家庭料理において手間がかからないことは結構重要だったりする。自炊を始めようと料理本を買った時に思った。オカンって本に載ってるようなカッチリした料理はあんまり作ってなかったなあ……と。「肉焼くだけ」とかの方が圧倒的に多かったし、それで全く問題がなかった。

簡単かつ、問題なくウマイ。私(中澤)が家庭料理において「よくできてる」と思うポイントはそこだが、この度、レバノン系アメリカ人に教わったおふくろの味が非常によくできていたためお伝えしたい。これぞレバノン式の牛丼! でも、作り方は牛丼より簡単!!

・ハシュイー

その料理の名前は「ハシュイー(hushwee)」という。レシピを教えてくれたのは、ロケットニュース24の英語版記者ケーシー・バシールさん。

ハシュイー自体は家庭によってバリエーションがあり、今回のレシピはレバノン生まれの祖父から受け継いだバシール家に伝わるものなのだそうだ。日本在住のケーシーさんが頻繁に作っているとのことなので、日本で手に入る材料で簡単に作れるぞ! それでは、ケーシーさんに聞いた通りに作っていこう。

・「バシール家伝統のハシュイー」レシピ

【材料】
牛ひき肉 450g(伝統的作り方なら牛100%だけど、合いびき肉でもOK)
米 360ml
鶏コンソメ 780ml
シナモン 小さじ2.6杯


【つくりかた】
1. フライパンでひき肉を炒める。油は使わない。


2. 炒めたひき肉、米、鶏コンソメ、そしてシナモンを鍋に入れる。


3. 火をつけて、沸騰したら弱火にする。


4. 鍋の中の液体がなくなったら(スープみたいじゃなくなったら)完成!

──と、簡単に言うと、ひき肉を炒めた後は全部鍋にぶち込んで煮続けるだけ。私の場合、鶏コンソメは味の素の固形コンソメを使ったため、2の工程で水を780ml入れてコンソメブロックを3つ入れておいた。

・ケーシーさんのひと口メモ

ケーシーさんいわく「合いびき肉を使うなら100%ビーフより油っぽいので、炒めた後ひき肉をざるに入れて1回水で洗っても悪くない」とのこと。

煮込む時間が厳密に決まっていないところが家庭料理っぽいが、参考までに、私が煮込んだ時間を記しておくと約25分くらいだった。もちろん、調味料の量や環境などによっても変わる可能性があるので、実際作る時は様子を見ながら火を入れることをオススメしたい。さて置き、出来上がったものを食べてみたところ……


味は牛の旨みが米にしみ込んだ牛炊き込みご飯という感じ。しかし、漂うシナモンの香りが極めてレバノンだ

・シナモンが鍵

作る前は、牛肉とご飯にシナモンが入るのが違和感だったのだが、それがむしろ中東オーラを引き出す結果となった。ケーシーさんいわく「隠し味のシナモンはマスト! これがないとハシュイーにならない」とのこと。一方で……

底の方焦げちゃってる。


ケーシーさんによると「シナモンを入れすぎると炊く時に焦げてしまう」のだとか。小さじ3杯くらいまでなら大丈夫とのことだったが、私は調味料を多めに入れてしまう癖があるので、これは反省。次はもっとうまく作りたい。

・量の調整も可

ちなみに、上記の分量で作ると4~6人分くらいと大量に出来上がる。少人数分作りたい場合は数学的に分量を割れば良いとのこと。

細かい工程や味付はなく、炒めて炊くというツーステップだけで大量に作れるこのレバノン料理。ちょっとした外国感がいつもの食卓に彩りを添えてくれるかもしれない。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.