ダイソーでお菓子を物色していたところ、「パインキャンディ」なるアメを見つけた。名前といい形といい、どう見てもパインアメのソックリさんである。

「こんなあからさまなパクりが許されるのか?」

苦い気持ちでメーカーを確認したところ、なんとパインキャンディを作っていたのはパイン株式会社、つまりパインアメと同じメーカーであった。

なんでわざわざ自社で類似品を作っているの? なにが違うの?? 問い合わせて確認してみたところ……意外な理由があった。

・ダイソーで見つけたパインキャンディ

こちらがダイソーで見つけたパインアメのソックリさん、パインキャンディ。価格はもちろん税込108円。

「パイン」のフォントも似ているし、「甘酸っぱくてジューシー」のキャッチコピーも本家で使われていた覚えがある。


こりゃけしからん! と思ってメーカーを確認すると、


えぇぇっ!?!?

\パイン株式会社/


ちょうど家にあったパインアメと並べてみるとこの通り。

似てるけどちょっと違う。セルフオマージュのような商品なのだ。


この際中身も徹底比較してみよう。まずは個包装。

カラフルな文字のパインアメと、白い文字のパインキャンディ。


アメの見ため。

シャッフルしたらどっちがどっちかわからなくなるぐらいに、色も形もソックリ。強いて言うならパインアメの方が黄色が濃くて、パインキャンディは少し光が透けているかな。


もちろん味もソックリで、どちらもいつも通り甘酸っぱジューシーで美味しい。

パインアメとパインキャンディ、観察すればするほど 何が違うのかわからない。一体どうして名前とパッケージを変えて販売しているの~~~っ!?!?


・問い合わせてみた

考えても答えが出そうにないので、パイン株式会社の問い合わせ窓口に電話をしてみた。

以下の内容は、ほぼそのままの電話の内容だ。


パインアメ担当者(以下パインアメ)「はい、お客様相談室です」

──すみません、ダイソーで買える「パインキャンディ」と通常の「パインアメ」、なにが違うのか教えてもらうことってできますか?

パインアメ「承知いたしました。パインキャンディはダイソーなど100円ショップを中心に取り扱っていただいている商品で、一番大きな違いはそのまま輸出可能な商品という点です。」

──輸出、ですか?

パインアメ「はい。特にダイソーさんは海外にも進出されているため、日本以外の店舗にお出ししても問題ない商品を卸させていただいております」

「他にも内容量と価格を調整しているといった違いもございますが、どちらの商品が良い・悪いというわけではないことをご了承ください」

──わかりました、ありがとうございます。


ということで、パインアメとパインキャンディの一番大きな違いは “輸出できるかどうか” ということ。そして、100均の価格に合わせて内容量も調整している


それを踏まえて両商品を比較してみると……

パインアメに使われている着色料は「紅花黄、モナスカス」で内容量は110gなのに対して、パインキャンディの着色料は「ウコン色素」で内容量は75g

専門家ではないので詳しいことはわからないが、どれも自然由来の色素なので 国によっては使えなかったり輸出できなかったりするのかもしれないね。


また、よく見てみるとパインキャンディには原材料の英語版も書かれている。


リアルなパイナップルの写真も、何味のアメかが一目でわかるようにってことなのかもしれないね。

疑問がひとつ解決してスッキリ。パイン株式会社お客様窓口のスタッフさん、ありがとうございました~!!

参考リンク:パイン株式会社
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.