すき家の名前の由来は「すき焼き」から来ていることをご存知だろうか。これは、すき家サイトの「よくある質問」に記載されている事実。つまり、現在販売されている牛すき鍋定食はまさにすき家の誇りと言えよう。

そんな牛すき鍋定食は、吉野家の「牛すき鍋膳」とどちらがコスパが良いのか? 食べ比べてみたのでお伝えしたい!

・すき家すき焼きの特殊性

以前の記事で、やよい軒「すき焼き定食(税抜き810円)」と吉野家「牛すき鍋膳(税抜き648円)」を食べ比べた私(中澤)。2020年冬は吉野家のコスパ勝ちだったことはお伝えした通りだ。だが、すき家の牛すき鍋にはこの2店にはなかった大きな特徴がある。それは種類がやたらと豊富なこと。

麻辣、あさり、キムチチーズと味のバリエーションがある上、2020年12月2日にはここに「豆乳牛鍋定食」「チーズ豆乳牛鍋定食」「山かけ牛すき鍋定食」の3種類が加わっている。もはや専門店……!

この品揃えがすき家のアドバンテージであることは言うまでもない。ここでしか食べられないすき鍋があるのだ。それだけですき家に行く価値は十分あると言える。そのことを念頭に置きつつも、今回はスタンダードな「牛すき鍋定食(税抜き710円)」を吉野家「牛すき鍋膳」と比べたい。

・すき家の牛すき鍋定食

すき家の牛すき鍋定食をパッと見て気づいた特徴は生卵が2個ついていること。細かい部分だが、他のチェーンでは卵は1つがデフォルトなので、そこはかとなく贅沢感が漂っている。

まず、割下を飲んでみると甘辛くコク深さのある味。さすがすき焼きが由来の1つだけあり、気合いを感じる煮詰められた味だ。

そんな “煮” へのこだわりは野菜にも出ている。白菜も玉ねぎもニンジンもかなりクタクタまで煮られているのだ。個人的には白菜はもう少しシャキッとしている方が好きだが、これは好みの問題と言える。なにより、やっぱり嬉しいのは牛肉量が多いこと

すき焼きと言えば牛肉。割下に染み出す脂の味まで含めてのすき焼きだ。その量は、吉野家に勝るとも劣らず、改めて「さすが」と思わされた。うん。ウマイ。それら全てを鑑みた上で結論を言うと……


勝者、吉野家

・吉野家「牛すき鍋膳」のコスパ

まず、そう思ったのが、生卵が2個ついてきた時だ。卵を惜しみなく使えるところは良いとして、1人すき焼きを愛する「すき焼き原理主義者」なら当然夢想するはず。すき焼きの旨味を存分に吸った生卵をご飯にぶっかけた卵かけご飯を

1杯目はすき焼きと共に白飯を食べる。おかわりして2杯目は残った卵で卵かけご飯だ。人呼んで「やよい軒メソッド」。今では吉野家でも可能となったが、すき家はご飯のおかわりが無料ではない

さらに、鍋全体の味の調和も吉野家が1枚上手であるように感じた。シャキッとした部分を残す白菜、ネギなどが、割下と肉に爽やかさをプラスする。そんな鍋を卵が1つにまとめる。これぞチーム。それでいて60円以上安いのだから、もう勝ちでしょ

・強すぎる

決してすき家「牛すき鍋定食」がダメなわけではない。むしろ、税抜き710円の鍋と考えるとよくやっていると思う。だがしかし、すき家の善戦により、さらに吉野家「牛すき鍋膳」のコスパが際立ったと言える。そう、吉野家「牛すき鍋膳」が強すぎるのだ

したがって、個人的にはすき家にリベンジを期待する。来年、「すき焼き」をその名に冠する意地を見せてくれることを願って。2020年冬の鍋対決は吉野家に軍配を上げたい。

Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.