大手立ち食いそばチェーンの中でも孤高を感じる小諸そば。富士そばとゆで太郎はふざけてるのかと思うくらい攻めていることがあるが、小諸そばはしっかりしている。と、そんなイメージを勝手に持っていたのだが、小諸そばの前を通りかかったところ、なんかイメージと違うそばの垂れ幕がかかっていた。

その名は「手羽元唐揚げそば(税込560円)」。餃子の王将の「チューリップ」のような手羽が3つ乗ったそばは見た目からガッツリしており、正統派の小諸そばらしからぬオーラを発している。だが、食べてみたところ、手羽元以上につゆに小諸そばの意志みたいなものを感じた

・注文してみた

小諸そばの公式サイトによると、本メニューは2023年10月25日から販売開始になったもののようだ。それにしても、つゆものの具に手づかみが基本の手羽元ってどうなんだろう? 唐揚げでもそばの具としてちょっと攻めてるのに、それを超えて手羽元は説得力が必要になるレベルではないだろうか。

ちなみに、小諸そばの公式X(@komoro_soba_)は「ボリューム満点!」とガッツリ推しのポストをしている。確かに、ボリューム感で納得させるというのは1つの手。というわけで、気になって注文した実物が以下である。

・手羽元より衝撃を受けたこと

小諸そばは器が大きいので対比的に手羽元が小さく見えるかもしれないが、垂れ幕の画像の通りちゃんとした手羽元が3つ浮かんでいる。今のご時世、560円と考えると、まあ安いかもしれない。

ただ、食べてみたところ、そんな手羽元よりも衝撃的だったことがあった。それはつゆである。つゆがそばつゆと思えないくらい凄く甘酸っぱいのだ。

・ビックリする味

そう言えば、メニュー名にも『~黒酢ピリ辛風味~』と入っているが、黒酢の存在感が風味どころじゃない。どうやらラー油も入っているようだが、それは風味程度なのに対し、黒酢はマジで全体を支配するレベル。

これだけ酸っぱいそばつゆを初めて食べた。私が名前をつけるなら、「油淋鶏(ゆーりんちー)そば」とつけたかもしれない。その酸っぱさにはどことなく中華オーラすら漂っている

・これは小諸そばの意志か?

そこで思い出したのだが、小諸そばは8月に『たっぷり胡瓜の四川冷麺』というラー油主体の冷やしそばメニューを販売していた。その時は「地味に攻めてる」と思っただけだったのだが、今回の黒酢ラー油つゆと合わせて見ると、小諸そばの “攻めの姿勢” のようなものを感じずにはいられない。

知らないうちに富士そばみたいなアイデアそばが登場しだした小諸そば。これは邪の道に進んでいくという意味なのか。少なくとも私は「手羽元唐揚げそば」に意志のようなものを感じたのだが果たして? 今後の小諸そばから目が離せない。

参考リンク:小諸そば
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼8月に販売された『たっぷり胡瓜の四川冷麺』のポスト