長崎県 南島原市の提供でプレスツアーに参加していた私は、バスでかなりの山奥に来ていた。昼食会場である「山の寺 邑居」という店に向かっているのだという。
なんでも4月から9月まではそうめん流しを、10月から3月までは囲炉裏での鍋などを楽しめる店とのこと。今は9月なので そうめんだ。しかし、南島原では手延そうめんが特産品。山奥に来なくとも、至る所にウマい店がある。
この立地でもやっていけてるからには、何かしらの強みを持った店に違いない。そんなことを考えていると、ようやく到着した。……なるほど、これは強い!!
・秘境感
は? なんかめっちゃミストが出てるぞ? もはや建物がよく見えないレベル。圧倒的秘境感。この演出で大勝利だろ……!
聞くと、単に暑さ対策でミストを発生させているだけだという。マジか。SNS映えとかを意識してるとかじゃないんか。
この日はかなり暑かったが、確かにミストのおかげかお店周辺は涼しかった。ちなみに晴れるとこんな感じ。
そして外から見た店内。
外ではラムネが冷やされていた。いい雰囲気っすわ。まだ料理どころか店内に入ってすらいないが、この時点でだいぶ見どころがある。
・天ぷら
外ばかりでは仕方がないので、そろそろ中に入ろう。こちらが そうめん(4人前)! 主食に該当するので、主役と言っていいだろう。
南島原市としても、特産の島原手延そうめんをプッシュしたいので、この「山の寺 邑居」に我々を連れてきたのだと考えられる。
……しかし、残念ながら そうめんはこの後に登場したサブ料理に粉砕されることになる。
それがこれだ!
そう、天ぷらである。普通に季節の地野菜の天ぷらで、とても美味しいのだが、特に南島原特有な要素とかは無い。
・圧倒的ボリューム
私も最初はこの天ぷらにそんなに注目していなかった。これが2人前だと聞くまでは。
そうめんはテーブルにいた4人分が一気に出てきたため、天ぷらもこれで4人分なのだろう。そう思っていたのだ。
しかし、実際にはこれで2人前だという。お値段は1人前、つまりこの半分が880円とのことだが、都内基準で値段を考えれば4分の1で880円でも何ら違和感はない。
取材時の都合上、当サイトにおけるいつもの食レポのように、長さや重さを量ったりできなかったのが残念だ。この天ぷらの山のバカでかさと、狂ったボリュームを視覚的にお伝えできない……!
最初の天ぷらの写真の左端にコップが写り込んでいるので、それを比較対象にでもしてほしい。あるいは、大葉の天ぷらの大きさからなんとなく察してほしい。マジでこの量で2人前はヤバい。
そうめんはしっかりウマかったが、圧倒的物量の天ぷらの前に秒で霧散! 食事時間の9割くらいは、胃も脳も天ぷらに占められていた。
ちなみに私はわりと大食いな方で、すき家に行ったら1食で牛丼のメガを1つに追加で大盛りを1つオーダーするタイプのメタボ。定食屋だと、注文量で勝手に2人いると勘違いされることも多い。
そんな私だが……この天ぷらの前には完全敗北した。正直に述べよう。食べきれずにいくばくか残してしまったのだ。
お店の方には心底申し訳なく思っている。バチクソにウマかったのだが、本気で頑張ったけれども食べきれなかったのだ……!!
揚げたてのフレッシュな野菜の天ぷらはとてもうまく、それが信じがたいほど大量に出てくる。それが1人前880円は凄まじいコスパ。
人気はガチなようで、平日の昼間だというのに一般のお客さんは途切れることがなかった。
天ぷらに敗北して手が出せなかったが、個人的には「山女の唐揚げ」や「山女の塩焼き」なども最強にウマそうで食べてみたかった。
南島原に行ったら、皆さんも是非「山の寺 邑居」で食事をしてみてくれ。恐らく秋は紅葉が綺麗だろう。
参考リンク:山の寺 邑居、南島原市
執筆&写真:江川資具
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