俺たちの心のとんかつチェーン「かつや」が2023年12月13日、おそらく今年最後の期間限定メニュー『味噌チキンカツ』を発売したのだが……誰か教えてくれ。どうして「かつや」は師走になると、いつも味噌カツを食べさせようとしてくるんだ?

振り返ってみれば、2020年も味噌カツ。2022年も味噌カツ。そして2023年もやはり味噌カツである。名古屋に弱みでも握られてんのか? まさに圧倒的な味噌率であるが、個人的には今回の『味噌チキンカツ』に関して、一つ気になることがあった。

それは『味噌チキンカツ』の広告写真についてである。

・かつや新商品

60万食限定だという『味噌チキンカツ』は、丼が税込759円、定食が税込869円。ただし、テイクアウトできるのは丼のみとなっている(税込745円)。「かつや」によると、なんでも今年の『味噌チキンカツ』はダブルチキンとのことだが……


うん。


ぶっちゃけ、何がなんだかよく分からん。ただでさえ茶色一色なのに、全員が黒光りしているせいで同キャラ縛りのオフ会にしか見えないぞ。これは実際に注文しないとダメなヤツだな。というワケで……


実際に注文してみたのだが……

なぜだろう。ドラえもんにしか見えなくなってきた。目みたいなものがあるからか? 丸い形といい、器の青いラインといい、これでは22世紀から来た味噌型ロボットである。名古屋で製造されたんか? どら焼きよりも、ういろうを好みそうな面構えだ。



ただ、これで今年の『味噌チキンカツ丼』の全貌がハッキリした。つまりダブルチキンというのは、チキンカツと……

鶏つくねのコンボだったのだ。この鶏つくねは、今年3月に発売された『鶏だんごとチキンカツの合い盛り丼』に入っていた鶏だんごに近いと思われる。もちろん油で揚げられているぞ。なんせ「かつや」ですから。

・安定の味噌だく

一口大にカットされたチキンカツには、相変わらず超濃厚な味噌ダレがたっぷりかかっており、それはカツを貫通して下に控えているご飯にまで到達している。

さすがにかけすぎじゃね? ってくらいタレだくだが、私は毎年ここに「かつや」の真髄を見ずにはいられないのだ。

濃いのか? いや、これはこれでアリなのか? でもやっぱり濃いのか? そのギリギリを見極めつつ、でも最終的には「うるせぇ! ぶっかけだァァァァアアア!!」とばかりにタレまみれにしていく極めて脳筋的な振る舞い。

ちょうどいい塩梅を見つけても、そこからさらに余計な一歩を踏み込んでしまう、攻めてるのかアホなのか分からない前のめりな姿勢こそ「かつや」であり、我々が「かつや」を愛してやまない理由もそこにあるのだろう。

ちなみに個人的には、「かつや」のタレだく味噌カツは濃いけど濃すぎない、絶妙なラインに着地しているように感じた。これ以上濃かったら? そんなんもう『味噌チキンカツ丼』じゃねぇ。ただの味噌だ。



鶏つくねには軟骨が入っており、それが小癪(こしゃく)にもチキンカツとの食感の違いを演出してきている。当然の如くウマい……が、ちょっと気になる点があった。なんとこの鶏つくね、あらかじめ半分にカットされているのである。

・ナメんな

そう、つまり実質1個分なのだ。食べやすさを考慮してのことなんだろうが、そこは素直に2個入っとけやァァァァアアア! ダブルチキンという割には、鶏つくねの量が明らかに物足りないと感じたかな。普通にもっと食べたかったぞ。

前回の『タレカツ丼』では悪質な商品名詐欺を働き、我々の胃袋を死地へ追いやった「かつや」。その反省を活かし、今回はボリュームを自制したのかもしれないが……構わん、もっと来い(味も濃いんだからよ)。俺たちの体をカツで爆散させるつもりで来るんだ。大丈夫、すべて受け止めてやる。

・来い

なぜなら “かつや者” とは、そういう独特な変態たちばかりだからである(きっとそう)。どうせお前は来年の12月も味噌カツを出すんだろう? とりあえずマストで味噌なんだろう? そうなんだろう? 名古屋に弱みでも握られてんのか?

その時は鶏つくねを10個でも20個でも入れてくるがいい。おそらく、いや間違いなく私たちは、死にそうな顔をしながらそれを完食するはずだ。「かつや」よ、来年も楽しみにしているぞ。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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