韓国料理と言えば我々にとって一番身近なものは焼肉だろう。もはや韓国料理と知らない人もいるほど広がった焼肉屋。一方で、広まるにはキツすぎた郷土料理も韓国にはあるようだ。
その名は『ポンテギ』。韓国ですら「キツイ」と言われている郷土料理なのだとか。
・韓国人にもらったお土産
まず、その料理の存在を知ったのは先日のことだった。在韓でロケットニュース24の記者をやっている韓国人のすんぴょんす君が編集部に遊びに来たのだが、私(中澤)にお土産があるというではないか。
編集長のGO羽鳥でもみんなのパイセン佐藤英典でも先日韓国で会ってたP.K.サンジュンでもなく私! これまで私ピンポイントでお土産を買ってきてくれた新人さんなんていなかったので正直めっちゃ嬉しい。わーい! ありがとう!! ところで、これ何?
・ピーナッツチョコっぽい何か
ぴょんす君がくれたのは「번데기」と書かれた缶詰。パッケージの色合い的にはピーナッツチョコとか入ってそうだが、文字がハングルなので判然としない。
ぴょんす君いわく、これは『ポンテギ』と読むのだそうだ。しかし、中身について聞いてみると「日本語でなんて言うかワカリマセン」と突然カタコトになる彼。さっきまで流暢にしゃべっとったやないか。そこで缶詰を開けてみたが、白濁した汁がなみなみと入っていて何かよく分からない。
・皿に出してみると
1つだけ確実に言えるのはピーナッツチョコではないということ。白濁した汁にはコーヒー豆みたいなブツがポツポツと浮いている。そこで皿に出してみたところ、ザラザラー!
と、前述のコーヒー豆っぽいのが大量に出てきた。しかし、コーヒー豆にしては柔らかそうだ。っていうか、コーヒー豆なわけないよなあ。生臭いもん。
・食べてみた
ヤバイ。めちゃめちゃテンションが下がってきた。しかしながら、せっかく後輩が私のことを考えて買ってきてくれたもの。無下にするわけにはいかない。そこで食べてみたところ……
虫感エグイて。
大体、日本の昆虫食って食べてみると食べ物の味がするものだが、これはダイレクトに虫だ。夏草の味がするレベル。おいィィィィ! これ何だよォォォオオオ!?
ぴょんす君「『ポンテギ』は蚕の蛹(さなぎ)を塩ゆでしたものですね」
中澤「日本語で完璧に説明できてるだと!?」
ぴょんす君「値段は100円前後くらいで、スーパーなら絶対あります」
中澤「あ、ひょっとして韓国では普通とか? だったらゴメン……」
ぴょんす君「いえ、自分より若い世代は「キツイ」という感じになり消えつつあります。事実、20年前くらいまでは出店とか屋台で紙コップに入れて売ってましたけど、今は見ないです。まれに居酒屋でおつまみとして売ってることもありますけどそれもソウルらへんだとそんなに見ないので」
中澤「つまり、韓国でも今やゲテモノ寄りであると? ぴょんすコノヤロォォォオオオ!」
ぴょんす君「ロケットニュース24の虫担当ですよね?」
──確かに、カブトムシとか、ゲンゴロウとか、虫鍋とか、エグイ昆虫食は大体私が食べてきたけども……! よく見てんなチクショー!!
・日本で言うイナゴの佃煮か
というわけで、思わずキレてしまったが、どうやら『ポンテギ』は日本で言うイナゴの佃煮みたいなポジションのようだ。ただ、昆虫食にも国民性ってのが出るものなのか、個人的にはイナゴの佃煮の方が大分食べやすかった。
言わずもがな、好き嫌いは分かれそうな味の『ポンテギ』。ゆえに、ひょっとしたら昆虫食が好きな人はこっちの方が好きかもしれない。それくらい素材の味が強く、“生” を感じたのであった。ぴょんすありがとうコノヤロー! また来いよ!!
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼初めてすんぴょんす君に会いました
すんぴょんす君、古沢君、うどん粉さんと、新人さんが編集部に! たまたまかぶったようで賑やかでした。 pic.twitter.com/EDuYXEUu94
— 中澤星児(ロケットニュース24) (@sorekara_jona) October 6, 2022
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