最初に言っておくと、めちゃくちゃ量が多くて笑ったわけではない。たしかに量は多かったのだが、別のところで思わず笑ってしまった。
それも、腹がよじれる的な笑いではなく、どこか微笑ましくなったと言おうか。まぁ実際に見た方が話が早いと思うので、以下をご確認いただきたい。
・詰めるだけ詰めた福袋
その前に私が購入した福袋について簡単に説明しておこう。正式名称は、
「入るだけ詰めちゃいます!【送料無料】訳ありだけどうれしい「山陰の干物三昧」【冷凍】【同梱不可】1.5キロ以上入ってます!!メガ盛福袋(干物)」
──といい、価格は3980円。
取り扱っている山米(やまよね)のWebサイトでは、「山陰浜坂漁港より産地直送」「中身がその都度違うから規格はない」「大きさが規格外のもの、腹切れしたもの、数が一定量ないなどの理由で訳あり」といったことが説明されている。
ほかにも、「箱のサイズは30×20.5×12cm」とか、「見た目が悪い」とか、「贈答用には向かないからご自宅用で」などと書かれており、その正直さに惹かれるように購入ボタンをポチッ。
数日後、届いたダンボールを開けると……
圧倒的干物密度
商品が損傷しない程度にギュウギュウであり、「入るだけ詰めちゃいます」という売り文句にウソ偽りが一切ないことを確認した。
で、実際にどんな魚が入っているのかを確かめようとしたのだが……
え?
マジックで手書き!?
さらに……
何じゃこの魚は!?
『カナガシラ』なんて聞いたことないぞ……。
──そう、福袋の中身は魚の種類ごとに分けられているのだが、ビニールに詰めてマジックで書くというスタイル。
さらに、そこまでメジャーではない『カナガシラ』なども普通に詰め込まれており、「この魚のオススメの食べ方は◯◯です」といった説明書きもない。
福袋に入っていた書類的なものといったら、「新鮮な魚を手間ひまかけて丁寧に仕上げてますよ」といったことが書かれたチラシのみ。そのチラシも写真はなく、文字だけ。
シンプルすぎると思う人だっているかもだが、私はこのメガ盛福袋に対して好印象しかなかった。
・これでいい
そもそも、余計なラベリングなどなくても、マジックで書けば魚の種類は余裕でわかる。
あと、全国的にそこまでメジャーではない魚でも、Google先生に相談すればなんの問題もない。
たとえば先程の『カナガシラ』は、「旬は冬で、旨みと歯ごたえがある美味な白身魚」とWikipediaに書いてある。
実際に焼いて食べてみると、たしかにWikipediaに書いてある通りだった。赤いからキンメを連想したのだが、キンメよりはるかに身が締まっている。マジで美味い。
総じて何の問題もなかったが、注意すべき点があるとしたら干物の梱包がビニール1枚なこと。真空してしっかり密閉という感じではないので、冷凍庫の中で匂いが漏れたくなければジップロック的なものに入れて保存した方がいいかと思う。
もう1つは、公式サイトに書いてあるように干物のサイズがそこまで大きくないことだろうか。
たとえば、タイは合計8尾入っていたが、どれもコダイレベル。成人が食べるなら、2尾くらい焼いてちょうど1人前という感じがする。
まぁ、福袋ごとの差が大きそうなので例外的にデカい干物が入っているかもしれないが、サイズは期待しない方がいい。
どこまで参考になるか分からないけれど、私が入手したメガ盛福袋の中身を記載しておこう。
タイ:8尾
アゴ(※トビウオ):4尾
サバ:5尾
カナガシラ:2尾
ヤマガレイ:1尾
総額で3980円だから、単純計算すると1尾200円くらい。
魚のサイズ感を考えると死ぬほどお得とは言えないかもしれないが、「安くて美味い干物を大量に買えた〜」という実感は強い。
そして、私たちが日頃からいかに過剰包装・過剰説明に慣れてしまっているかを教えてくれた気がする。
ちなみに、この福袋は本記事を執筆している2024年1月15日17時時点ではまだ販売中。
というか、12月からずっと販売されているので、結構長く売ってる疑惑が私の中にあるのだが、油断した途端に売り切れるのが福袋というもの。
自宅用の干物が欲しい人はお早めにどうぞ。
参考リンク:山米、Wikipedia「カナガシラ」
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼アゴはトビウオのこと。九州あご文化推進委員会によると、九州北部から日本海側の地域ではこう呼ぶらしい。
▼普通に美味い
▼なお、山米のサイトでは「見た目は悪い」とあったが、素人目にはサイズが小さい以外でビジュアルで気になる点はなかった