年末年始は東京・アメ横は書き入れ時。とくに今年は、新型コロナが5類に移行して最初の正月を迎えるとあって、ここ数年で1番のにぎわいを見せている。通りのアチコチから威勢のいい売り文句が聞こえてくる。その多くが魚介類を販売するお店のものなのだが、それらに紛れて久しぶりに聞くかけ声があった。

「入れちゃえ入れちゃえ!」、あれはチョコレートたたき売りの「志村商店」の声!! 懐かしさのあまり1000円たたき売りのお菓子を買ってみたら、時代の流れを感じた……

・12年前と同じ1000円

志村商店はアメ横の名物の1つだ。私(佐藤)が最初にお店でお菓子を購入したのは12年前のことだ。2011年は東日本大震災の影響で、自粛ムードが漂っていた。あの威勢のいいかけ声を聞いて、ずいぶん明るい気持ちになったことを覚えている。


「おまけおまけ、なくなったらごめんなさい! さらにおまけだ。入れちゃえ入れちゃえ入れちゃえ!」


1000円の袋の中には、国内メーカーと輸入菓子が半々くらいの割合で入っていた。チョコ菓子を中心に全14点、袋いっぱいのお菓子に満足した覚えがある。


あれから12年を経た現在も、価格は変わらず税込1000円。世界的な情勢や円安の影響を考えると、1000円はキツいはず。それでも据え置き価格に頭が下がる。

そして変わらず気前よく、「入れちゃえ入れちゃえ入れちゃえ!」と、菓子を袋に放り込むさまは、清々しいとしか言いようがない。これこそアメ横だよ!


さて、12年ぶりにたたき売りで購入した袋には、何が入っているのかな?


袋の中身は以下の品々だ。


森永 プラズマ乳酸菌チョコ × 4個
森永 半熟ダース × 2個
不二家 サンリオキャラクターズチョコ × 4個
森永 マリービスケット アールグレイ × 1個
森永 粒LABOダース × 3個
不二家 なかよしシールグミ × 1個


以上15点だった。以前は輸入菓子が半分を占めていたが、現在は全部国内メーカーのもので統一されている。きっと円安の影響で輸入菓子が値上がりしているからだろう。

菓子の大きさが小さくなったように見えるけど、それでも品数は変わっていない。というか1点増えている! やっぱりたたき売りは「入れちゃえ入れちゃえ!」の勢いが大事だもんなあ。入れちゃえの回数が少なくなったらさみしい。菓子のサイズが小さくなっても、数を入れるからこそ盛り上がる

参考までに、これらの商品の通常販売価格をザっと調べてみたところ、総額で2000円を超えていた。さすが志村商店、たたき売りの矜持(きょうじ)を感じる。それにしても小売りや卸売りに厳しい時代になった……。大変だと思うけど、いつまでもお店が続いてほしい。あの威勢のいい声がずっとアメ横に響くことを願っている

・今回訪問した店舗の情報

店名 志村商店
住所 東京都台東区上野6-11-3
営業時間 10:00~17:30
定休日 なし

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24