タイトルを見て「“丼” って何よ! 若鶏ディアボラ風でしょう?」と感じた人が少なくないだろうが、『若鶏ディアボラ風丼』は表記ミスではない。
これはサイゼリヤのれっきとした公式メニュー。当サイトで何度かご紹介した「サイゼリヤン篠宮」が編み出した新作でもないし、「コストパフォーマー佐藤」の独自カスタムでもない。繰り返すが、公式である!
とはいえ、『若鶏ディアボラ風丼』は店舗で食べられるものではない。タイトルにもあるようにデリバリー限定メニューで、しかも普通のサイゼではメニューに載っていない。
ざっくり言うと、「デリバリー専門っぽい特別サイゼのメニュー」といったところだろうか。まぁ、普通の店舗でも『若鶏ディアボラ風丼』を取り扱っているところがあるかもしれないが、少なくとも私は知らない。
ちなみに、私が購入したのは「サイゼリヤ デリバリー 日本橋」で、Uber Eats(ウーバーイーツ)でも出前館でも対応していた。
・シンプルすぎる料理
さて、そんなデリバリー専門サイゼで見つけた『若鶏ディアボラ風丼』のお値段は税込749円。配達手数料とサービス料が別途かかるので、店舗のサイゼリヤ価格に慣れている人なら恐ろしく高く感じるかもしれない。
しかも、『若鶏ディアボラ風丼』はライスの上に「若鶏ディアボラ風」となぜか「円形の卵焼き」が乗っているだけのシンプルなメニュー。
それだけに、「サイゼリヤで750円あったらもうちょっと豪華なものが食べられるのになぁ」と思ってしまっても不思議ではないだろう。
正直なところ、私もそのような気持ちがあったことは否定できないが、丼に載ったチキンを箸でつかもうとしたとき、一瞬で不満が吹っ飛んでしまった。というのも……
丼なのにチキンが切られてない!
考えてみてほしい。これは丼である。つまり下にご飯があるから、ナイフとフォークで切るのが難しいのだ。強引に切ったら、下のご飯が潰れてしまう。
お店で出る『若鶏のディアボラ風』だったら鉄板に載っているのでそのまま切っても全く問題ないだろうが、丼となると事情が異なる。
これは困った。一体どうすればいいのだろう。まさかサイゼリヤの公式がサイゼリヤン篠宮のようなワイルドスタイルで来るとは思わなかったので、私はチキンを眺めたまま数秒フリーズしてしまった。
よし。慌てても仕方がないから、冷静になろう。この状態で、私が取るべき選択肢は3つ。
1. チキンだけを別皿に取り出し、ナイフとフォークで切ってから食べる
2. ご飯が潰れるのを覚悟して、丼の状態のままナイフとフォークでチキンを切って食べる
3. 手間をかけず、なおかつご飯を潰さないために、箸でチキンを掴みそのまま丸ごとかじりつく
──で、私が選んだ選択肢は……
3!
結果からいうと、これが正解だった。丸かじりするチキンが美味いのなんの。ディアボラとの相性は言わずもがなで、お米がまったく潰れていないのが大きい。
やはりチキンはこうして楽しむものだよな……と思いながら数分で完食。以前からサイゼリヤに行くと「若鶏のディアボラ風」はよく食べていたが、今回の体験で偶然にも新たな楽しみ方を知ってしまった次第。
・『若鶏ディアボラ風丼』がレアな理由
ちなみにだが、実はサイゼリヤの公式サイトに「デリバリー 日本橋店」はおろか「日本橋店」さえ見当たらない(2022年5月26日時点)。「日本橋浜町店」や大阪の「日本橋駅前店」ならあるが、「デリバリー 日本橋」は無いのだ。一体なぜ?
気になったのでサイゼリヤに問い合わせたところ……
「『デリバリー 日本橋』で提供される料理は、サイゼリヤと同系列で日本橋にある『ミラノ食堂』で作りお届けしています」
──とのこと。なるほど。そう言われたら何もかも合点がいく。「デリバリー 日本橋」が公式サイトで見当たらなかったことも、料理が「サイゼっぽいけど どこかサイゼじゃない感じ」だったことも。
では、デリバリー専門の店舗は今どれくらいあるのだろう? 私が出前館で調べたところ、今回利用した日本橋店の他に芝浦シーバンス店の2店舗のみ。これはレア……! もしデリバリー専門店舗の配達対応エリアにお住まいの方は、是非いつもと違うサイゼリヤを楽しんでくれ。
対応エリアじゃない人は残念だが、『若鶏ディアボラ風丼』に関しては大丈夫。お店で普通に売ってる「若鶏のディアボラ風」と「ライス」があれば、同じようなものが完成するのだから。“丼” についている卵焼きは無くても、味はほぼ一緒だから問題なしだ。
参考リンク:サイゼリヤ(店舗検索)、出前館「サイゼリヤ」
執筆:出前アプリ研究家・和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:Uber Eats(iOS)
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▼メニューの画像を改めて見ると、たしかにチキンは切られてないっぽい。これは「チキンくらい四の五の言わずにかぶりつけ」というサイゼリヤのメッセージか?
▼サイゼリヤに確認したところ、変則的な販売ながら「公式メニュー」とのこと