ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズなど超強力コンテンツを抱える『Disney+』。筆者が会員登録してから1年ほどが経ったが、スター・ウォーズの実写ドラマ『マンダロリアン』を見終わってからは放置気味で、最近は『ソウルフル・ワールド』を見たぐらい。

そろそろ切ろう(解約)かな……そう思っていた私がラストチャンスとして『ワンダヴィジョン』を視聴し始めたら、度肝を抜かれた。怒涛の展開が毎回のように続き、文句なしに面白い! のだが、それ以上に この作品を通してディズニーの “本気” が見えた。

・『ワンダヴィジョン』のあらすじ(ネタバレなし)

配信されてから だいぶ時間が経っているので今さらかもしれないが、一応カンタンなあらすじを紹介しておきたい。なお『ワンダヴィジョン』自体のネタバレはないが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のネタバレはあるので注意。

本作の主人公は超能力を扱うワンダ・マキシモフで、原作では “魔女” の異名を持つ。当初はアベンジャーズと敵対していたが、のちに仲間入りを果たした。超高速の移動能力をもつクイック・シルバーの姉でもある。


 

そして、もう1人の主人公が人造人間のヴィジョン。元々はアイアンマンの人工知能だったが、なんやかんやあった結果、チートレベルの激強キャラへと転生しアベンジャーズに加入。しかし『インフィニティ・ウォー』にてサノスに命を奪われてしまう。


 

で、この2人が結婚し、新婚生活を送る模様をシットコム(シチュエーション・コメディ)風に描いたのが本作である。ちなみに これはのちに知ったのだが、原作のコミックスでは実際に2人が結婚をするという設定・エピソードがあるらしい。

これまた余談だが、ワンダを演じているエリザベス・オルセンは、あの往年のシットコム『フルハウス』のミシェル役を双子で演じていたオルセン姉妹の実の妹である。そんな彼女がいま、姉たちのようなシットコムに出演しているのが なかなかエモい。


・加速度的な面白さ

さて、MCUシリーズを3周ほどしている私がどれほどのファンと言っていいのかわからないが、『ワンダヴィジョン』のあらすじを知った時は自分でもビックリするほど興味が湧かなかった。

「変なスピンオフだな」「ていうか、なぜこの地味な2人を使ったドラマなんだ」「そもそもヴィジョンは死んだだろうが」など、否定的なマインドしか浮かばない。

そんなわけで視聴をしないどころかDisney+の解約すら考えていた私だが、何やら耳に入ってくる評判がすこぶる良い。ということで遅ればせながら3月の上旬に見始めたわけです。するともう、イッキ見!

謎が謎を呼び、サプライズ演出が毎週のように放りこまれ、奇想天外な展開にまさかのアイツもコイツも登場……その面白さは最終回まで加速度的に増していくのである。各話が30分前後サイズというのも、視聴者としてはノリやすい。


 

また、登場人物たちのファッションやセットの雰囲気が50年代 → 60年代 → 70年代……と回を追うごとにアップデートされていく仕掛けが斬新。しかも、その時代時代のシットコムにオマージュを捧げている(奥様は魔女、フルハウスなど)のがまた面白い。


・「過去作を見なければ…!」

さらに……これはネタバレになるのであまり詳しくは書けないが、このドラマを見ると過去のマーベル作品を見たくなるような設計になっているんですよね。

そもそもワンダとヴィジョンというキャラクターがアベンジャーズ内ではやや地味なポジションにいるので、本作を見るにあたりMCUを見返す人も少なくないはず。さらに、アイツとかコイツとかも出てくるので、その関連作品も見て……

そうこうしているうちに、Disney+側からは「ワンダヴィジョンが終わったら『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』もやるからね〜」などと予告され……(※現在すでに配信中)


 

「それが終わったら『ロキ』もやるからネ〜。楽しみにしててネ〜」などとジラされるので……


 
えっ、じゃあマーベルの◯◯◯を見なきゃ……あと◯◯◯も見なきゃ……! とドンドン視聴意欲をかき立てられるのだが……

「ご心配なく! その作品のほとんどはDisney+で配信されてまーっす!」という寸法である。

つまり、ズブズブと “沼” へ引きずり込まれていくのだ。なにかにハマっていく快感って、筆舌にしがたいですよね。正直、Netflixと比べると求心力が弱いと思っていたDisney+だが、ここへきてディズニーもいよいよ本気を出してきたな〜という印象だ。


・MCUファンは必見

少し脱線気味なのでワンダヴィジョンに話を戻すと……とにかく強調しておきたいのが、このドラマは私が当初に思い込みをしていたような “スピンオフ” なんかではなかったということ。MCUの世界観を引き継ぎ、『エンドゲーム』のその後を描いた れっきとした正史の作品である。

また、MCUは今年『ブラック・ウィドウ』の公開を控えており新たなフェーズへ突入しようとしているが、Disney+作品はそれとリンクしそうな雰囲気をプンプンと漂わせている。つまり、今後のMCUを見る上で『ワンダヴィジョン』は決して見逃せない作品と言えるのだ。

そんなわけで、ガチ勢のMCUファンならとっくに見ているだろうが、私のようになんとなく『ワンダヴィジョン』の視聴を後回しにしている人、いますか? いるとしたら、そろそろ見始めた方がいいぞ。これから巻き起ころうとしているMCU旋風に乗り遅れるな!

参考リンク:ワンダヴィジョン(Disney+)、Instagram @disneyplusjpdisneyplus
執筆:ショーン
Photo:courtesy of Marvel Studios. / RocketNews24.