今年の夏の「そうだ 京都、行こう。」のテーマは仏像。東京駅での空也上人立像を起用したPRは大いに注目されたので、皆さんもなんとなく把握しているだろう。
私もPRのためのプレスツアーに参加し、六波羅蜜寺や三十三間堂を回った。……のだが、なぜか嵐山エリアで仏像とは1ミリも関係ない時間を過ごす行程があった。
仏像はどこに行ったのか。事情は全く分からないが、かつてないほど王道な映えとラグジュアリー感に特化したスポットを回ることに。なるほど、これが観光客が戻りつつある激混みの嵐山でゆったりと過ごす方法か……。
・嵐山
私が嵐山に来るのはこれが2回目。前回は2022年の大雪の日に、コロナ禍 + 大雪の相乗効果で無人と化した渡月橋周辺を見て回ったのだが、景色が水墨画みたいだったのを覚えている。
思えば、あの時の人がいない嵐山の光景は貴重なものだったのだろう。今や川沿いはこうだ。
歩道はどこも新宿駅の山手線ホームなみに混んでいる。これが平常運転の嵐山か……と思ったが、JR東海の人いわくこれはまだ空いている方だという。マジかよ嵐山の人気えげつないな。
今回は、この人だらけの喧噪に満ちた嵐山で、ゆとりのある静寂を得る方法をお伝えしていく。
・嵐山 祐斎亭
まずは、川沿いを西に進んだ先にある嵐山 祐斎亭。
元は川端康成も逗留するなどした料理旅館で、今は染色作家 奥田祐斎氏のアートギャラリー的な場所だ。
いくつかの部屋は空間美を堪能できる場所としても人気。要は映えスポットだ。見た方が早いだろう。この場所だ。
ここ数年、特に紅葉の時期になるとインスタやTwitterにここで撮った写真がアップされ、けっこうバズっていたりするのを見る。夏は瑞々しい緑がグッド!
ツルツルした机が置かれている部屋の他にも、レインボーに染まった薄い布が風にそよぐテラスのようなエリアや
水が張られており、水面に反射する木々の様が いとおかしなエリアがある。
ちなみにこれが川端康成が泊まっていた部屋。ここで「山の音」を執筆したそう。
見学料は2000円。他はとにかく人だらけだが、ここは程よく空いていて静かに過ごすことができた。
・京 翠嵐
続いては、嵐山エリアのラグジュアリーな食事スポットを紹介しよう。レストラン「京 翠嵐」だ。嵐山に観光に来る人の80%くらいが左の川沿いに進んでいく例の二股道を右に進んだ突き当りにある。
「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」のレストランで、食事だけの利用も可能なもよう。そばにはカフェ「茶寮 八翠」もあり、ヌン活も可能とのこと。
凄い庭を前に、凄い料理が出てくる。ここは本物ですよ皆さん。
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ということで、いつになく余裕のある大人向けな内容となったが、「祐斎亭」の空間美も「翠嵐」の料理も、どちらもクオリティに間違いはない!
陸上も
水上も
とにかく人がすごい嵐山。それだけ魅力的だからだろう。静かにゆったりと過ごせる場所は限られそうだが、今回紹介したスポットはガチだと思う。まあ……端的に言えば、金で静寂と余裕を買うということではあるが、その価値はあるぞ!
参考リンク:そうだ 京都、行こう。、嵐山 祐斎亭、翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都
執筆&写真:江川資具
提供写真:JR東海
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▼映えってたら窓からメジロが部屋に入ってきた。自力では出ていけないようだったが、この直後に捕まえて外に逃がしてやった。