世の中をネガティブな意味で騒がせている回転寿司テロ。しょう油までペロペロされてしまうとなると、これといった具体的な対策がなかなか思い浮かばないが、ところで日本以外でもこういった若者の悪ふざけは問題になっているのだろうか?

そこでアメリカ在住の友人に「アメリカで回転寿司テロみたいなことって無いの?」と聞いてみたところ、興味深い話を聞かせてくれた。これは日本でも参考になる……かもしれない。

・日本以外ではどうなのか?

若者が悪ふざけをしてしまうのは、おそらく万国共通の文化(?)なのだろう。今では完全体の大人になっているみなさんも、若かりし頃は「今だったらやべえことになっている……」なんて悪ふざけを、1つや2つはやらかしているハズだ。

当時と今が違うのは、ズバリ「インターネットの有無」ではなかろうか? 仲間内の笑い話で済んだ当時の悪ふざけと、世界中に拡散してしまう現在の悪ふざけは、燃え上がる規模が明らかに違う。

・アメリカ在住の友人に聞いてみた

それはインターネットが普及している国、例えばアメリカでも同じハズ。そこでアメリカ在住の知人に「アメリカでも若者の悪ふざけテロはあるのか?」聞いてみることにした。


──今さ、日本では回転寿司テロみたいな動画が出回って問題になってるんだけど、アメリカでも同じようなことってあるの?

「それ見たよ。何がおもしろいの、あれ? そうそう、アメリカの話ね。こっちでもアホな中高生が失神ごっこ(?)でわざと自分の首を絞めて気絶する様子をTikTokにあげたりしてるよ。で、締まりすぎて本当に死んでたりね」

──ふむふむ。

「あとは、明日学校で先生のお尻を叩こうって煽る動画とか、使い切りパックの洗濯洗剤を食べてみたり……そういうのはよく聞くね」

──なるほど。でもどっかの飲食店でやらかす、回転寿司テロみたいなのは無いんだね。

「そうだね。まあこっちでやったら即超高額訴訟になるので、中高生でもあまりやらない気がするな。50億とか100億単位だもん

──100億!!?? こわっっ!!

「大きい会社なら500億とかも余裕であるよ。訴訟になったら凄いことになるのは、子供でもある程度の年齢になれば分かってるんだと思うな」

──やはり高額請求が効果的なのか……

「あとさ、単純にこっちは広いじゃん? だから車じゃないと移動できないのね。つまり、飲食店に行くにも誰かの車に乗っていくわけよ。そうなると免許を持ってるのはいい大人だから、悪ふざけを止められるんじゃないかな?」

──その発想は無かった。

「まあ、ほとんどの州では16歳から免許が取れるから一概には言えないけどね。ところであの回転寿司テロはどういう動機でやってるの?」

──うーん、やっぱり承認欲求はあるんじゃないかな? 簡単に言えば「バズリたい」みたいな感情が歪んじゃってるんだと思うな。

「そうなんだ……だったらアメリカは、そういうコが少ないかもしれないね。なんでかっていうと、家庭でも学校でもこっちは褒めて褒めて褒めちぎられて育つからさ」

──ほうほう。

「私も最初はさ “バカにしてる?”って思ったほど、とにかく些細なことでも褒めてくるワケ。ただそうやって育った子供はさ、自己肯定感がもの凄くしっかり確立されている気がするんだよね」

──にゃるほどねぇ。

「あと基本アメリカ人って正義感強い人が多いから、そういう親に育てられると回転寿司テロをやろうという発想にならないというか。むしろ止める方に回るというか。そんな気がするな」

──そういう違いがあるのかー。

「もちろんさ、いいことだけじゃなく悪いところもいっぱいある国だしさ、家庭が荒んでて10代の頃から悪事に手を染めちゃうコも超多いよ。ただ回転寿司テロみたいな中途ハンパな悪ガキはあんまりいない気がするなぁ」

──そうなんだね。わかった! 参考になった!! ありがとう!

「とりあえず私は100億払ったらいいと思うよ!」

──キャァァアアアアア!!!!



・3つの理由があるっぽい

整理すると「アメリカで回転寿司テロ」と同様の事案が起きない理由は大きく3つ。「超高額請求が抑止力になっている」「運転の関係で子供だけで飲食店に行くことが多くない」そして「教育方針で自己肯定感が満たされているコが多いため」である。

手っ取り早いのは「超高額請求」なのだろうが、果たして被害を受けた企業はどんなアクションを起こすのだろうか? また、同じ手法を取り入れるかどうかは別にして「褒めちぎられて育つと自己肯定感が確立した子供に育ちやすい」ことは覚えておいてもいいハズだ。

当然ながら今回の話は私の知人の見解なので、その他にも様々な意見があることだろう。果たして、本人の未来さえも奪ってしまう回転寿司テロをどう防ぐべきなのか? 大人たちがしっかりと答えを出すべき時が来ているのかもしれない。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.