Twitterで何か更新される度「終わり」という声が聞こえる今日この頃。だからって、焼き直しみたいなSNSを新たに始める気にもなれない。最近のタイムラインを見ていると、TwitterみたいなSNSはTwitterで終わりでいいと思う。
っていうか、SNS的な発信ってなくちゃダメなものなんだろうか? 見られるためにマウント取って何が残るの? 正直、Twitterのノリにガチで疲れていた。私(中澤)が新しい概念のSNS『friend.tech(フレンドテック)』を始めてみたのはそのためである。
・やってみて最初に抱いた感想
現在、β(ベータ)版がリリースされているフレンドテック。私が聞いたのはメインの機能がチャットであるということと、チャットをするために相手ユーザーのkeyを買うということだ。チャットするためにkeyを買う? 金を払ってフォローするということだろうか。
ただ、同時に「金が稼げる」とも紹介されている。何もピンと来ない。これはやってみるのが早いだろうと思ったわけだ。で、速攻でやってみたので最初に抱いた感想を述べると……
LINEみたい。2023年9月28日時点のメイン機能は、各ユーザーが持つクローズドなチャット部屋のみ。つまりは、使用感についてはLINEみたいなものと言ってしまって差し支えない。
・keyは仮想通貨のETHで購入
keyを購入することで、そのユーザーのチャット部屋に投稿することができるのだ。ちなみに、通貨は仮想通貨のETH(イーサ)なので、フレンドテックに入れたイーサを仮想通貨のウォレットに引き出すこともできる。
で、ここまでで十分わかったと思うのだが、仮想通貨に嫌悪感がある人とかはやめといた方がいいだろう。あと、これは私がやってみて思ったことだが、財テクに全く興味がない人もとっつきにくいかもしれない。なぜならば……
購入したkeyが売れるのである。つまりは、最初に私が述べた「金を払ってフォローする」という理解は間違い。では、なぜそれで「金が稼げる」になるのか? それは……
keyの価値が上下するから。私の場合、0イーサから始まり4人に8個売れたら0.005イーサになった。詳細な変動率までは分からないが、keyが買われたら値が上がって売られたら値が下がるのは確か。つまり、人のkeyを安い時に買って高い時に売ったら差分が儲かりはするシステムだ。
・稼げるか
ただ、これは株を紹介する際に「稼げる」と言ってしまうようなもの。したがって、個人的には「金が稼げる」と紹介するのも間違いだと思う。事実、システムを理解するために人のkeyをいくつか買ったけど別に稼げてないし。それこそ、イーサが値崩れするだけで原資で投入したお金より減ることもあるわけだしな。
ちなみに、自分のkeyが売れると手数料が入って来る仕組みになっているが、これも売買価格の5%とごくわずかのため、インフルエンサーや有名人でない限り、稼げるまでいかなさそう。あくまで私がやってみての所感だけど。ただ、フレンドテックが一部で話題になっているのには、この投機的側面とは別の理由もある。
・セキュリティー性
それはこのアプリの概念がweb3であること。次世代のインターネットと言われているweb3.0。ちなみに、TwitterとかYouTubeはweb2.0なのだが、これらはプラットフォームにデータが貯められる形で成り立っている。強引に例えるなら、Googleとかにデッカイ貯水タンクがあるわけだ。
この場合、貯水タンクを攻撃されたら全体の水が漏れ出る。しかし、web3.0は、この貯水タンクを経由せず、個人個人で管理する感じの概念。人呼んで分散型インターネット。
「それに使うブロックチェーンもデータの改ざんが非常に難しい保存形式で、ハッカーが悪意を持って攻撃することはほとんど不可能だといわれている」とNTTのホームページに書いてありました。
・まだ何も出来上がってない場所
というわけで、そのセキュリティー性が特徴の1つであることは間違いない。ただ、web3.0はまだ始まったばかりなので私も分からないことだらけ。どういったものなのか、何ができるのかはこれから開発されていく分野だと思う。
逆に言うと、フレンドテックがこの先どうなっていくのかはガチで分からない。潰れるかもしれないし、新しいSNSになるかもしれない。ゆえに、損する可能性も当然あると思うし、なんなら使い方すらまだみんなが模索している状態。少なくとも、今のところこれで有名になるとかそんな類の可能性は1ミリも感じられない。
じゃあ「なんでお前はフレンドテックをやるのか」と聞かれると「遊び」と答える他ないだろう。個人的にはその全員が霧の中にいる感じは面白みではないかとも思うのだ。How toが確立されてないからこそ、見つけられるものってあると思う。
・何かが出来上がるのか?
さて、今のところのログインしてみての感想をザーッと書いてみたが、これはあくまで2023年9月29日段階のものであることにご留意いただけたら幸いだ。ここからどうなるのだろうか? それを見守りたい。
最後に、念のため記載しておくがフレンドテックを始めるには現状招待コードが必要となっている。全部読んで「やってみたい」と思った人がいたらアレなので、次ページに私の招待コードと軽い登録の進め方を書いておいた。無料でできるものではないので自己責任になるが、どうしてもやってみたいという人は参考にしていただけると幸いである。
参考リンク:friend.tech、NTT
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.