前々からフワッと疑問なのだが「気圧で頭が痛い」「気圧でダルい」などと仰る方たちは、どのような過程を経て「頭痛の原因が気圧であること」に辿り着いたのだろうか? 私、P.K.サンジュン自身は気圧の影響をほぼ感じたことが無いため、素直に疑問である。

当然、これだけ多くの方が「気圧で……」と仰っているのだから、気圧は人体に影響を及ぼしているのだろう。ただ率直にこうも思うのだ……。「それって日本だけなのでは?」「もしかしたら他に原因があるのでは?」と──。

・気圧にやられやすい人たち

妙な気候が続く2022年の秋。当サイトにも数名の「気圧に影響されやすい記者」がいる。例えば亀沢記者は事務所に入って来るなり「今日は気圧で頭が痛い……」などとブツブツ言っていることが非常に多い。

冒頭でもお伝えした通り、私自身は「人体が気圧に影響している」と感じたことが1度も無いため、イマイチわからないというのが正直なところ。もちろん頭痛やダルさを感じることもあるが、その原因が気圧だと感じた経験がないのだ。

とはいっても「気圧なんて関係ないだろ(笑)」なんてことは思っていない。多くの人が「気圧で……」と仰っているのだ、私がわからないだけで確かに気圧は人体に影響を及ぼすのだろう。もう1度言うが、そこは疑っていない。

・なぜ気圧だとわかったのか?

一方で「どのように気圧に辿り着いたのか?」には非常に興味がある。というか、何の知識もないままに「体調不良の原因は気圧のせい」と辿り着ける人などいるのだろうか? 要するに「気圧」というワードさえ知らなければ、体調不良の原因を気圧に求めることは難しいと思うのだ。

例えば頭痛なら「風邪かな?」「寝る前に髪の毛を乾かさなかったからかな?」くらいまでが自力で辿り着ける限界だと思う。……が “気圧” はどうなのか? 私から言わせれば想定外すぎる答えなので「自力 de 気圧」に辿り着ける人間がバリバリ存在するとは思えない。

しつこいようだが、それでも体調不良の原因の1つに気圧はあるのだろうと思う。ただし、周囲の人の話を聞くと「医者に言われたワケではない」という人がほとんどではないか。さては気圧って日本独自の概念なのでは……? 

というわけで、当サイトの英語版サイトSORAニュースのアメリカ人記者・ケーシーさんに「気圧が体調に及ぼすという概念はアメリカにはあるのか?」を聞いてみることにした。


──ケーシーさーーん! 日本ではよく「気圧で頭が痛い」とか言うんだけど、アメリカでもポピュラーな概念なのかな?

「うーん、正直に言って俺は初めて聞いたな……。少なくともアメリカでは世間話などで頻繁に出る話でない」

──あらま、そうなんだね。

「ただ “head hurts from air pressure” でググったら “barometric pressure headache” っていう現象があるらしい。訳すと “気圧頭痛”って感じだ」

──ふむふむ。

「事務所や部屋というより高度や天気が原因で発症するみたいだな。片頭痛がする人になりやすいようで、いまいち気圧頭痛と片頭痛がはっきり区別されない場合もあるみたいだ」

──なるほどねー。でも日本みたいに気圧が一般的ではないんだね。

「うん、調べればあるみたいだけど……って感じかな。まあいずれにせよ……健康は大切だぜ

──だね! 健康第一!!


・アメリカではほぼ無いらしい

ご覧のようにアメリカでは「気圧」が、日本ほどポピュラーではないらしい。となるとやはり、体調不良の真の原因が気圧である可能性は低くなってくるのではないだろうか? そんな時であった。気圧に影響されやすい当サイトの中澤星児が、こう教えてくれたのである。


「正直、原因が気圧だとは断定できてないんですよ。ただ頭痛がするときとかダルいときに “気圧だ” と思えば気が楽になるんですね。やっぱり原因がわからないのが1番怖いので。僕のようにポジティブに気圧のせいにしてる人は多いと思います」


──なるほど。確かに体調不良の原因がわからないのは怖かろう。そんなときに「気圧だな」と思えれば気は楽になるのかもしれない。「気圧も方便」ではないが、そんな使い方をしている人もいるとわかれば気圧に対する理解も深まるというものだ。

今回学んだことは2つ。1つは「少なくともアメリカでは気圧はポピュラーではない」ということ。そしてもう1つは「気圧がポジティブに使われているケースもある」ということだ。気圧……なかなかの曲者である。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.