あなたはファミレスの『とんでん』をご存じだろうか? とんでんの正式名称は『北海道生まれ 和食処とんでん』──。読んで字の如く、とんでんとは北海道発祥の和食ファミレスチェーン店である。
ファミレスの最高額メニューを片っ端から食べ比べるこの企画「ファミレスの1番高いメニュー全部食う」の第22回は「とんでん編」をお届けするのだが……もしかしたら とんでんは “和食ファミレス最強” の座に、最も近い存在なのかもしれない。
・北海道発祥のファミレス
全国的な知名度で考えると『とんでん』はメジャーなファミレスとは言えないハズ。1969年に北海道で設立された『とんでん』は北海道内と関東地方に進出し、現在は北海道16店舗、関東に82店舗、そのうち埼玉県には36店舗を構えている。いや、埼玉多すぎだろ。
それはさておき、私(P.K.サンジュン)自身は幼い頃から近所に『とんでん』があったため、その存在は知っていた。……が「和食は家で食べるもの」という文化で育った関係で、とんでんに足を運んだことは1度もない。正直な話、北海道発祥のファミレスという事実さえ最近まで知らなかった。
だもんで、当初は「ファミレスの1番高いメニュー全部食う」に とんでんが登場する予定は無かった……のだが。社内に「和食ファミレスの中では絶対に1番!」と豪語する上司がいた関係で、渋々ながらも生まれて初めてのとんでんを経験してきた次第だ。
・うなぎが最高額
さて、初めてのとんでんでメニュー表をチェックしたところ、最高額メニューは「うなぎ御膳(3069円)」と判明した。うなぎと言えば「夢庵」もうなぎが最高額メニューだったから、未知なるとんでんと比較するにはナイスなメニューかもしれない。
ちなみに、その他のメニューだと「イワシ」や「海鮮丼系」をゴリ推ししていたのが印象的であった。特にイワシは「旨イワシ」と名付けられた とんでんの名物メニュー(?)らしい。イワシ推しのファミレスとか……嫌いじゃない。
で、到着した「うなぎ御膳」は、うなぎのかば焼き・刺身の盛り合わせ・茶碗蒸し・小鉢・漬物・ご飯・みそ汁のコンビネーション。夢庵の「うな重膳(2199円)」と比較すると約1000円高いが「刺身 + うなぎの質」で1000円の差をカバーできているのだろうか?
その答えはうなぎを一口食べた瞬間に出た。夢庵というより、これまでのファミレスで食べたうなぎの中でも群を抜いてウマい! さすがに専門店との比較は控えるが、例えば泥臭さといったマイナスポイントが特に見当たらなかった。
それでいてうなぎ感も十分に得られたから、これは堂々の「ファミレス最強うなぎ」に認定だ。ファミレスなので当然レトルトなのだろうが、その中ではもっとも上質なうなぎを使っている……んだと思う。
・和食ファミレス最強か
また、刺身だと特にホタテに “北海道プライド” が炸裂していた点も見逃せない。本場で食べた方が10倍くらいは美味しいが、そこらのスーパーで購入していたようなフニャフニャなホタテでもない。茶碗蒸しのクオリティも異常なほど高かった。
これまでいくつかの和食ファミレスで最高額メニューを食べて来たが、純粋に味だけで言えば “和食ファミレス王” は とんでんである可能性が非常に高い。他がダメというよりは、おそらく とんでんなりのこだわりがあるのだろう。率直に「他のメニューも食べてみたい」と思った次第である。
というわけで、知名度的には伏兵だった とんでんであるが、現在のところ「和食ファミレスの中では優勝」と申し上げていいハズ。あれだけゴリ推ししている「旨いわし」も実に気になるところだ。
参考リンク:とんでん公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.