2023年3月3日、安楽亭は公式サイトで『ちょい飲みセット』をスタートすると発表した。──そう聞いて「あれ? 前からやってなかった?」と思った人、正解だ。

実は安楽亭は以前から『ちょい飲みセット』を提供していたのだが、つい先日リニューアル的な感じで再び始めたらしい。では一体どこがどう変わったのだろう? 気になったので店に向かったところ……私は会計時に絶望することになった。注意喚起の意味も込めて紹介したい。

・良い変化と悪い変化

リニューアルして変わった点は色々あるが、個人的に大きいと思うのは時間縛りがなくなったことだ。以前は平日の15〜18時限定とサラリーマン殺しの時間に行われていた『ちょい飲みセット』が、実質「いつでもOK」になっている。これは嬉しい。


一部実施していない店舗があるものの、『ちょい飲みセット』の使いやすさは間違いなく向上したと言っていい。

ただし、ポジティブな変化があれば逆もあるのがリニューアルの常。ネガティブな変化を挙げると、やはり値上げだろう。たとえば、以前は税込1300円だった『ちょい飲みセット』のAが、リニューアル後は税抜1300円、つまり税込で1430円に。


メニューだけを見ると分かりにくいのだが、リニューアル後は税抜表記の方が目立つようになっている。このあたり、ちょっとしたトラップなので、以前から同チェーンの『ちょい飲みセット』を利用している人は注意が必要だ。

また、1000円(税込1100円)のちょい飲みセットは生ビールが選択不可になっているほか、プラス200円で60分の飲み放題にできるサービスも無くなっている。

まぁ今どき実質値上げなんて珍しくない。むしろ値上げしても低価格帯をキープしてくれている安楽亭の存在はありがたい限りなのだが、ちょい飲みセットがサイレント値上げされている事実に気づいてしまったが最後、「もっと魅力的なセットないかな?」と探してしまうのは人の性(さが)。

その結果、1100円の『ちょい飲みセット』よりはるかに高いセットに惹かれても不思議ではない。私の場合は、『ちょい焼き肉と飲み放題セットのスタンダードコース(税込2398円)』に心を奪われた。


正確に言うと、『ちょい焼き肉と飲み放題セットのスタンダードコース』が心の穴を埋めてくれたと言っていい。こちらは価格こそちょい飲みセット(税込1100円)の2倍以上するが、100分間の飲み放題で焼き肉&おつまみが付いてくる。あまりにも魅力的だ。

ちなみに、同コースで飲み放題になるドリンクは以下の通り。


この内容を知ってしまったら、今さらちょい飲みセットを注文しようとは誰も思わないだろう。そもそも、ちょい飲みセットは飲み放題じゃないんだし。

というわけで私は予定変更して『ちょい焼き肉と飲み放題セットのスタンダードコース』を注文。8種類から選べるおつまみはキムチ、4種類から選べる肉皿は牛ハラミ&豚ハラミをチョイスした。


数分後、やって来た『ちょい焼き肉と飲み放題セットのスタンダードコース』を見てテンションが上がったが、心の中に一抹の寂しさが芽生えていたのは否めない。


というのも、安楽亭といえば「お肉をたらふく食べられる店」というイメージが(私の中で)強い。正直に言えば、お肉の肉質がめちゃくちゃ良いとは言えない。しかし価格がお安めで、ガツガツ注文できる。それが安楽亭の良さだったはずだ。

なのに、今の私ときたら……安楽亭でチビチビと飲んで食っている。これは果たして正しい安楽亭の楽しみ方と言えるのだろうか? そもそも安楽亭が実質的に値上げしてるってことは、経営的にラクではないってこと。

だったら上のコース以外にも色々と注文すれば、安楽亭的には嬉しいだろう。もちろん私の出費なんて微々たるものだが、やらないよりはマシ。そして何より、私自身も肉をもっと食いたいと思っている。野菜も食いたいと思っている。魚介類も食いたいと思っている。だったら……



と思っているうちに、会計が7000円近くになってしまったのだ。



・失敗の原因と分析

なぜこうなってしまったのか? 振り返ると、やはりサイレント値上げに気づいたことで「もういいや」って気持ちになってしまったことだろう。

あそこで折れずに財布の紐を引き締めておけば……と思わなくもないが、終わったことは仕方がない。サイレント値上げしているお店はいくらでもあるだろうから、今回の失敗を次回に活かしていきたいと思う。現場からは以上です。

参考リンク:安楽亭「ちょい飲みセットがスタート
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼安楽亭のちょい飲みセット。以前のスタイルを知っていると正直なところ物足りない感はあるが、それでもお得なセットであることは変わらない