私(佐藤)にとって爪切りは必需品だ。少し爪が伸びると、キーボードのタッチに多少なりとも影響が出て気になって仕方がなくなる。また、日頃からやっているポールダンスでも爪が伸びると、ポールを握る手の感触が気になってしまうのだ。
にも関わらず、安物の爪切りを使い続けている。これは見直さねば! と思い、幅広く雑貨を扱う「ハンズ」で高級爪切りを初めて購入してみた。使ってみたら高価であることに納得。これはもう手放せない。
・高級爪切りを使ってみる
以前から高い爪切りがあるのは知っていた。けど、日用品のなかでも爪切りの使用頻度はいちじるしく低い。そのため、私は100均で買ったもので満足していた。正直なところ、切れれば何でもいいとさえ思っていた。
ただ、高いモノにはちゃんと理由がある。高級櫛と高級カミソリを購入してそう実感した私は、今回も高級品への期待で胸を膨らませてハンズへと足を運んだのである。
店舗に行き、ヘルスケアのフロアで爪切りを見てみると……、めっちゃいっぱいある。どれを選んだら良いのか。
数百円から2000円の価格帯のものがズラリと並んでいるのだが、これらは高級の部類ではない。そりゃ100均と比べれば高いモノだけど、本当の高級品は上段のショーケースに入っていた。こっちの相場は5000~6000円代だ。結構しますねえ~。
ニッパータイプは深爪しそうで怖いので、てこの原理を使った一般的なクリッパータイプのものを選ぶことにした。ちょうどSUWADA(諏訪田製作所)の「ネイルクリッパー」(税込5390円)がある。これ良さそうだな。
……と思ったら、私より先に目をつけていたおじさんが購入してしまった。しかも、それが店舗在庫の最後の1つだった。そのおじさん、やたら爪切りに詳しくて、店員に説明までしちゃっていた。そんな本当の爪切り好きの手に渡ったのなら仕方ない。別のものを買うとしよう。
そんなわけで同じくSUWADAの「つめ切りプチ」(税込6930円)を買って帰った。これはクリッパー型とニッパー型の良いところを掛け合わせた、ハイブリッドモデルなのだとか。
SUWADAは、日本でも屈指の刃物の産地である新潟県三条市のメーカーだ。1926年創業で、爪切りだけでなく盆栽用鋏(はさみ)やキッチンツール・ソムリエナイフなども手掛けており、その技術の高さは世界的にも知られているそうだ。
実際、爪切りのフォルムは洗練されていて、使うのが惜しいほど美しい。日用品というより工具のようにさえ見える。
買うに当たって店員に話を聞くと、このメーカーは「合刃」の技術がスゴイという。上下の2つの刃を隙間なく合わせるために、職人が1点ずつ磨きをかけているそうだ。
爪切りを閉じると、ピッタリ合わさって髪の毛1本の入る隙間もない。この刃が爪に対して垂直に食いこむことによって、爪にかかる負担を軽くして、変な形状に切れることを防ぐのだとか。爪やすりで磨く必要すらないほどキレイに切れるようだ。
手に馴染むサイズながら、ステンレス製で重量感がある。
切ってみると、一般的な爪切りとは切った時の感覚が違う。パチン! と弾けるような音はせずに、プツ! と裁断するような感じだ。切る時の手ごたえも気持ちいい。
切った部分をよく見ると、尖ったりささくれたりしていない。なるほど、断面が荒れないので、削る必要がないのも納得である。
同社では爪切りの研ぎ直しも行っている。これは一生使えそうだ。とにかく切る感触が心地よいので、次に爪を切るのが楽しみである。爪切りが日常の娯楽のひとつになるかも。
参考リンク:諏訪田製作所
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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