京都らしい食べものは数あれど、なかなかここまでビジュアルインパクトのあるものはないだろう。京都御苑内の檜垣茶寮にて食べられる『御所車御膳』のことだ。

その名の通り御所車に運ばれてご飯がやってくるのだが、その姿がなんとも雅! 恐れ多い気持ちになりながらもいただいて来たので、紹介させてほしい。


・檜垣茶寮にて提供されている御所車御膳

記者が学生の頃、京都御所の一般公開とあらば多くの人で賑わっていたことを覚えている。春秋の風物詩のひとつでもあった。しかし今や事前申し込み不要の通年公開を実施しているらしい。

時代は変わったものだと久しぶりに御所内を歩いていたところ、新しめの今風な建物を発見。中立売休憩所内の「檜垣茶寮」といい、ちょっと休めるだけでなく土産物販売や飲食店も入っているようだ。

メニューを覗いたところで『御所車御膳(税込1690円)』を発見。軽度の乗り物好きでもある記者は、吸い込まれるようにして入店した次第である。


・見た目も良いが中身も美味しい

なかなか御所車に乗ったご飯を食べられる機会はないだろうと、店内の席を確保した上で受付にて注文。ちなみに御所車とは牛車の俗称であり、応仁の乱以後禁中の大儀などだけに用いられるようになったところから、そう呼ばれているようだ。


さて。この御所車御膳、主菜を「季節の魚料理・和牛すきやき重米麹糖蜜仕立て・蒸し京都赤鶏の黒七味風味・旬の野菜天ぷら」の中から選べるとのことで、今回は「季節の魚料理」をチョイス。

しばらくするとスタッフの方がうやうやしく運んできて下さった。写真で見てなんとなく想像していたが……マジで御所車に乗ってるんだな!! そしてお吸い物の器までもが立派だ。


このまま持って帰りたい気持ちになりつつ、屋根の部分をオープン。ちりめんを乗せたご飯と鰆だろうか、魚がお目見えだ。下段にはおばんざいが詰まっている。

ちょこちょこと色々な食事を楽しむことが出来る感じが京都っぽい。魚が入った煮こごりっぽいものや茄子の煮びたしなど、いずれもひとつひとつが丁寧に作られていることが分かる味だ。


ちりめんが乗ったご飯と脇の魚も、いくらでも食べられそうな優しい味わい。これは美味しい! 失礼ながら器のビジュアルがメインなのかと思っていたが、中身がしっかりしていて、料理がちゃんと主役している。


これはもっと力を入れて、京名物として売り出したほうが良いのでは……? 余計なお世話だろうが、そんな風に思えてしまう程の美味しさと見た目の良さだった。

京都に住んでいる人がちょっとした非日常を感じたい時や、府外から観光で訪れた際など、選択肢のひとつとして『御所車御膳』はアリだ。食事をいただく空間も周りは緑だらけで落ち着きがあって、オススメだぞ。

・今回ご紹介した施設の詳細データ

店名 檜垣茶寮
住所 京都府京都市上京区京都御苑3 京都御苑内
時間 喫茶10:00~L.O.15:30 / 御膳・軽食11:00~L.O.15:30

執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼見た目が良い御所車御膳

▼車輪は固定されています

▼中身も良い

▼ひとつひとつ丁寧に作られていて美味しいです

▼今回は食べなかったけれど「うどん」も豪華そう

▼ドリンクもこだわりを感じました。こちらは和紅茶(450円)

▼場所は中立売御門入ってすぐ

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