「かつや」が期間限定メニューとして高い確率で投入してくる “合い盛りシリーズ” は、主役級のおかずを2種類盛り付けたらウマいんじゃね? という極めて安直な考えのもとに成り立っているため、必然的に選ばれる弾も限られてくる。メインを張れる役者はそう多くはないからだ。

ところが今回「かつや」は、そんな我々の予想を少しばかり裏切ってきた。本日2023年3月10日より販売開始となった新商品の名は、なんと『鶏だんごとチキンカツの合い盛り』。チキンカツと、まさかの鶏だんごである。なるほど、そう来ましたか。

・かつや新商品

期間限定の新メニュー『鶏だんごとチキンカツの合い盛り』は丼が税込759円、定食が税込869円で、もちろんテイクアウトも可能。今回、私(あひるねこ)が注文したのは丼の方であるが、とにもかくにも気になるのが鶏だんごの存在だ。

鍋やスープに使われる印象が強い鶏だんごが丼や定食に参戦するってことは、ミートボールのように何かしらのタレでボディをコーティングされているのだろうか? さすがにスッピンでは おかずとして弱いはず。とそこへ実物が到着した……のだが、ここでまさかの事態が。




揚がっとる……!


・もはや他人

それは想定外の光景だった。なんと鶏だんごが、油でカラッと揚げられていたのである。いや揚げんな! もしクックパッドで鶏だんごを調べて作り始め、「最後に衣をつけて揚げます」って書いてあったらどうする? 私ならそっとブラウザを閉じる。当然のように揚げるんじゃないよ。これでは迷惑系クックパッダーである。

それだけではない。驚くことにこの自称・鶏だんごは、黄金色の体にトマトソースをたっぷりとまとい、挙句の果てに粉チーズを頭からブッかぶっているのだ。治外法権かこの丼は。鶏だんごの定義どうなっとんねん。

・正体

丼の中央では、ゴルフボールくらいある鶏だんご(仮名)が3つ、ドンドンドン! と陣取っている。その様子を見て私はハッとすると同時に悟った。「かつや」よ、これは鶏だんごやない。実質メンチカツや。ほぼメンチカツの佇まいなんや。そう、鶏だんごにしてはあまりにも主張が強すぎる。

実際、鶏だんごのフワフワした食感と違い、この鶏メンチカツは肉がぎゅーっと凝縮されているのが特徴だ。凝縮されすぎていて、箸で割ろうとしたら箸の方が割れかけた。新種の鉱物かと思ったぞ。どうなってんだコレ。

もちろん、いざ食べると硬さはそこまで感じず、むしろぷりっとジューシーに仕上がっているのだが、元々普通サイズだったメンチカツを小さくするため、強引に球体化したとしか思えない。つまりこの丼は、チキンカツ1枚に鶏メンチが3個のっているようなものなのだ。多すぎるだろ!

しかもである。実はこの鶏メンチ、中に細かい軟骨が仕込まれている。コリコリした食感が楽しめるのは嬉しいんだけど、おかげで咀嚼回数が増え、満腹中枢が活性化され、ただでさえ大ボリュームの鶏メンチが、さらにボリューミーに感じられるという大変な事態に。

「かつや」は今回の商品について「お腹いっぱいになっていただきたいと考え誕生しました」と説明しているが、そりゃなるわ。こっちは軟骨入りの鶏メンチカツを3個も食べてるんだからな。あんまないだろ、一度の食事で3メンチ行くの。その後ろでうろちょろしているチキンカツも、終盤ボディブローのように効いてくるぞ。


あとこれは割と最初から思ってたんだけど、「3ボール 1チキン!!」って、お前ら全員チキンじゃね? 4チキンなんだよ、正確には。鶏ジャパンなんだよ。


「どっちもオイシ~!」じゃないんだよ。お前だけ日本語読みなのかよ。ていうかよく見たら、まあまあ追い込まれとるやないか! いいからもう4チキンでチェンジだ、チェンジ!! 試合終了ォォォォォォォオオオオ!!!

・注意喚起

「かつや」の新商品『鶏だんごとチキンカツの合い盛り』に関して、これだけは言える。あなたが想像する鶏だんごよりも確実にデカくてヤバイと。というか、もはや鶏だんごですらねぇ。事実上のメンチカツだ。鶏のメンチに軟骨を入れて、だんご状にぎゅーっとした何かウマい物体なんだ。

鶏だんごと聞くと、そこまで多くないように思えるだろうが、自身のボリュームをなぜか過少申告しようとする「かつや」の悪質なネーミング詐欺に、どうか騙されないでいただきたい。一応忠告はしたぞ。

参考リンク:かつや
執筆:かつや者・あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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