Amazonで「電熱ベスト」と検索したら2万件以上の商品がヒットする。んで、商品を “価格の安い順” で並べ替えると「10円(配送料別)」のものが先頭に来る(2023年2月2日時点)のだが、上から順番に商品をチェックしていったら……突然ヤバい商品が現れた。

価格は178円。長い商品名を私なりにまとめると「電熱ベスト サーマルアンダーウェア 秋服ズボン バッテリー付き」だ。よく分からない単語があるにせよ、なんとなく「バッテリー付きの電熱ベスト & ズボンのセット」を想像するだろう。しかし……

・178円の電熱ベストがヤバい

注文の約2週間後に届いた178円の電熱ベスト。中国からの送料が約1500円かかっているので、合わせたら約1700円だ。それでも電熱ベストの中ではかなり安い方ではなかろうか。バッテリー付きなら倍近くするだろう。しかし袋から取り出すと……


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バッテリー付きの電熱ベスト……



ではなく……


ブルーの長袖・長ズボンのセットが出てきた。もちろんバッテリーはなし。私が購入したのは「3XLサイズ」だが、商品説明によると個体差(1センチ〜992センチ)が生じる場合があるという。とりあえず、992センチを「個体差」と呼ぶメンタルの強さを見習いたい。



それにしても、電熱ベストの要素が1ミリもない上下セットである。「鮮やかなパジャマ」と言った方が近いだろう。ちなみに「酸っぱい香り」付き。つまりバッテリー付きの電熱ベストではなく……酢のような香りが漂うパジャマが入っていた。マジでなめんなよ。

上着には牛乳パックのような紙が挟んであった……酢の香りが漂うパジャマという時点でどうでも良くなっているため、別になんとも思わない。静かにゴミ箱に捨てた。


では実際に着てみる。


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けっこう暖かいかも。


うむ、保温性はかなり高い。酢の香りさえ我慢すれば快適である。あと商品説明欄に「お好きなジーンズやカジュアルパンツ、スニーカーや帽子などを組み合わせて、フリースタイルにしましょうか」と書いてあったが、アレは一体どういう意味なのだろうか。


とにかく肌着(インナー)としては悪くない。ついでにAmazon低評価の「肩当て」「レッグウォーマー」「袖なしちゃんちゃんこ」もセットで装着した結果、電熱ベスト以上にポカポカ温まったことは記述しておこう。いやむしろ暑いくらいだ。

まとめると「電熱ベスト」や「バッテリー付き」などと嘘をつかなければ普通の商品だった。てか、電熱ベストを探している方に見つけてほしかったのだろうか。結果的に電熱ベストが並んでいるページで明らかに浮いていたので、成功といえば成功かもしれない……が!

画像を見ただけで嘘と分かるのでやめた方がいい。正直に「青いインナー上下」と名乗るべきだ。酢の香り付きでも178円なら安いのでは。現場からは以上です!


参考リンク:Amazon「電熱ベスト サーマルアンダーウェア 秋服ズボン バッテリー付き」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.