灯台下暗しとは言ったもので、人間、身近な存在には気付きにくいもの。例えば日本に住んでいるからこそ、日本グルメの本当の価値に気付いていない人は意外と多いのかもしれない。
さて、今回の『外国人に話題の店』は、美食家のアメリカ人が「日本で食べるべきハンバーガー」と断言する、みなさんが良くご存じであろうハンバーガーをご紹介する。言われてみれば納得、確かにアレは日本オリジナルのハンバーガー……なのかもしれない。
・ポケモンGO友達の旦那さん
ここ数カ月、都心では多くのインバウンド客を見かけるようになった。コロナや円安など様々な理由があるのだろうが「なんでここに大行列?」なんて思うことも少なくない。新宿の富士そば、めっちゃインバウンド客が並んでます。
で、今回「日本で食べるべきハンバーガー」を教えてくれたのは、私のポケモンGO友達(愛称はママ)の旦那さん。旦那さんは日系アメリカ人で、日本に住んでいた経験をお持ちの日本ツウである。
日本人のママが「私はゲームが生き甲斐だけど、夫は食べるのが生き甲斐」と言うように、旦那さんはかなりの美食家。私がアメリカを訪れた際は「ザリガニのケイジャン料理」をご馳走してくれた。あれ本当にウマかったなぁ。
・日本にしかない?
んでもって、ママに「日本に来たら絶対に食べたい日本グルメをパパに聞いてくれない?」とお願いしたところ、超高級店から庶民派グルメまで、複数の候補を教えてくれた。今回ご紹介するのはその中の1つ「日本で食べるべきハンバーガー」である。
パパ「私はハンバーガーが好きなので、アメリカでもよく食べています。サンジュンさんが召し上がっていた “イナナウト” も好きでですし、チェーン店なら “Five Guys” も美味しいですよ。
中でもお気に入りは、日本にも出店しているOutback(アウトバック)のハンバーガーですね。家族で出かけた際は、必ずハンバーガーを注文します。そうそう、日本の話でしたね。日本にいた頃はよく神保町のモスバーガーで食事をしていました。
実はモスの創業者は私が通っていた大学に留学していたことがあるんです。モスバーガーのソースは、大学の近所にあった “Tommy’s Burger” のチリビーンズにヒントを得たと聞きました。なのでモスバーガーには最初から親近感があったのかもしれません。そんな私が日本で食べたいハンバーガーは……」
「モスの海老カツバーガーです」
パパ「理由はシンプルで、海老カツという料理自体がアメリカに無いからです。あったとしてもタイ料理のトートマンクン(海老のすり身の揚げ物)くらいでしょうか? アメリカはクラブコロッケ(カニのコロッケ)が主流なんですよ。
モスバーガーの海老カツバーガーはあれだけ贅沢に海老を使用しているにもかかわらず、価格もリーズナブル。そして注文してから調理してくれるスタイルも気に入っています。いま目の前にOutbackと海老カツバーガーがあったら、海老カツバーガーを選びますね(笑)」
……なるほど。言われなければ気付かなかったが、どうやら海老カツ自体がアメリカには無い料理らしい。公式サイトによるとモスバーガーはアメリカに出店していないため、まさに「日本で食べるべきハンバーガー」というワケだ。
ロッテリアでエビバーガーが誕生し、現在ではモスやマクドナルドでも取り扱われるようになった海老のハンバーガー。私自身あまり気付いていなかったが、世界的に見ると海老のハンバーガーは、とてもユニークな日本グルメであるようだ。
参考リンク:モスバーガー
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.