最初に言っておくと、代替卵を非難するつもりはない。むしろ、プラントベースで卵を作ろうという発想とチャレンジ精神は凄いとすら思う。シンプルに言うと気になっているのだ

そこで話題になっていた代替卵「エバーエッグ(Ever Egg)」を購入してみた。プラントベース食品専門カフェ『2foods』とカゴメが共同開発したこの代替卵は、いんげんとにんじんから作られているらしい。一体どんな味なのか? 食べた感想を正直にお伝えしたい。

・中身

常温タイプの発売により、全国のスーパーマーケットで販売されることも発表され注目されているエバーエッグ。『2foods』のヤエチカ店で購入してみたところ価格は税込み397円であった。

レトルトパウチの袋には親子丼やオムカレーなどの使用例の写真が載っている。レンチンでOKのようなので、説明通り、500Wで1分30秒チンして皿に開けてみると、中身はスクランブルエッグみたいな感じだった

・正直レビュー

ただ香りはいんげん。卵に慣れすぎているがゆえに、視覚と香りにチグハグ感がある。とは言え、いんげんの香りがしているだけなので食べるのに大した問題でもない。

スプーンですくってみるとトロみが強い。スクランブルエッグというよりは天津飯の卵みたいである。まずは、普通に食べてみたところ、食感は完全に卵

正直、この食感の卵っぷりは凄いと思う。完コピだ。プラントベースでここまでたどり着けている時点でイノベーション的なアレを感じずにはいられない。

一方で、卵のぬめりを出そうとつけているのであろうトロみの偽物感もまた凄い。味がしないしほぼ片栗粉やん。小学校の時給食で出てきた中華スープを思い出さずにはいられない。以上のことから、そのまま食べたら食感だけは卵という感じ。

・ケチャップをかけてみた

しかし、パッケージではオムライスにしていたりするので、ひょっとしたらケチャップをかけたら味が誤魔化されてより卵っぽく感じられるかもしれない。バーガーキングのプラントベースパティもワッパースタイルで食べたら肉みたいだしな。そこでケチャップをかけて食べてみたところ……

ケチャップの味に支配された。やはりコクの無さが卵というにはキツイ気がする。正直言うとまだ発展途上という感じは否めない。

・卵って凄い

食感の再現率のリアルさだけとっても、明らかに研究とこだわりが詰まっていることが分かるエバーエッグ。間違いなく健闘している方だと思う。

だが、それでも違う部分の方が際立っていることに、自然界の絶妙なバランスを感じずにはいられない。普段何気なく食べている卵って凄いんだなあ。逆に気づかされたのであった。次に卵を食べた時はより美味しく感じられるに違いない。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.