太宰府天満宮だけでなく、令和ゆかりの地「坂本八幡宮」があることでも知られている福岡県太宰府市。名物といえば梅ヶ枝餅が真っ先に出てくるが、どうやら地名を冠した餃子もあったらしい。

「らしい」──こういうのも私は福岡県出身ながらその存在を知らず。都内の餃子セレクトショップ「餃子図書館」で初めて対面した。その名も太宰府餃子というのだが、どうしても喝を入れざるをえない自分がいたのでご報告したい。というのも……

・喝ポイント

売られていた太宰府餃子(700円)にいろいろとツッコミどころがあったのだ。太宰府の「太」が「大」と表記されているのはまだ目をつぶる(間違いではないけど古い表記。商品の方は「太」の文字)として、問題はその横にある筑紫野市という文字。

太宰府と筑紫野、実を言うとこの2つの市は距離こそ近いけども完全に別ものなのだ。かなり太宰府だけど土地は筑紫野……公式HPによると太宰府市に住む職人さんが開発したらしいが、なんとなくフワッとしている感が拭えない。こりゃ強引に「太宰府」を引っ張ってきているパターンだな……と思いきや!!


・反逆の太宰府餃子

ここから喝を挽回する動きに出たのが太宰府餃子であった。一言でいうならこれまでに食べたことないタイプ。手で包んだと思われる餃子を並べ、蒸して焼けば完成と何の変哲もない作り方ではあるものの……


水分を飛ばしている段階で異変が起きた。編集長のGO羽鳥はピタリと料理の手を止め、おもむろに匂いを嗅ぐとこう口を開いたのだった。


羽鳥「これはタイです。タイの屋台の匂いですな」


ほへ? 太宰府なのにタイ?


見た目は完全に餃子なのに、何がどうタイを連想させたのか。まずはタイ発言のGO羽鳥から実食してみた。以下、その感想である。


・いざ実食

羽鳥「それにしてもワイルドな匂いがするなぁ〜。やっぱりこれはタイの匂いだ。そして全体的に柔らかい餃子だね。味は……うん、うまい! でも待って。なんだコレ……もしかしてだけど、エビ入ってる? エビとか魚粉とか。

えっ? 牡蠣エキス? それかぁ、とにかく中身がトゥルントゥルンなのよ。不思議だよ。もう牡蠣食ってんじゃないの俺って気持ちになるほど今までになかった味だね。もうコレ、餃子の形をした牡蠣なんじゃないか(笑)」

羽鳥「普通に見えてそうじゃない。野球だったらメチャクチャ暴投している餃子だけど、面白くて俺は好きだね。もうタイ料理の部類で “タイで作られた中華” とでもいうのかな。パクチー、茹でたモヤシとかと食べても美味しそうだよ。それくらいにタイ」

──タイ好きということもあって、感想&妄想が止まらないGO羽鳥。しかし、ここまで餃子とタイを愛する男を興奮させたのだ。そんじょそこらのタイっぷりではないことが予想できるため期待するなという方が難しい。てことで、大いに期待しながら私も食べてみたところ……

羽鳥の発言通り確かに牡蠣の味である。そして見逃せなかったのがデフォでゴマ油が入っていること。これがまたタイっぽさというか牡蠣感を加速させていたように感じた。そうかそうか、ここまで牡蠣ならやることは1つ……!


・牡蠣と同じくレモンが合う

レモンである


牡蠣とレモンの相性の良さは折り紙付き。当然、形を餃子に変えても味の方は優勝で、もはやこの餃子は牡蠣だと断言してもいいくらいの完成度に仕上がった。エキスの主張が強いため、タイ方面にトリップしたい人はきっと気に入るに違いない。

ここまで振り切っているのだから、いっそのこと名前を変えてもいいかもしれないと思ったほどにタイだった太宰府餃子。もはやタイ餃子や牡蠣餃子……余計なお世話かもだが、そう名乗った方がインパクトありそうな気さえした。

とにかくすべてが牡蠣のよう。それほどに牡蠣感がハンパないので気になる人は一度ぜひ。通販でも販売しているので参考までに!

参考リンク:太宰府餃子
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.