皆さんは覚えているだろうか? 2021年末に我々編集部のメンバーは、アホな上司のYoshio不在をいいことに、叙々苑で豪遊忘年会を開いたことを。1年を締めくくるのに最高の宴であった……。
当然2022年の年末もやったぞ! 上司不在の忘年会!! 酒池肉林の大豪遊!
しかしながら、その幕開けは不穏なものだった。そして思わぬ返り討ちにあったでござる!
・2021年の豪遊忘年会の振り返り
2021年は突発的に忘年会を開くことが決まった。その年の最終出勤日、Yoshioに「忘年会は任せる」と言われた我々は、運よく当日予約できた叙々苑の個室へ9人で乗り込んだのである。
そして何のためらいもなく肉を頼んで、総額16万9675円の豪遊チャレンジに成功したのだった。
・最終出勤日に来やがった
2022年も同じ流れになることを踏んで、事前に社内ネットワークに「2022忘年会」部屋を作成し、Yoshio抜きの全員(+姉妹サイトPouch編集部のあんすず)を招集。
事前に綿密な打ち合わせをして最終出勤日を迎えた。
ところが不測の事態発生! なんとこの日、Yoshioが出社してきたのだ。忘年会のことは知らずに……。
チキショー、何しに来やがった。Yoshioがいたら「上司不在の忘年会」が成立しないじゃないか、コレは困った。そこで、Yoshioがう〇こしている隙に緊急ミーティングを実施。
佐藤「どうする?」
羽鳥「どうしようか?」
中澤「Yoshioさん、置いていったらええんとちゃいます?」
羽鳥「う~ん……」
佐藤「そりゃかわいそうだよ。どうせなら連れてって、その場で金出させようぜ」
結局、Yoshioは誰よりも先に「良いお年を~」と言って帰っていった。先に帰るのなら、余計な心配するんじゃなかった。まったく手間取らせやがって……。
・北京ダックの老舗「全聚徳」
そんなわけで、予約しておいた高級中華料理店「全聚徳(ぜんしゅとく)」の新宿店にやってきた。
ここは歴史ある中華料理店だ。お店のホームページにはこう書いてある。
「全聚徳は1864年に楊全仁氏によって創業され、宮廷で炙り鴨を調理していた料理人孫氏を迎えることにより、絶妙な美味しさの鴨料理を民間へと伝えました。歴史の本によると全聚徳の北京ダックについて、「それを越える料理は無い。最高の北京ダックだ。」と記されています」
なんかわからんけどスゲエ店だ! 通常ランチは3800~8000円。ディナーは1万2000円~3万円となっている。そんな感じでスゲエ店なんだよ!!
個室に総勢11人! 座っただけでもこの迫力! 今日は食うぞ、目標金額は昨年を上回る20万円だ。みんな、気合い入れて食えよ!! ってことで宴会スタート!
ちなみにこちらのお店はサービス料が10パーセントかかる。また以下の価格はすべて税抜だ。総額予想の参考にお伝えしておこう。
・酒池肉林の宴開幕!
まずはカンパ~イ! ちなみに「チンタオビール」(小瓶)は935円。9人がビールを頼んだので、この時点でザっと見積もっても1万くらいの金額に相当する。こりゃ相当期待できるぞ!
さあ、何を食おうか? やっぱ名物北京ダックは頼まなきゃな。
国産1羽、1万6800円。タイ産(1羽1万1000円)の方が安いけど、やっぱ国産っしょ! ってことで、北京ダック3羽、行ってまえ!
そのほかみんなでドンドンドーン! と頼んだ。何が出てくるのかな? まずは「家鴨冷菜三種の盛り合わせ」(5000円)が出てきた。
この手羽先みたいなのは「鴨の水かき」。コリコリとした歯ざわりで独特の食感。水かきも食べるもんなんだね。
次は「上海蟹味噌とフカヒレスープ」(3200円)を人数分。スープを飲んでるというよりもカニを食っている気になる。そのくらいギュっと上海蟹の旨味が凝縮されている。あまりにも味が濃いので、フカヒレの存在を感じないレベルだ。
佐藤「カニを潰した味がするな」
あひるねこ「もっといい表現があるだろ」
サンジュン「グルメライターと名乗るのもおこがましい」
続いて出てきた「大海老のチリソース」(3900円)は、海老が立っちゃってるぅうう!
羽鳥「く~……」
佐藤「どうした?」
羽鳥「美味い!」
海老の次はまた海老! 「車海老の香味揚げ」(3900円)。こいつも立ってる! 高級中華の海老料理は立ってるもんなんだな! オイラ、知らなかったよ!!
佐藤「あひる、ナニしてんだ?」
あひるねこ「ご利益。この香りを浴びて来年1年健康に過ごそうかと」
サンジュン「あひちゃんはカワイイなあ」
佐藤「参った、これめっちゃ海老だ……」
羽鳥「うん、海老だ。めっちゃ海老」
次はカニ! 「タラバ蟹の葱生姜上湯炒め」(5400円)。盛り付けが上品すぎて、パッと見、なんだかよくわからなかった。カニっぽくない盛り付けとでも言おうか……。
食べると「ふっくら」としている。この表現をカニに用いるべきか迷うのだが、それでもふっくらと呼ぶにふさわしい食感だ。そして甘い。冬のタラバの美味しさが前面に出ている。
続いて来たのは「鮮魚の姿蒸し」である。このメニューに値段は表記されておらず、なんと時価! みんなでそのままつまんで食べるのは難しかったので、取り分けて頂くことにした。
11人で分けると、こんなに少なくなってしまう……。でも味はバツグンに美味い! 蒸しているから身は柔らかくて、ふんわりした口当たりで美味しゅうございます!
そして中華の定番「空心菜のニンニク風味の炒め」(2800円)。1皿2800円……、人生最高額の空心菜だな。
こいつも外せない! 「和牛のマーボー豆腐」(3300円)。辛いもの好きのGO羽鳥も唸る。
羽鳥「く~……」
佐藤「辛いの?」
羽鳥「美味い!」
佐藤「だったらもっと美味そうに食えって」
ついにキターーーッ!! 北京ダックだ! まさしく肉塊、艶やかな焼き色でとても美味そうだ。
まずは皮だけ頂きます。料理人が1枚1枚丁寧に削ぎ落していく。思わず見入ってしまうような手際の良さだ。
その皮が1人2切れしかない。3羽で1人2切れしか取れないなんて、なんて贅沢な食い物なんだ。食べると軽い歯ざわりで、静かに口の中で溶ける。キャラメルを思わせるような柔らかい甘さだ。
皮よりも身の方がずっと美味そうなんだけど。そのままガッツきたいところだけど、こちらはヤーピン(鴨餅)で包んで食べる。
高級店なので包む作業もお店の人がやってくれる。3羽の北京ダックは量が多く、スタッフはひたすらダックを包んでいた。おかげで美味しく頂けましたよ。ありがとうございます!
さあ、だいぶお腹が膨れ上がった。でもまだ来るぞ! お次は「海老とホタテとブロッコリー炒め」(3900円)。すでに満腹中枢と味覚が麻痺し始めて、何食っても美味いとしか感じないのだが……。
いや、そうじゃないな。きっとこのお店は何を食っても美味いんだ。美味い! ひたすらに美味い!
満腹に追い打ちをかけるように小籠包登場。「特製小籠包」(3個1050円)と「フカヒレ入り小籠包」(3個1200円)である。
うかつに食べると口の中をヤケドしそうなんだけど、羽鳥は臆することなく口の中に放り込んだ。
羽鳥「く~……、美味い!」
佐藤「顔は辛そうだけど、親指はグッドなんだな」
このほかに食い足りないメンバーが「海鮮おこげ」(3900円)や「蟹肉レタス炒飯」(2100円)などを注文し、全員腹パンパン。もちろん、その間にビールや紹興酒、ハイボールなどの飲み物も注文している。
こうしてトコトン料理を堪能して、予定した通りの豪遊忘年会を繰り広げたのである。最後には「よくばりデザート」(デザート3種盛り 980円)を人数分頼んで食事の注文を終了した。
2022年を振り返ると、決して良いことばかりではなかった
苦しいこと、思い悩むことも多々あった
でも、こうして1年を終える時、みんなでテーブルを囲んで笑顔で食事できる
それだけでも十分にありがたいことだ
また、来年もみんなで飯食おうな
みんなでがんばろうな
・総額はおいくら?
ってことで、総額予想! はたして今回の豪遊はいくらになったでしょうか? 鮮魚の姿蒸し以外、ほぼすべての料理を2~3人前で注文している。また、ドリンクはおおむね1人2~3杯ずつ飲んだ。それらを踏まえて……。
読者の皆さんも総額を予想してください~!
全員の予想はこちら!
GO羽鳥 30万円
和才雄一郎 29万円
砂子間正貫 32万8000円
御花畑マリコ 27万8000円
あんすず 29万5000円
P.K.サンジュン 33万円
原田たかし 35万6000円
亀沢郁奈 28万円
あひるねこ 31万9000円
中澤星児 22万円
佐藤英典 25万円
下は22万から上は35万まで、かなり広い範囲の予想となった。皆さんはいくらだと思いますか?
結果発表~~~! 正解はこちら!!
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お会計金額は、33万5629円でしたっ!!
もっとも近かったのはP.K.サンジュン。さすがグルメライター格付けチェックでも好成績を残しているだけはある。勘の鋭い男だ。
こうして目標額20万円を大きく超える成果を残し、みんな笑顔でお店を後にしたのだった……。
……そして年が明けて、2023年1月5日……
Yoshioに報告しなければならない。昨年、約17万円かかった叙々苑忘年会の報告で、彼は「いいんじゃない、たまには。そのくらい食わないと、やってられないでしょ」と、懐の深さを見せつけてくれた。
今回はどうだろうか? 前回の倍の金額を使ったわけだが……。
「年末の忘年会の件だけど」と切り出した。
Yoshio「行ったんでしょ。いいとこ」
佐藤「はい、行きました。こちらが領収書でございます」
Yoshio「へ~、35万ね」
Yoshio「佐藤さんの給料から引いとけばいいんでしょ?」
羽鳥「そう来たか……」
佐藤「う……、今年はそう来たか……」
おったまげ~~~!!
Yoshio「というのは冗談だけど、今年もみんなにがんばって働いてもらわないとね」
佐藤「はい……」
Yoshio「がんばって働いてよ」
佐藤「はい……」
Yoshio「がんばれよ」
佐藤「はい……」
Yoshio「働けよ」
佐藤「はい……」
Yoshio「食った分、働けよ!」
佐藤「怒ってる?」
佐藤「怒ってるでしょ?」
Yoshio「怒ってねえよ!」
佐藤「切れてるよね?」
Yoshio「切れてな~い!」
Yoshio「切れてな~~~い!!」
完!!
今年もよろしく!
・今回訪問した店舗の情報
店名 全聚徳(ぜんしゅとく) 新宿店
住所 東京都新宿区新宿 3-32-10 T&Tビル8・9階
時間 11:30~15:00(L.O.14:30) 17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日 元日
参考リンク:全聚徳
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24