昨年末に大掃除をしていた時のこと、棚の引き出しの奥深くからあるものが発見された。

「ワンタメ アイドルパピースターライトユニット」……17年前の2007年に発売された、犬を育てる液晶ゲームだ。

な、懐かしすぎ~~~!! 小学生の頃は毎日のようにこれで遊んでたなぁ。触らなくなって久しいけど、どんなゲームだったっけ? と何気なくネットで検索をかけてみたところ……

攻略情報やプレイレポがまったくヒットしない……だとっ!?


・振って育てる育成ゲーム

たまごっちほどメジャーではなかったからなのか、あまりにも昔のゲームだからなのか。とにかく情報がほぼ皆無と言っていいレベルで見つからなかった。

これは自分の目で確かめてみるしかない。さっそくプレイしてみることにした。


ゲームの中でお世話する犬は、「アイドルパピー」と呼ばれるタレント犬。

タレント犬の仕事と聞いてパッと思いつくのはCM出演やドラマ出演などだが、この世界のタレント犬たちはそれ以外にもアイドルとして歌ったり漫才をしたりする。

幼い頃は何の違和感もなくサラッと受け入れていたけれど、今考えると物凄いハイスペックわんこ達だな。自分がお世話している犬をトップアイドルにすることが、このゲームの目的だ。


プレイヤーとアイドルパピーが住んでいる街には様々な施設があり、目的地を決めてお出かけすることでそれぞれの場所に行くことができる。


しかし、何もしないとアイドルパピーは立ち止まったままだ。歩みを進める方法は……


本体を全力で振る。たくさん振れば振るほどアイドルパピーのテンションが上がり、早く走ってくれるようになるぞ。

あ~、そうそう、こんな感じでひたすら振りまくってたな~! と懐かしい気持ちに浸っていたのだが……


なんか……全然着かなくない!?


左側にある〇のバーが点灯すればするほど目的地に近づいているということなのだが、振っても振ってもなかなか〇の数が増えていかない。

最も遠い目的地に到着するまでは、全力で振り続けていたのにも関わらず到着までに10分かかった。


う、う~ん。さすがに他に時間を潰せるものがないと……この時間、キツい……!!

昔はこんなことを考えずに、純粋な気持ちで到着までの道のりを楽しんでたんだけどなぁ……いつの間にタイムパフォーマンスを考えるようになっちゃってたんだろう。


・過去の自分が凄すぎた

ちなみにアイドルパピーにはそれぞれ能力値がある。この能力値が低いと、苦労してたどり着いた現場で仕事が失敗してしまうことになりかねない。


それを防ぐには、「トレーニング」をするといい。「ジム」「ボイトレ」「ダンス」「すいえい」の各施設に行くとミニゲームをプレイすることができ、成功すると能力値を上げられる。


さっそく昔プレイしまくっていた「ボイトレ」に挑戦。左右どちらかに音符のマークが出るので、その方向のボタンを押すというだけの簡単なゲームだ。

懐かしいな、何回も練習してパーフェクトを連発できるようになったんだよな。よし、今回もパーフェクト取っちゃうぞ~! とうきうきでプレイを開始したら……


めっちゃミスる。


何度かプレイしてみたのだが、びっくりするほどパーフェクトが取れない。昔の私、どうやってこのゲームを攻略してたんだ……!?


他のトレーニングにも挑戦してみたところ、昔はまず見ることのなかった「しっぱい」の文字を突き付けられることも。本当に同じ人物がプレイしているとは思えないほどの悲惨な結果だった。

考えたくないけど、明らかに昔と比べて反射神経がガタ落ちしてる……まさかこの夢溢れるゲームでここまで現実と対面することになるとは思わなかった。

・時の流れって怖い

ということで、自分の加齢を容赦なく自覚させられてなんだか悲しい気持ちになったのだった。時の流れって残酷だなぁ……

とはいえ、かわいい愛犬の仕草や仕事を頑張る姿に癒されたのは間違いない。

たまごっちのように死んでしまったり呼び出しがあることもないから、気軽にお世話ができるのも良い。これは昔の自分がハマったのにも納得だ。

懐かしい気持ちと過去の自分の力を思い出させてくれた「ワンタメ アイドルパピースターライトユニット」。失われた反射神経を取り戻すべく、これからしばらく一緒にトレーニングに励もうと思います。

執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.