昨年スーパーで買えるバナナを価格別に食べ比べて「バナナの味は価格にそれほど影響しない(価格で変動するのは主にサイズ)」と知って以降、初めて行くスーパーの相場を把握する基準としてバナナの価格とサイズを見るようになった。

そんなバナナウォッチを1年ほど続けて驚いたのが、西日本を中心に展開する『ラ・ムー』という激安スーパーだ。なんといったって……

バナナ一房が通常価格で税込158円と激安。そのくせサイズ感もまったく見劣りしないどころか、むしろ結構デカいのだから!


ちなみにラ・ムーには2種類のバナナがあり、それぞれ税込138円と159円(筆者の最寄りの店舗の場合)。

値段だけなら138円の方がお得に見えるのだが、非常に小ぶりなのであまりオススメしたくない。

本記事ではこのラ・ムーで159円のバナナが本当にお得なのか? 味はどうなのか?? といった内容を検証してみたいと思う。


・3種のバナナ

せっかくなのでラ・ムーのバナナを単体で食べるのではなく、他のスーパーで購入した同価格・同サイズのバナナと比較してみようじゃないか。

用意したのはこちら。

左から順に、
・ラ・ムーのバナナ(以下ラ・ムーバナナ)
・別のスーパーで税込158円だったバナナ(以下同額バナナ)
・別のスーパーで同サイズ・税込321円だったバナナ(以下同サイズバナナ)


袋から出して並べるとこんな感じ。

熟れ度合いに差があるため 甘さの差を考慮する必要はありそうだが、いい勝負をしてくれそうな面構えに見えてきたぜ!

それでは……ファイッ!!!!



・サイズで対決

冒頭でも書いたように、バナナの価格差は ほぼサイズに表れると言っても過言ではない。つまりバナナを評価する上で最重要事項は「どれがデカいか?」なのである。


1本ずつわけて、


皮をむくと……こう!

見た目的には同サイズバナナが1番大きく見えるが、ここはフェアに重さを量って判断させてもらうことにしよう。


ラ・ムーバナナの可食部の重さは121g。

1本あたりの価格39.8円なので、100gあたりの価格は32.9円。


同額バナナの可食部の重さは90g。

1本あたりの価格は39.5円なので、100gあたりの価格は43.9円。


同サイズバナナの可食部の重さは118g。意外なことにラ・ムーバナナよりも軽かった。

1本あたりの価格は80.3円なので、100gあたりの価格は68円。


ということで、ラ・ムーバナナが100gあたり10円以上の差をつけて1位のコスパということがわかった。

値上げラッシュ前に書いた前回の記事の最安値バナナですら 100gあたり46円だったのだから、やはりラ・ムーのバナナは安さにおいて最強と言ってもよいだろう。



・味で対決

どんなに安くてもマズければ意味がない。気持ちをフラットにしてそれぞれのバナナを食べ比べてみた。

ラ・ムーのバナナは甘さ控えめ、酸味のある爽やかな味だった。

皮に斑点(はんてん)がほとんどない未熟度合いであることを考慮すると、まぁ妥当な味という気がする。

1点気になるのは、お尻付近にちょっと薬品っぽい臭いがあることだろうか。とは言え よほど注意して食べなければ気にならない程度で、現に筆者自身、今回の検証にて初めて意識した臭いであった。


同額バナナはギリギリまで熟していることもあり、甘さマックスで水分量の少ないねっとりとした食感。

バナナは価格にかかわらずしっかり追熟させることが重要だと再認識。

ただし、サイズが小さいのはカバーしようのない問題だ。朝食に出てくることを想像すると 2本くらい食っちゃいたくなるよ。


同サイズバナナは値段を知っているから……かもしれないが、なんとなく上品な味がしないでもない。

薬品臭さはなく、ほどほどの熟し度合いにも関わらずほんのりとした甘みとねっとり食感が美味しい。

いやはや、さすが1本80.3円の高級バナナ。悔しいが認めるしかない!



・激安と高級は味に差アリ!

正直に白状すると、3種のバナナをそろえた時点では「やっぱりバナナは安くてデカいのが正義だよね!」といった感じでまとめられたら……と考えていた。

しかし現実を見ると、高いバナナってちゃんと値段に見合った美味しさがあるものなんだな。


ってことで 筆者の個人的な評価としては、毎日食べる人にはラ・ムーのバナナ(税込159円)。


毎日食べるけど少量でOK、あるいは子供のおやつにする場合には同額バナナ(税込158円)。


時々しか食べないから美味しいバナナを食べたい、あるいは毎日食べるけど超リッチな人には同サイズバナナ(税込321円)。

ラ・ムー以外のスーパー名を伏せているからわかりにくいかもしれないが、おそらく同じ価格帯のバナナであれば似たような結果になるんじゃないだろうか。

皆さんの買い物の役に立てば幸いである!

執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.