高島屋といえば伊勢丹や大丸、阪急などと並ぶ大手百貨店の一つであるが、東京・立川市にある『立川高島屋S.C.』がリニューアルした結果、想像の100倍くらい別人になっていて思わず「誰だお前!」と叫びかけてしまった。
新たにオープンした店舗をいくつかご紹介しよう。『オーケー』『セリア』『シャトレーゼ』『サンドラッグ』『おかしのまちおか』……いや誰だお前! ここは本当にあの高島屋なのだろうか?
・高島屋がリニューアル
JR立川駅の北口より徒歩3分。『伊勢丹 立川店』のちょうど真向かいに位置する形で『立川高島屋S.C.』は建っている。ここの高島屋は4・5階に『ニトリ』が入っており、『IKEA立川』からの帰り道にたまに寄ったりしていた。
化粧品や婦人服の専門店、ブティックなどが並ぶ、いかにも百貨店らしい佇まいだったと記憶しているが……2023年11月14日にリニューアルオープンした『立川高島屋S.C.』は、我々の想像をはるかに超える変貌を遂げていたのだ。
1階・地下1階のショップリストをご覧あれ。
そう、どう考えても百貨店のメンツではない。まさか私(あひるねこ)が愛してやまない激安スーパー『オーケー』が、高島屋のデパ地下に入る日が来るとは……。
・一気に庶民化
実際、1階のエントランスから入店した私は、すぐ目の前にあった『シャトレーゼ』の存在に気付くことができなかった。嘘みたいな話だが、こんなところにシャトレーゼがあると予想できなかったのだ。だって高島屋の1階だぞ? あると思う? シャトレーゼが。
シャトレーゼのすぐ隣には『サンドラッグ』が。
その向かいには『セリア』が店を構えている。
マジかよ、めちゃめちゃ便利だなここ。ハシゴしなくて済むじゃないか。しかし、高島屋の猛攻はこんなものではなかった。シャトレーゼの横にまだ開店していないテナントがあったのだが、なんとそこにはこう書かれている。
『はま寿司』、1月12日オープン……!
・止まらねぇ
ほ、ほんげェェェェェェエエ! はま寿司ィィィィィィイイイイ!! 回転寿司チェーンの中でも最安クラスの はま寿司まで参戦してくるとは……。週末ともなれば大混雑は必至。高島屋の本気を垣間見たような気がした。
・高島屋なのに激安
さて、そこからエスカレーターで地下1階に降りると、いよいよ今回のリニューアルの目玉とも言える『オーケー』が姿を現す。立川駅北口周辺では最大規模のスーパーマーケットだそうで、たしかに駅前エリアとしては申し分のない広さ。品揃えも良い。
特に精肉コーナーは私がよく行く郊外の大型店舗と同等か、それ以上に充実しており、高額なブロック肉の真空パックなど見たことない商品も並んでいる。
もっとも混雑していたのはやはり惣菜コーナーで、お馴染みのお弁当や丼、寿司、手作りピザ、ベーカリーなどが人気の様子。ローストポークや合鴨パストラミといったオーケーでは初見の商品も多く、私も思わず手に取ってしまった。
同じフロアには『サブウェイ』と……
『おかしのまちおか』も。
個人的に一番ビビったのが3階である。ひとことで言うなら、そこはただのゲーセンだった。
驚くことにクレーンゲームの『namco』、ガシャポン専門店の『ガシャポンバンダイオフィシャルショップ』『ガシャポンのデパート』、そして『一番くじ公式ショップ』のみでワンフロアが構成されているのだ。
ガシャポンエリアはまだ準備中だったが、おびただしい数の躯体がどこまでも並んでいる光景はひたすら圧巻であると同時に、いよいよここがどこなのか本気で分からなくなったのもこの階である。
屋上には『おにわ -oniwa-』というコミュニティゾーンが誕生していて、小さい子供が遊べるようになっていた。生活感がダダ漏れしていた新店舗エリアに対し、ここはどこか美術館のようなアートな空間で心地良い。誰でも入れるのでオススメだ。
・抗えない濁流
リニューアル後の激変した高島屋の姿は、生活者である私たちにとって非常に便利で歓迎すべきと思う一方、かつての百貨店の栄華をおぼろげながらに記憶している世代としては、どうにも複雑な感慨を覚えてしまう。
でもまあ、百貨店に足繫く通ってお金を落としていたのかと聞かれたら、まったくもって通ってないし落としてもいないので、何も言う資格はないだろうな。これが “今” だ、これが西暦2023年なんだ──。という冷酷無比な現実を、強烈に突きつけられるような体験であった。
とはいえ、入っている店舗はどこも大好きなので、立川を訪れる際は必ず立ち寄ろうと思います。はま寿司の完成も楽しみです。現場からは以上です。
参考リンク:立川高島屋 S.C.
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.