エアコンが壊れた部屋で暮らして「寒さは人をダメにする」と悟って以来、私は温かさに対して非常に貪欲である。

ここ数年、冬の外出時には貼るカイロで万全の対策をとっている。冬場はドラッグストアやコンビニで「あったかグッズハンター」と化しているのだが、ある日、ちょっと変わったカイロを見つけた。

その名も「かけぽか」。貼るカイロの従兄弟みたいな存在で「肩にかけるカイロ」である。

・首を温めるカイロ

LECが発売する「かけぽか」は、細長い形状の首にかけるタイプのカイロ。公式オンラインショップでは通常タイプが3個入りで598円、極暖タイプは3個入りで680円だった。

ちなみに、LECはメラミンスポンジ「激落ちくん」などの家庭用便利グッズでおなじみのメーカーである。

公式サイトの商品説明によると、全身をめぐっている太い血管は首にあるので、首を温めると身体が温かくなる……ということだった。

たしかに一理ある。映画を見てても殺し屋は首筋を刺すもんな……などと物騒なことをつい考えてしまった。とにかく首の血管は生きるうえで大事な場所なのだ。

寒さで肩が縮こまったり、コートの重さで肩こりになる……というのが冬に起きがちな不調である。風呂に入る前に服を脱ぐ時、痛みで腕があがらないこともあった。肩を温めるっていいんじゃないか?


・通常タイプの「かけぽか」

袋からだすと、通常タイプは真っ白で細長い。なんか神社の祈祷とかで首にかけるやつに似ている。かしこみかしこみ〜〜〜。

こちらは平均温度が42度で、肌に直接ふれてもOKだそうだ。

「寒い冬の洗濯、掃除のおともに!」と書いてあるので、自宅で使ってみた。

部屋が温まってない冬の朝の家事は辛いもの。たしかにベランダで洗濯物干すときとか、寒いんだよなあ。

袋から出して肩にかけると、すぐにじんわりと温かくなってきた……。こりゃいいわ……。首元があったかいだけでこうも違うものか。

しかし首から細長い白い物体をぶら下げているのはダサい。

肌に触れてOKなので服の中にしまってみたら……細長いから余裕で隠せた。こうやって使えば、見た目は問題ないのでは……?

・「極暖かけぽか」

一方、さらに温かい「極暖かけぽか」は平均温度が45度。

本体カラーは黒で、こちらは肌に直接触れず、服の上から使うのが推奨されているので要注意。

「外の外出や通勤に……」と書かれているので、朝晩の気温差が激しい日にかばんに忍ばせて使ってみた。

夕方、日が落ちて寒くなってきたタイミングで袋から出して、首元に極暖かけぽかをかけると……あったか〜!

腰やお腹に貼るカイロと比べると首元は温かさをすぐに実感しやすい。寒いと思ったら即温かさを実感できるっていうのは高ポイントだが……

首から細長い黒い物体をぶら下げているのはさすがにダサいので、上着とセーターの間にこっそりと忍ばせる。

これ、外でスポーツ観戦するとか、長時間並ぶときに良さそうだな……。

・広まってほしい最大の理由

なんと言っても「かけぽか」がよかったのは、かんたんに着脱ができるってところである。

貼るカイロの場合、下着や服に貼り付けているので、1回貼ってしまうと基本的に家に帰って服を脱ぐときまで貼りっぱなしである。1日中、外にいるならそれでもいいのだが、電車の中や室内で暖房が効いてるときは暑くなってしまう。特にしんどいのが満員電車。

「かけぽか」の場合、肩にかけているだけで下着や服に貼り付けているわけではないので「暑いな」と思ったらサッと首からはずすことができる。小さいからバッグの中でもかさばらない。

そして外に出て「寒いな」と思ったらまた首元にかけるだけ。このカイロをつけたりはずしたりできるというのが、想像以上に便利だった。あと、肩周りがあったまるのが地味に嬉しい。

首元を温めるために着脱するならマフラーでもいいじゃないか、と言われそうだけど、マフラーだと服に色を合わせたり、首元がチクチクしたりと気を使うところあるのだ。

・全然見かけないので増えてくれ…

なんとなく、パッケージの肩にカイロを置くというビジュアルのダサさで損している気がする「かけぽか」。パッケージの使用イメージはわかりやすく使いかたを伝えるためとはいえ、服で隠すこともできるよ……と伝えたい。

ちなみに、私が店で「かけぽか」を見たのは1度だけ……。行動範囲内の店にぜんぜん置いていないので、ぜひとも販売店を増やしてほしいのだ。そのためにこの記事を書いていると言っても過言ではない。

参考リンク:株式会社LEC
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.