いてきたため、広報に問い合わせてみた結果、回答は以下の通りであった。
吉野家広報「1枚で何食でも利用可の意味は、例えば、グループで行って、4個鉄板牛カルビ定食を注文したら1チケットで50円引きが4個に適用されるという意味です。ただし、1チケットにつき1会計の利用なので、別に会計すると値引きも別になります」
──つまり、1枚を使い回せるという意味じゃなく、1会計で同じメニューを何個でも値引きできるということ。いや、分かるかーい!
と思ってしまうのは、グループで吉野家に行くことがほぼないぼっちだからだろうか。個人的にはどう考えても説明不足だと思うが、つまりは「グループで来たらよりお得ですよ」的なことを吉野家は言いたかったのかもしれない。
日本語って難しいですね。とは言え、パッと見で私が想定したキャンペーンよりお得になる可能性があることは確か。このクーポンの効力を最大限に発揮したいと望む方はチケットメニューを2つ注文するか、友達を連れていこう。現場からは以上です。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.