2022年6月16日から東京は有明ビッグサイトにて「東京おもちゃショー2022」が始まった。毎年恒例のビッグイベントであるが、新型コロナウイルスの影響で今回は3年ぶりの開催となっている。
コロナ以前と同等とまでは言わないものの、会場には多くの報道陣や来場者が訪れていた中、飛び抜けて注目を集めていたのが『3D立体オセロ』である。まさかオセロに進化系が存在しただなんて……! ひょっとしたらこれはオセロ革命なのでは……?
・オセロが進化できるのか?
バンダイ、タカラトミー、セガ……などなど、名だたるおもちゃメーカーが集結している東京おもちゃショー2022。どのブースにも多くの人が詰め掛けていたが、異彩を放っていたのが「メガハウス」のブースである。
メガハウスは、オセロ・パズル・ルービックキューブなどを手掛ける玩具メーカーで、例えば「解体パズル」がたびたびネット上でバズっている。おもちゃショー2022の初日も「納豆パズル」「にんにくパズル」「うにパズル」の前には人だかりが出来ていた。
……が、それよりも多くの人が足を止めていたのが『3D立体オセロ』である。ちょっと言葉にするのは難しいのだが、3D立体オセロとは従来のオセロ盤に “立体のオセロ盤” を追加した新感覚オセロのこと。なに……オセロが進化しただと?
言うまでもなくオセロはオセロであり、誕生と同時に完全体へと化した “最終形態” だと思っていた。シンプルかつ奥行きのあるゲーム性は、まるで無駄のないパーフェクトフォルム。何を足して引いても、その瞬間にオセロはオセロでなくなってしまうのではないか?
……が!
そんな浅はかな考えをあざ笑うかのように、オセロは『3D立体オセロ』へと進化を遂げていた。絶対的ルール「挟んだらひっくり返る」を保ったままである──。
で、ブースにいたメガハウスの方に『3D立体オセロ』の説明を受けた結果、通常のオセロとは違う3つの特色が存在した。以下で順に説明しよう。
・側面も有効
通常は平面なオセロ盤であるが、立体のオセロ盤を追加することにより側面にもマスが生まれる。そのマスにもオセロを配置することが出来るため、単純に真上から見た状態のオセロではなくなる。しかもこちらから向こうの側面は見えないため “死角” に注意を払う必要があるのだ。実に奥深い。
・立方体のオセロ盤はどこに追加してもOK
大サイズと小サイズの “立方体オセロ盤” は、オセロ盤のどこに追加してもOK。2つを重ねてもいいし、バラバラに配置するのもアリだ。配置する位置によっては、これまで最強だった角を取ることも可能になるため、抜本的な戦略の変更が求められる。というか、角が取られるオセロとは……?
・座ったままでは遊べない
先述の通り、3D立体オセロは通常のオセロ盤に立方体のオセロ盤を追加するため、死角が生まれる。そのため、向こう側を確認するためには立ち上がって移動する必要があるのだ。3D立体オセロの登場で、もはやオセロはテーブルゲームの枠も飛び出した……のかもしれない。
・ピリオドの向こうだった
要するに『3D立体オセロ』はオセロの特長を活かしたまま、新たなゲームへと変貌を遂げていた。まさに “進化” である。大げさではなく「オセロ革命」と申し上げていいのではないだろうか?
ちなみに担当者の方は「通常のオセロが強い人が3D立体オセロで強いとは限らない」「チーム戦が盛り上がる」とも仰っていたことを記述しておく。百聞は一見に如かず、もしかしたら近い将来『3D立体オセロブーム』がやって来る……のかなあ?
とにもかくにも、3D立体オセロは完全にピリオドの向こうを超えていた。この件で何よりも重要な教訓は「オセロでさえ進化できる」という事実を示したこと。限界は、突破できる──。
参考リンク:メガトイ「3D立体オセロ」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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