日に日に肩身が狭くなる愛煙家のみんな……息してるか? 街でタバコを吸える場所は激減し、知らぬ街へ出かけたら喫煙所を求めて彷徨い歩く──。それでもルールを守ってタバコを楽しむみんなのことを、自分は仲間だと思っています。
そう、私、P.K.サンジュンとしては「喫煙者は意外とマナーが良い人が多い」と思うと同時に「喫煙者同士の連帯感が確実に存在する」と考えている。なので、同じ喫煙者のことを悪く言うのはイヤなのだが……新幹線の喫煙所に立てこもるうヤツだけはマジで許せねえ──。
・利用者は1人だけ
つい先日、大阪出張で新幹線に乗車したときのこと。冒頭でお伝えした「新幹線の喫煙所に立てこもる男」に遭遇した。年齢は50~60歳くらいだから、長いキャリアを誇る “ベテラン愛煙家” と考えていいだろう。
現在、新幹線の喫煙所は新型コロナウイルスの兼ね合いで、利用人数が従来の3名から「1名」となっている。2名以上ならローテーションの可能性も残されているが、今回のケースはガチの立てこもり。文字通り、おっさんが喫煙所を独占していたのであった。
・立てこもるおっさん
長いキャリアを持つおっさん愛煙家なら、喫煙所待ちでイライラしたことが何度もあるハズ。「若造ならともかく、いい歳のおっさんなのに譲り合いの気持ちが無いだと……?」とMAXレベルでイラついてしまった。なぜ自分がされてイヤなことをしてしまうのか?
四六時中譲り合いの気持ちを持てとは言わないが、我々は新幹線という閉ざされた空間の中では巡り合った仲間である。自分がイラつく側に回る可能性もそれなりに高いロケーションなのに、なぜ彼は立てこもれる? 率直に言って理解しがたい。
……が、喫煙所に入り5分を過ぎた頃からおっさんの行動を監視していた私は “2つの原因” に気付いた。もちろん、おっさんの「譲り合いの精神の無さ」が1番の原因であることは言うまでもないが、滞在時間が長くなりがちになる要因が見つかったのだ。
・スマホをいじりすぎ
1つは「スマホ」の存在である。おっさんは終始スマホをいじりつつ一服していたことから、実質的に立てこもり中は「タバコ + スマホ」の時間だったと考えていい。仮にスマホさえ喫煙所に持ち込まないでいれば、滞在時間はかなり短縮されたことだろう。
もう1つは「電子タバコ」である。おっさんはプルームテックを吸っており、その気になれば1本に30分はかけられるハズ。これが紙巻きタバコの場合、1本吸うのにせいぜい5分かかるかどうか。要するに電子タバコ特有の “区切りの無さ” が、おっさんの立てこもりを招いた原因と言える。
もちろん、紙巻きタバコでも2本目以降に突入すれば長時間滞在は可能だが、少なくとも私は外で人が待っている状況で2本目に火をつける勇気を持ち合わせていない。なんならいつもより早い1本2分ペースで煙を吸い込み、サッサと喫煙所を出るタイプの人間だ。
・永遠の12分
結局、おっさんが立てこもっていた時間は12分。通常の12分とは違い、永遠にも感じるほど長い12分である。逆に、私を含め喫煙所に並んでいた5名の視線が痛くなかったのか? デッキに5人ってパンパンやで? そうまでして吸ったタバコはウマかったのだろうか?
確かにおっさんは席でタバコを吸っていたワケではないので、ルール違反はしていない。……が、私は常々「人として守るべきは、モラル・マナー・ルールの順」と考えている。そういう意味でマナーもモラルも守れていないおっさんのことを、少なくとも私は尊敬できない。
その後、じっくりと「新幹線の喫煙所に立てこもるヤツ問題」を熟考してみたが、どう考えても「スマホと電子タバコ」の相性が悪い意味で良すぎる。少なくとも電子タバコを吸われる方は「喫煙所にいる間はスマホをいじらない」と心がけてもいいのではないだろうか?
今回、久々に同じ喫煙者に対しめちゃめちゃイライラしてしまったものの、それでも私は「喫煙者は意外とマナーが良い人が多い」そして「喫煙者同士の連帯感が確実に存在する」と考えている。というか、みんなタバコ仲間じゃん? 新幹線の喫煙所くらい譲り合って使おうぜ。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.