JR東海は、2023年5月20日よりJR東京駅の「八重洲コンコース」で、実寸大の空也上人立像などを展示する「空也上人大集合展」を実施している。空也上人像とは、口から6体の仏が出ている非常に特徴的な立像だ。

展示会場に行ってみたら、空也上人像の顔出しパネルがあったので、私(佐藤)も空也上人になってみたぞ!

・場所はココ!

この催しは、JR東海が1993年にスタートした「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンの一環である。東京駅のイベント会場では、空也上人像のアクリルスタンドを無料配布しているらしい。それはぜひとも欲しい! ってことで会場を訪ねようとしたのだが……。

東京駅は広い! 八重洲コンコースで展示してるらしいんだけど、「八重洲口」っていっても八重洲北口・八重洲中央口・八重洲中央南口・八重洲南口と、改札だけでも4つもある。とりあえず駅まで来たけど、どこで展示されているのかサッパリわからない。コンコースってどこ?

そこで、通りがかった駅員さんに「八重洲コンコースってどこですか?」と尋ねると……。


「コンコースはこの辺、全部そうですよ。改札出たところは全部そうです」


なんだって! コンコースってそういうことか。じゃあ、どこなの? どこに行けば上人に会えるの? 改めて「空也上人の展示場所はどこですか?」と尋ねたら……。


「あ、それならこの先行った左です。行けばわかります」


おお! 助かった。で、さっそく教えて頂いた方向に向かってみた。ここの左、東海道・山陽新幹線の「八重洲中央北口」の前だな。


会場はここだ! 1階の八重洲中央北口が展示会場なので、訪ねる予定の人は覚えておくといい。


展示内容は47体のご当地空也上人像パネルと、数量限定のアクリルスタンドについて書かれている。残念ながら、この日は配布予定数に達してしまっていた。期間中、毎日配布が行われているらしいんだけど、ゲットするには展示開始時刻の10時に来ないと無理だろうなあ


なお、6月17日には動く空也上人が見られるそうだ。VRなどの映像で動く様子を再現するのかな? どんな風に動くのか非常に気になる。



・顔出しパネルもあるぞ!

スペースには47体の立像パネルがズラッと並んでいる。各地の方言で「そうだ 京都、行こう。」が書かれているのだ。


私の郷里、島根のものもあった。「そうだ 京都、行かかあ。」。うん、間違ってない。


間違ってないけど、私なら「そげだ 京都、行かかあ。」、もしくは「そげだ 京都、行かこい。」「そげだ 京都、行ってみいかあ。」などにするかなあ。

念のために詳しく島根の方言(出雲弁)を説明しておくと、「行かこい」「行ってみいかあ」は、他者に同意を求める「行ってみよう」に近い言い回しである。したがって、1人で京都に行く意志を表明する「行こう」を、「行かかあ」と表現するのは間違っていないのである。


・空也上人とは

話を戻そう。こちらが実寸大模型である。株式会社トーセと株式会社NHKエンタープライズが制作に協力したものなのだとか。ちなみに実物は京都の「六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)」にある。


口から出ているのは6体の阿弥陀仏だ。平安時代中期、上人は「南無阿弥陀仏」を唱えて人々に念仏を広めた。その口から出た一音一音「南・無・阿・弥・陀・仏」がそれぞれ仏になったという伝説に基づき、彫刻化されたのが上人像である。


彫刻を作り上げたのは、奈良・東大寺の金剛力士像で有名な「運慶」の四男だ。いずれは京都で実物を見てみたいものである。



会場にはこのほかにちょっと面白い展示物がある。それがこの顔出しパネルである。顔を出して写真撮影すれば、誰でも空也上人になれるぞ。


私も、通りすがりの人にスマホを渡して、1枚撮影してもらった。どうだろうか?


う~ん、私のように世俗にまみれた凡人は、上人のような悟り切った表情はできないな。口から国旗を出す手品師みたいになってしまった……。


この展示は、6月18日まで。東京駅にお立ち寄りの際にはチェックして頂きたい。


・イベント詳細

名称 空也上人大集合展
場所 東京駅イベントスペース(東海道・山陽新幹線「八重洲中央北口」前)
期間 2023年5月20日~6月17日、時間10:00~19:00

参考リンク:JR東海「そうだ 京都、行こう。」
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24