いま、Z世代の間で「デジカメブーム」が起きているらしい。特に2000年代のコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)が人気のよう。
モノ自体のかっこよさもあるし、少ない画素数で撮れる素朴さ・チープさなどが「エモい」と若い彼らにはうつるようだ。
私もそのエモさを感じてみたい。そこで、かつて実際に使いまくっていた211万画素の愛用デジカメをメルカリでようやくゲットしたのであった。
購入したのはCASIO「QV-2900UX」という機種。調べによると発売日は2001年6月11日らしいが、私が使い始めたのは2003年ごろから。
「QV-2900UX」とは、世界放浪中いろんな国を一緒に回り、いろんなモノを写した。過去に描いた漫画にも登場している。まさに相棒。
バッテリーは単三電池4本。メモリーカードは懐かしの「コンパクトフラッシュ」。64MBのカードが付属していたが、新たに1GBを購入した。
標準解像度の1600×1200ピクセルで、64MBだと71枚しか撮れないが、1GBなら1165枚も撮影できる。20年前ならありえない枚数だ。
そんなこんなで「QV-2900UX」を手に──
高田馬場〜新宿の街を繰り出してみた。
いろいろ風景を撮ってみたが、
思っていたほど
そこまでエモくは感じない。
今のデジカメやスマホに比べると、
画角が狭すぎてビックリするが、
1600×1200ピクセルもの解像度があれば、
そこそこ綺麗に映るのだなと私は感じた。
ところが!
動画を撮るや、事態は一変。
まず、手ブレ補正がないので「揺れまくる」。
次に、この機種では「音声なし」の動画しか撮れない。
さらに、仕様上、「16秒までの動画」しか撮れない。
16秒の動画を撮ったら、メモリーカードに書き込み完了まで1分ほど時間がかかる。
しかし、それらのデメリットがあったとしても……いや、あるからこそ、
動画はめちゃくちゃエモいのが撮れるのであった……。詳しくは私がInstagramにアップしたリール動画を参照してほしい。
最後に、なにより嬉しかったのは、説明書なんて無くとも、私の指が操作を完全に覚えていたことである。
考えるよりも先に、指が動いていた。メニュー画面の操作方法。動画の撮り方。すべて、私の指が覚えていた。
私にとっては、画像よりも動画よりも、本体そのものがエモかった。操作音もエモかった。もう手放さない。大切にしたい。