しょっぱなからなんだが、昔から「男ウケ」や「モテコスメ」「モテ服」みたいな言葉が苦手である。

それを着ている人に対しては何も思わないのだが、自分はできれば着たくない……と思って避けてきた。そんな自分が、ロケットニュースの福袋企画で「SNIDELホーム」や「コスメキッチン」といった、モテそうな女の子御用達ブランドの福袋をゲットした。

以前も書いたが、今、この世のカワイイを牛耳っているマッシュスタイルラボという会社が作っているブランドである。ゲットしてみて使った結果、とても大事な気付きを得た。


・偏見と恐れと引け目と

誤解なきよう言っておくが、SNIDELもジェラピケもコスメキッチンも、ブランド自身が「モテるアイテム」といって押し出しているわけではない。

かわいくてオシャレなデザインで女子のハートを射抜き、さらにそれを着た姿が男子のハートをも撃ち落とした結果「デート服の定番」みたいな言われ方をしているのである。

しかし、どのショップの店員さんもかわいいし、お店に買い物に来ている女の子たちもかわいい。女の私だって、笑顔で微笑みかけられたらトキめいちゃうような、近くにいくといい匂いがしそうな感じ。

女子にはなんとなく、チーム分けがあって、持ち物とか醸し出す雰囲気で、瞬時に互いのグループを察知する。とはいえ、互いに敵対心があるわけではない。SNIDELやジェラピケは「自分とは違うチーム」という感じがした。

すごく雑な表現をすると「カワイイ女の子が入れる店チーム」みたいな感じだ。自分が選んだ道とはいえ、20年以上もモテ圏外のサブカル街道を突っ走ってきた私としては、入りづらい店だったのだ。


・実際に使ってみると……

人気の福袋のレビューは需要があるし、私自身もそこの商品に興味はある。カワイイ女子の気分を味わってみたい……。というわけで、ロケットニュース恒例の福袋企画で「スナイデルホーム」と「コスメキッチン」の福袋を担当したわけである。

まず、どちらの福袋も、開けた瞬間に大きな花束をもらったようなトキメキがあった。ああ、私とは違う世界の美しい花よ!

スナイデルホームの可愛らしいルームウェアはピンクが基調。自分だったら多分、ピンクは買わない。ピンクかわいいなあと思っても色違いの水色とかを買っちゃうと思う。

勇気を出して袖を通した結果……メルヘン不思議おばさんが爆誕してしまったわけなのだが、着心地もいいし私はそれでも嬉しかった。

そして「コスメキッチン」の福袋に入っていたコスメを使った。自然派のオーガニックコスメは肌に優しい分、カバー力とか発色はよくないイメージがあった。要するにごまかしが利かず、元から肌がキレイで、顔立ちもかわいらしい人が使えるコスメ……みたいな感じ。シミやシワなど隠したいところが大量にある私としては、物足りないと思っていた。

いつも私が使っているものに比べると保湿力などは低いけど、香りは癒やしのアロマ系。香りの効果もあるけれど、自分をいたわっている……という気分に酔いしれて、いつもより丁寧にスキンケアを頑張った。

乙女チックな部屋着を着て、いい香りのスキンケアを使っていたら、ふと子供の頃、無邪気にお姫様に憧れていた頃を思い出した。幼稚園にして自分はそこまでかわいい部類じゃないと気づいてからは、お姫様の夢は封印したが、アラフォーでもせめて家にいるときくらい、お姫様でもいいのかもしれない。


・翌朝…

かわいい人が使っているスキンケアを使い、かわいい部屋着を着て寝た結果……。


翌朝のわたしは、いつになくコンディションがよかった。

肌は潤い、ツヤっとしているし、目もいつもよりむくんでいない。あくまでも当社比であるが、かわいい女子に一歩近づいていたのである。いうなれば、初めて彼氏ができた次の日の朝くらい調子がよかった。

あまりにも調子が良かったので気分があがり、「カワイイ人がやってそうなことがしたい……」と思って、朝から部屋の片付けをして、ちょっと凝ったランチを作ったりしたくらいである。

ぶっちゃけ服や化粧品の効果以上に、「いま私はかわいい女子御用達のブランドを使っている!」という私の気持ちによるプラシーボ効果が大きかったように思う。だけど、この気分って本当に大事だと思う。

カワイイ店は、選ばれしカワイイ人だけが行く店だと思っていたが、なんだか、こういうトキメキの積み重ねで、カワイイ人というのは作られていくのかもしれない……と思わされた出来事だった。


・自分の身の丈に合わなくたっていい

とはいえ、今後自分がモテ服を着るかと言ったら話は別だ。自分の好みとはちょっぴり違うからだ。だけど、今回、物を買ってテンションが上がることで、なりたい自分に近づいていく……という大事なことに気付かされた。

今は「男ウケ」よりも「自分ウケ」の時代である。かわいい服を着ていたらかわいくなっていくように、かっこいい服を着たらかっこよくなっていくのだろうし、ロリータな服を着てたらお人形みたいに近づいていくのだ。だけど、今の自分なんかには似合わない……と思って手を出さずにいたら、ずっと今の自分のままなのだろう。

ついつい、地味な自分に合わせた服を買いがちだったけど、自分のテンションを上げるために、2023年はなりたい自分の姿を意識しながら服やコスメを買おう、と固く決意したのでした。


参考リンク:マッシュスタイルラボ
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.