「大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも 見ず天の橋立」で知られる、京都府は福知山市の大江山。雲海の名所であるほか、鬼・酒呑童子ゆかりの地だ。
つい先日、そちら方面に行く機会があった記者。京都丹後鉄道の大江駅の売店で土産物を物色していた時のことだ。思わず2度見してしまうほど、大きな饅頭を発見した。その名も『鬼饅頭』と言うらしい。
・饅頭らしからぬ大きさ
ひとり分にしては大きすぎるが、お土産にして分け合って食べるにはちょうど良かろうと『鬼饅頭(税込756円)』を購入。箱に入っていたとはいえ、持つとずっしり重い。
賞味期限は10日と割と長めなので安心だが、なんせ重たいので遠方まで持って帰るにはやや不向きか。郵送か、オンラインショップで取り寄せたほうが無難かもしれない。
そんなことを思いながらも、道中電車に乗っているだけだしなと、持って帰ることにした。家に帰りさっそく開封してみると、握りこぶしよりふた回りほど大きい饅頭のお出ましだ。
鬼が食べるサイズということだろうかと、お店のサイトにアクセスして商品説明を読むと違った。なんでも「腰掛石」をイメージしているとのこと。
腰掛石と言えば、酒呑童子を退治した源頼光が休んだという腰掛石が比較的知られていると思うが、その腰掛石だろうか。そうであるならば鬼そのものでなく、鬼をやっつけた方の饅頭になってしまう。
これを食べて鬼を退治する力を身に付けよう、と言う意味だろうか。はて……。「腰掛石」のワード以外に目立った解説はなかったため詳しくは分からないが、また今度現地に行った際に尋ねてみようと思う。
さて。気を取り直して『鬼饅頭』を計測してみると……直径、高さ共に約9㎝。重さは約479gもあった。おおよそ饅頭らしからぬサイズである。
しかしこの大きさの饅頭を作ろうとすれば、恐らく結構な労力を要するだろう。「腰掛石」を表現したいという、熱い気持ちが感じられる。ますます腰掛石の真の意味が気になるところだが、それは一旦置いといて味わってみることにしよう。
・饅頭好きたちも絶賛
てっぺんに付いている鬼印をちょうど半分にする形で包丁を入れる。まるで鬼を退治している気分だ。中から出て来たのは餡子(あんこ)に餡子に……餡子。皮は薄目で、ほぼ餡子だ。
えらく思い切り詰めたなとちょっと笑うが、なかなかほかでは見ないタイプで新しい。なお、あんこは粒あんだ。数人で分け合い、さっそく食べてみる。
なるほどこれは……美味しいな! 皮はややしょっぱく、粒あんは程よい甘みで、かなりイケている。一緒に食べた友人らは、そこそこ日常的に饅頭を食べる人たちなのだが、彼らも絶賛。
中でもひとりは「久しぶりにこんなに美味しい餡子を食べた」と、感動を禁じ得ない様子だった。頑張って持ち帰って良かったなと、こちらまで嬉しくなった次第である。
どっしり重たいし、開ければ餡子でいっぱいであるし、食べる前は腰を掛けるどころか腰が引けてしまう饅頭だったが、買って大正解。
まず見た目のインパクトが強いところがお土産向きであるし、味も申し分なしで、言うことなしだ。もしあちら方面に行く機会があれば、購入してみるが吉だぞ。おすすめだ。
参考リンク:新治製菓舗
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼カロリーは気にするべからず
▼とにかく大きい
▼機会があれば是非ご賞味あれ