今年もブルボンがバナナをやたらと推しまくる謎の祭りがやってきた。エリーゼ、アルフォート、シルベーヌ、バームロールなどの代表商品9種に、期間限定でバナナ味が加わる「バナナフェア」である。

なんでも日本人のバナナの消費量は年々じわじわと伸び続け、バナナジュースが人気となったり、1本1000円超えの高級路線が展開されるなど、「第3次バナナブーム」ともいわれているのだそう。

筆者もバナナは嫌いではないが、1年中いつでも食べられるし、安く大量に買えるしで、正直なところ「特別感」はあまりない。バナナブームといわれても「へ~」というくらいの感覚なのだが、いくつか食べてみようじゃないか。


・購入できたのは5種類

発売日当日、購入できたのが5商品。シルベーヌ、エリーゼ、ミニバームロール、アルフォート、パキーラである。どれもブルボンの主力商品じゃないか! パッケージがとにかく黄色いのと、「期間限定」マークが目印。

本当なら発売された全9種を揃えたかったのだが、大型店舗でも入荷状況はまちまち。まったく店頭に並んでいないところもあった。限られた商品棚を奪い合う、お菓子業界の厳しさを見るようでもある。

読者の方にも「探したけれど売っていない」という状況が結構あるのではないかと思う。ある意味、偶然の「出会い」なので、見かけたら即購入することをお勧めする。それでは、試食タイムいってみよう!


・シルベーヌチョコバナナ(希望小売価格:税込324円)

子どもの頃には「特別なお菓子」ナンバーワンだったシルベーヌ! お客様に出す茶菓子のような、どことなく漂う高級感。少なくとも、子どもが外遊びしながら食べるようなものではない。通常バージョンでも十分に美味しいわけだが……

クリームがバナナ味になっている! 「バナナピューレとバナナ濃縮果汁を使用」とのこと。しかし、思ったほどバナナの主張は強くなく、シルベーヌの上品さはそのまま保たれている。ほんのりと鼻孔をつく、バナナの芳香といった感じ。

これは優雅で美味しい! よくあるバナナフレーバーの強烈さがなく、控えめな味わいで、筆者はとても好きである。


・エリーゼバナナ(参考価格:税込378円)

続いてエリーゼ。チョコ&ホワイト2色入りだと、なぜかホワイトだけ先になくなるのは筆者だけだろうか。今回はすべてバナナ味なので、その心配はない。

開封すると、先ほどのシルベーヌよりもはっきりしたバナナの匂い。こちらも中身がバナナクリームに置き換わっていて、濃厚で濃密なこってり味。普通に美味しい。

語彙が乏しくて恐縮だが、本当に「普通に美味しい」というのが、この場合しっくりくる表現だ。美味しいのだが、バナナである必然性は特にないというか……。


・ミニバームロールバナナクリーム(参考価格:税込378円)

続いてはバームロールだが、バナナ味が加わっているのはレギュラーサイズの細長いものではなく、大袋入り「ミニバームロール」の方なので注意して欲しい。

これは有利である。むしろ最初からこの味だったのでは? というくらい違和感がない。

もとからモッチリした食感だから、フルーツ本来の軟らかさを連想させて、非常にバナナっぽい。果物としてのバナナの方が好きな人でも十分に満足できそう。

バニラアイスと一緒に食べるような、濃厚なバナナを想像していただけるとよい。


・アルフォートミニチョコレートバナナ(希望小売価格:税込108円)

ここまでは、いわゆるファミリーサイズの大袋商品で、コンビニエンスストアでは入手しにくいものだったが、以降は小箱である。

アルフォートは見たまんま、チョコレートの部分がそのままバナナチョコに置き換わっている。バナナにチョコレートは鉄板だから、不味いはずがない。なによりビスケットと合う! これは素敵なマリアージュ。

ビスケットだけでも1種のお菓子として成立しているから、バナナと合わさって複雑な風味を生み出している。カフェのスウィーツみたいな完成度だ。コクのある芳醇な味わいが口いっぱいに広がる。


・パキーラチョコバナナ(希望小売価格:税込130円)

最後にちょっと珍しい「パキーラ」という商品。エリーゼそっくりの外観ながら、中に入っているのはザクザクのクランチアーモンドとパフ。いつもは普通のチョコレートがサンドされているが、今回は「バナナパウダーを練り込んだチョコレート」とのこと。

これも、匂いがはっきりとバナナ。エリーゼもそうだったが、サクサク系のお菓子は、香料で特徴を出す傾向があるかもしれない。

決して不味いわけではないし、「アリ」なのだけれども、意外性という点ではややインパクトに欠けるようにも思う。


・もっとも美味しいのは……

勝手にランキングすると、筆者がもっとも美味しいと思ったのはシルベーヌ! ただの「バナナ香料」ではなく、やはり「バナナピューレとバナナ濃縮果汁」が効いていると思う。控えめながら上品な甘さで、「わたしってバナナでしょ!」みたいな強引さがない。

次点でアルフォートがくる。ビスケットとの相性が抜群で、お菓子としての完成度が高い。バームロールもよかった。

エリーゼやパキーラは、普通に美味しいし、買って損をすることは決してないのだが、個性的とまではいえないかなぁという印象。

今回購入できなかったのは「もちもちショコラバナナシェイク味」「ロアンヌバナナ」「ミニマドレーヌバナナ」「しっとりソフトクッキーチョコバナナ」の4種。

中でも「もちもちショコラバナナシェイク味」は(再販ではない)新商品だそうなので注目だ。

販売チャネルはコンビニエンスストア、量販店、ドラッグストア、小売店、売店などの予定。ただし筆者の見たところ、ファミリー向けの大袋商品はコンビニではあまり扱っていないし、大型スーパーでも全9種を取りそろえている店舗はなかった。運次第のところもあるだろうから、気負わずに探してみてくれ。


参考リンク:株式会社ブルボン
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.