コンビニは大手3社が全国各地に出店し、どこに行ってもほぼ同じ商品を購入することができる。便利になったけど、地域の独自性が損なわれているようで、少しさみしい気もする……

だが! 福井県には地元に根差したコンビニ「オレボ」があった!! 総菜屋と合体したバイキング形式の「ダイニングコンビニ オレボステーション」なんていうのもあるんだよ!! 利用してみたら最高じゃないですかッ!!

・大津屋の歴史がスゴイ

オレボ、正式名称は「オレンジBOX」というそうだ。運営会社は福井市に本部を置く「株式会社大津屋」である。コンビニ事業のほか、伝統工芸品のセレクトショップや観光物産館の営業も行っている。


そんな大津屋の沿革を見ると、創業年はなんと!


天正元年! 1573年だってーーーーッ! 今年創業450年じゃねえか、マジですげええええ!!


創業時の説明文が大変興味深かったので、引用して紹介させて頂こう。

「越前一乗谷の朝倉氏一族が織田信長に討たれた際、当時、清酒製造業および両替商を行っていた「大津屋」に逃亡資金を得るために侍がやってきた。その時の借金のかたの仏像は現在は鯖江市の誠照寺にあり、大津屋の先祖は太田道灌であるとの記述もあることから(神明史誌)、さらにその前の時代より商売を営んでいたと想像されるが過去のことは不明であるため、大津屋の創業は1573年としている」


マジかよ、企業の創業エピソードの「織田信長」や「侍」というワードが登場するとは思わなかった。しかも今年450周年なのに、そのことが公式サイトに記載されていない。もっと盛大に祝えばいいのに。

大津屋さん、450周年おめでとうございます! 偉大すぎるッ!!


・こんなところにコストコ!?

さて、私(佐藤)と当編集部のヨシオは近隣の県での取材もあって、福井まで足を伸ばしてオレボステーション米松店にやってきた。

到着! 来たで、オレボ!


ここがオレボ! 総菜屋とコンビニが合体しているらしい。どんなお店かな?


早速行ってみよう~!!


中に入ると、半分はコンビニで半分は総菜屋。ちなみにココには「オレボ食堂」という飲食店まで併設している。総菜・食堂に関してはあとでお伝えするとして、まずはコンビニの方を見てみよう


入ってすぐに冷蔵ショーケースが3台並んでいて、そのうち1台には福井のスイーツブランドの美味しそうな商品がたくさん並んでいる。ここに甘いモノを置かれると、スイーツ好きは取っちゃうよねえ。子どもも手の届く高さだから、サッと手に取って「コレ!」とカゴに入れちゃうかも。


隣のケースにはサンドイッチやサラダなど軽食類。さらにその隣の1台にはチルド商品が並んでいた。


そのほかコンビニゾーンは、他のコンビニの商品とおおむね変わらない。が! コストコ商品も販売しているじゃないか!


その紙に記された文章がまたイイ。

「アメリカ生まれの会員制倉庫型店舗 ビッグサイズ商品が盛りだくさん! 品質が良い商品が多数で大人気です。コストコはちょっと遠い…年会費が… という方のために オレボが一肌脱いじゃいます♪


調べたところ、この店から最寄のコストコ(コストコホールセール 野々市倉庫店)まで、車で片道1時間(高速道路使用)。距離にして77キロメートル。「コストコはちょっと遠い…」というけど、ちょっとじゃないよね。地元の人にとってはとても助かるに違いない。「一肌脱いじゃいます♪」に親しみを感じるぞ。


・1グラム = 1.35円

続いて総菜屋ゾーンを見ていこう。まずは、レジカウンターに並んだおにぎり類。その形状から店内製造したものなのではないだろうか。デカくて種類も多いな。


のり弁おにぎり(税別325円)なんてのもあったぞ。


カウンターを紹介するついでに、オレボ食堂についても触れておこう。食堂を利用するには、券売機で食券を購入することになる。


そば・うどん・ラーメン・カレー・各種定食。それから福井名物のソースカツ丼も用意されている。なんでもあるなあ。


そしてこのお店の主役、総菜ゾーンはバイキング形式。11時~20時までの「ランチ & ディナー バイキング」は、昼夜均一価格の「1グラム = 1.35円」となっている。


イートイン・テイクアウトともに同じルール。ご飯・パスタを一緒に取る際は、いずれかを150グラム以上詰めなければならない。それから一緒に盛る総菜の上限は400グラム以内とのことだ。


おかずのみでバイキングを利用する場合は、専用容器に300グラム以上を入れなければならないようだ。


・安い!

ということで、バイキングで俺だけの「俺弁当」を作るとしよう。まずは中央の島から攻めるか。


この島は揚げ物焼き物が中心。訪問時間がちょっと遅かったため、品切れになっているおかずもいくつかあるな。


揚げ物の逆サイドには完成品の弁当もある。取り選ぶのが面倒だったら、これらを買えば良いだろう。


こっちにはサラダなどの冷菜。


厨房前には煮物などが並んでいる。ハンバーグは人気なのかな? 1つもなかった。残念……。


どれにしようかな~。見てると目移りしちゃって、アレもコレ取りたくなっちゃうよなあ。


こんな感じで俺弁当の完成! 梅ちりめんごはんにおかずは5品となっております。



この内容で総額なんと! 564円です、安ッ!!


重量は約380グラムで、意外と軽かった。ということは、おかずの上限400グラム + ご飯150グラムはかなりの量だよなあ。それでもザっと計算すると、合計金額は税別742円((400g + 150g)×1.35円)だから安いよね。


そういえばオレボ食堂のメニューもかなり魅力的だった。通常税込830円の「オレボちゃんぽん」が特価で税込500円で販売していた。見た目からして、500円を超える価値があると思うぞ。


ちゃんぽんを食べたヨシオは絶賛。提供の少々時間がかかったけど、待った甲斐のある美味しさとのことだ。


ということで、地元に根差したローカルコンビニ「オレボ」は良いお店だった。地方で独自ブランドを維持するのには厳しい時代になった。原材料費の高騰や人手不足など不安材料がたくさんあるけど、どうかがんばって営業を続けていってほしい。450年の歴史で培った経営術で、この荒波を越えていけ! がんばれオレボ! また行くからな~!!


・今回訪問した店舗の情報

店名 ダイニングコンビニ オレボステーション 米松店
住所 福井県福井市米松2丁目24-38
時間 24時間

参考リンク:株式会社大津屋
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24