なぜ「五・七・五」のリズムはあれほどまでに心地いいのだろう? 日本語の持つ語感の良さを最大限に引き出すのは、もしかしたら「五・七・五」のリズムなのかもしれない。

さて、あなたはいま密かに注目を集めている『コラージュ川柳』をご存じだろうか? 最近、私、P.K.サンジュンはTwitterで流れてくるコラージュ川柳を眺めるのが、1つの楽しみになっている。

・コラージュ川柳とは

まずは聞き慣れない『コラージュ川柳』について説明しておこう。公式アカウントによるとコラージュ川柳とは「印刷物の切り抜き3枚で上の句、中の句、下の句を作る川柳」とのことである。

要するに新聞や雑誌の切り抜きで作る川柳のことで、これがジワジワと面白い。百聞は一見に如かず、まずはコラージュ川柳公式Twitterから、私がお気に入りの作品を3つご紹介しよう。


「何となく ねがいがかなう 上手投げ」


「がむしゃらに チンピラ青年 二重飛び」


「スルメイカ わずかに左に アオリイカ」


いかがだろうか? なんとも平和な遊びではなかろうか? ポイントは良質なワードが見つかるかどうかは運任せなところ。普段は巡り合わない言葉同士がつながることで、想定外の面白さが発揮されるのだ。

個人的には「空耳アワー」と似た感覚の面白さだと感じているが、単純に「五・七・五」を並べればいいだけではないハズ。これはちょっとやってみたい……というわけで、当サイトの4人のメンバーで『コラージュ川柳』に挑戦してみることにした。

・はじめてのコラージュ川柳

ざっとコラージュ川柳の概要を説明し、ルールは15分1本勝負。新聞やスポーツ新聞を眺めながら「ああでもない」「こうでもない」とワイワイやるのがまず楽しい。やっぱり平和な遊びだぜ、コラージュ川柳。

で、佐藤やYoshioがマッハで作品を作り上げる一方、GO羽鳥と私は慎重にワードを選んでいく。ひらめきやセンス、勢いや性格までが如実に表れるコラージュ川柳はなかなか奥が深い。そして15分後、それぞれの作品が完成した。

まずは15分で3つの川柳を作った佐藤から。最年長、パイセンのコラージュ川柳はというと……


「トマホーク 入札回避 浜崎あゆみ」


「金曜日 冬に食べたい ムートン・シーツ」


「鎌倉殿 節電要請 肩ごしに」


ええやん……! 特にトマホークに入札を試みるとは、あゆはとんでもなくお金持ち!! さすが「歌姫」の名を欲しいままにした、平成を代表するビッグアーティストである。お次に1本を完成させたGO羽鳥の作品は……


「大爆発! 答えはピッチで パンケーキ!!」


そうか、パンケーキが原因で大爆発が起きてしまったか……。単なる言葉の組み合わせなのに、なぜがストーリーが浮かんでくる面白さも『コラージュ川柳』の魅力の1つである。そして3本を完成させたYoshioのコラージュ川柳は……


「キャベジンが 弱ってきたと 思い込み!」


「薄いのに 重ね着乗り切る 底力」


「ベンチャーズ ナンバーズ 現金化!!」


2本目の川柳は「重ね着 + 乗り切る」を使用しているので反則であるが、初めてなので良しとしよう。評価が高かったのはキャベジンの作品で、キャベジン目線で読むと実に味わい深い。キャベジン、お前まだまだ出来てるぜ? で、最後は私、P.K.サンジュンの作品だ。


「有識者 パンダのうんこは ゼロコロナ」


正直、新聞の中で「パンダのうんこは」を発見した時は震えが来た。また私は意図していなかったが「パンダとゼロコロナから中国の気配を感じて深い……!」という意見も。一応、カメラマンのあひるねこに審査してもらった結果、最優秀作品は私の1本となった。

いかがだろうか? 初めての『コラージュ川柳』にしては、なかなか優秀な作品が出揃ったのではなかろうか? また、発表の際は謎の大盛り上がりだったことも付け加えておきたい。コラージュ川柳、マジでちょっとしたブームになる予感……!

というわけで、要チェックのコラージュ川柳はどうぞTwitterをフォローしていただきたい。誰も傷つけない平和な遊び、コラージュ川柳──。楽しかったので今度はもっと大人数で挑戦する……かもしれない。

参照元:Twitter @collage575
執筆:P.K.サンジュン
Photo:コラージュ川柳 、 RocketNews24.

▼コラージュ川柳、ぜひチェックしてくれよな!