普段は特に気にしないけど、言われてみれば「確かに……!」と疑問に感じることは意外と多い。例えばなぜカップラーメンの液体調味料は “後入れ” なのか? 最近メッチャ多いよね。
ぶっちゃけた話、先入れだろうが後入れだろうが大して味は変わらない気もするが、実際のところはどうなのだろう? 検証してみたところ驚くほど明確な違いがあったのでご報告したい。
・リクエストBOXより
当サイトには「リクエストBOX」が設置されている。数週間前、そのリクエストBOX経由で私宛に届いたのが「最近の液体調味料は後入れが主流ですが、先入れしたら味は変わるか確かめてください」という内容であった。
言われてみれば……確かに。かつては粉末調味料が主流だったカップラーメンも、ここ数年は「液体調味料」がだいぶ多くなっている。さらに言えば以前と比較して “後入れ式” がメインになりつつあるのではないだろうか?
液体だろうと粉末だろうとお湯に溶かしてしまえば味に大差はないと思われるが、メーカーが “後入れ” を推奨している理由とはいったい──。これは確かめてみる価値がありそうだ。
・さっそくチャレンジ
というわけで、コンビニで後入れ式の液体調味料を使用するカップラーメン(セブンの鳴龍 担担麺)を2つ購入。一方はあえて調味料を先入れし、もう一方は説明通りに後入れでカップ麵を作ってみることにした。
「調味料を入れました~」
「ちょっとした罪悪感があるな」
「お湯を注ぎました~」
「3分経ったので片方に液体調味料を後入れしま~す」
「並べてみるとこんな感じ」
「でも混ぜちゃうとほぼ変わらないような……」
「では食べてみましょう……!」
「ふむ。味自体は大して変わらないような? ……あっ!!」
後入れだろうが先入れだろうが、スープの味自体に大きな違いはなかった。厳密に言えば多少はあるかもしれないが、あくまで誤差の範疇と申し上げていいだろう。ただし、全然違うとこもあった。それは麺!
先入れは麺がほぐれてない!」
理由はわかりかねるが、同じタイミングで熱湯を注いだにもかかわらず、公式な後入れだと麺がしっかりほぐれており、非公式な先入れだと麺の一部がゴワゴワのままであった。むむ、これは結構違うぞ!
・メーカーに聞いてみた
というわけで、すぐさま日清食品の広報に連絡。後入れ調味料を推奨している理由について聞いてみたところ、以下のような返答があった。
「後入れ調味料の一例としては、油分が多い液体スープが挙げられます。これを先に入れてしまうと麺の表面が油でコーティングされ、お湯が染み込みにくくなってしまいます。また温度差もありますので、麺を戻すお湯の温度を下げる原因にもなります」
……なるほど。先入れした方の麺がゴワついていたのは、油が麺をコーティングしてしまっていたことが原因らしい。また「後入れする液体調味料は油分が多い」というのも大変勉強になった。日清さん、いつも即レスあざす!
・全ては美味しく食べてもらうため
つまりカップラーメンの液体調味料が後入れである理由は「スープの味ではなく麺のコンディションを保つため」と判明した。大雑把に言えば「カップラーメンを1番美味しく食べるため」とも言えるだろう。
というわけで、カップラーメンの液体調味料を後入れするのには明確な理由が存在した。みんな、勉強になったな! この調子で気になれば些細な疑問でも解決していくから「リクエストBOX」に質問を頼むぜ!!
取材協力:日清食品
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]