近年「サステナブル」とか「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」とかよく見聞きするけど、何のことなのかサッパリわからん! 少なくとも私(佐藤)はあまり理解していない。外務省の特設サイトの説明によると「持続可能な開発目標」とあり、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標と説明されている。

それでもわからん! その目標のために自分が何ができるかわかんない。このわかりにくい問題に食を通じて知ることができるレストランがオープンした。東京・北青山の「星のキッチン」には食の課題を知り、考えるヒントが用意されている。「未来を選ぶトッピングバー」を利用すれば、SDGsが何となく見えてくるぞ。

・食を通じて知るSDGs

お店は、伊藤忠商事が運営する施設「ITOCHU SDGs STUDIO」の一角に、2023年7月21日にオープンした。


こちらではファミレスの洋食メニューを手本にメニューの構成を行っており、食材や料理法に工夫を施しているそうだ。たとえば食材は国産・有機栽培のものを多く使用しており、廃棄予定だった食材も使うことによって環境負荷の軽減に取り組んでいるとのこと。


地産地消やフェアトレード、アニマルウェルフェア(ストレスを抑えた農場で育てられた畜産物)など、持続可能な考えに根差した食材を数多くメニューに取り入れている。またお店のテーブルウェアは業務用中古食器を中心に使用しているそうだ。


・トッピングバー

このお店の象徴とも呼べるのが、未来を選ぶトッピングバー。サラダ・デザート用に設けられたトッピングバーには、食材にまつわる情報が添えられている。


サラダ用のナッツとコーンは有機栽培、無農薬無化学肥料の「有機JAS認定食品」を用意している。チーズは、プラントベースのパルメザンチーズ風味フレーク。その隣の野菜チップスは廃棄予定だった野菜を乾燥させて再利用している。


そのほか開発途上国の生産者をサポートするフェアトレードの調味料や、ワインの製造過程で出るぶどうの搾りかすから作られたグレープシードオイルもある。


デザートトッピングには有機素材のチョコレートチップスと、フェアトレードのチョコクランチ。それから有機栽培のドライフルーツ


里山再生の目的で作られた無農薬のジューンベリージャムや、グルテンフリーのおからクッキーやグラノーラなど。さまざまな側面を持つ食材を、一度に味わうことができるのだ。


・もっと身近に

今回私が注文したのは「もったいないバナナのソイシェイク」(税込700円)。この商品はフルーツブランド「ドール」の廃棄予定だったバナナを再利用したバナナピューレと豆乳を合わせたシェイクである。ちなみにドールは2025年までにフルーツ廃棄物ゼロをブランド目標として掲げている


それからプラントベースフードブランドの「wellbeans」と、自家製アイスブランドの「ハンデルスベーゲン」が共同で開発した植物性アイスクリーム(税込650円)。本来は白いアイスなのだが、トッピングした後に撮影してしまった。提供時は右側のアイスのように何も乗っていない状態だ。


豆乳ベースのアイスはコクがあり、アーモンドミルクの豊かな風味を感じる。動物性の乳製品を使っていなくても物足りないという印象はなく、後味がサッパリしていて口当たりも軽やかだ。


今回トッピングバーを利用してみて、持続可能な社会を意識した食材がたくさんあると知ることができた。残念ながら、日常生活にこのような形で学べるお店がほぼなく、利用しても「SDGs、難しそう」という印象は拭い去れない。こんなお店がもっと増えて、環境にやさしい食材がどこでも購入できるようになることを願っている。


・今回訪問した店舗の情報

店名 星のキッチン
住所 東京都港区北青山2-3-1(Itochu Garden)
時間 11:00~21:00(L.O.20:30)
定休日 月曜日(月曜が休日の場合は翌営業日)

参考リンク:星のキッチン外務省一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会ドールwellbeansPRTIMES
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24